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オールドミスとはぐれメタル


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:まひろ(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
今日は自分自身のこと、勇気を出して、えいやっと赤裸々に告白してしまおうと思う。
 
「お姉ちゃんは、どうして結婚してないと?」
と、小学4年生の甥っ子に聞かれ、
「うーん、なんでかねー。」
と、胡麻化してしまった私。
 
なんて答えるのが正解だったのか。
 
お付き合いをしていた人もいたが、私の仕事は出張がちで、関係を続けるのが難しかった。仕事がやりがいがあり、面白かっただけに、恋愛がめんどくさいと感じることも多かったのは事実だ。海外赴任したり、留学したり、と私の人生も大きく様変わりして、たくさんの人々に出逢うことができたし、海外にいるだけで、日本では思いもしないことが起こるので、私の好奇心はそれだけで結構満たされていたのだ。
 
50歳を過ぎ、人生の折り返し地点に来て思うことは、未来と過去についてだ。過去については、あのとき結婚していればと後悔することは全然ないと言ったら嘘になる。だが、過去に戻ってやり直したいとは思わない。あの時の選択は、当時の私にとってベストな選択だったと今でもそう思うので、後悔はあまりない。
 
20代後半、海外赴任中に、体調を壊し、仕事半ばで、引き上げることになった時ぐらい、辛いことはなかった。入院し、やりがいのあった仕事から引退の決意をした。大好きでやりがいのあった海外での仕事は諦め、日本で1年ほどアルバイトしながら食いつなぎ、その後、正職員の仕事を得た。「私は、ここで頑張んなくちゃ」と思っていた。それなりに、やりがいも見つけられていたので、自分なりにその仕事を好きになってきていた。
 
そんな時、海外留学の奨学金に関するポスターを見かけた。私が海外で働いていた時の業界では、海外の大学で修士や博士を取得している方が多く、尊敬する諸先輩方もそうだったので、海外留学して修士をとることに憧れてもいたのだ。その時、体調は安定していたので、チャレンジできるかもと思った。ダメもとで、受けてみようと思ったのだ。
 
ハードな圧迫面接やスピーチなどを潜り抜け、運よく奨学金を得ることができることになった。私は慌ててしまった。ダメもとだったために、大学院にまだアプローチしていなかったのだ。そこから、バタバタと準備し、大学院の方には、英語力をもう少し高めることという条件付きで受け入れてもらえることになった。
 
そういった、ぎりぎりOKの状態を何度も潜り抜け、大学院の方も巡ってくる幸運を掴みながら、無事修士号を取得することができた。たぶん、病気になったことで、マイナスに振っていた振り子が、プラスの方に振られたのだと思う。
 
ラッキーはそれだけではなかった。留学のチャンスをものにして、修士号をとったことで、ステップアップした形で、以前の仕事に返り咲くことができたのだ。
 
そんなこんなで、仕事中心の生活を送り、恋愛に夢中になれなかった。
こんな仕事中心の生活を送る私が、定年60歳を考え、どうすべきか。未来を考えなければと思った。人生100年時代だ。
 
こうなってしまえば、もう私はこのままひとりなんだろうなという諦めもある反面、どこかに私の王子様が……的な考えも捨てきれてはいなかったりするから怖い。すみません。ばばあが気持ちの悪いことを言いました。
 
オールドミスって言葉があった。この言葉は私は小学生の時「赤毛のアン」で知った。未婚のまま古くなってしまった女性の意味だと思う。なんて失礼な!と思わないでもない表現だ。孤児である赤毛のアンを引き取って育てたのは、オールドミスのマリラだ。赤毛のアンには他にもオールドミスはでてくる。どちらかというと好意的に描かれていることが多い。そのためか、私は、オールドミスにはあまり抵抗がない。ありがとう。モンゴメリ、お陰で、社会に負けず、自分をそこまで卑下しないでいられた。幼い時の教育は重要だね。
 
さて、人生100年時代に、後半50年、どう生きるか。最近よく考える。まず心配なのは、年取ってきた両親だ。仕事については、新しいビジネスを始めるか。引退せずにこのままフリーで活動するか。パートナーについては、もうこれはご縁というしかないだろう。ご縁があれば、そういうこともあるかもしれないし、ないかもしれない。今はそんなアバウトな感じでいいかなと思っている。
 
独身貴族って言葉もあった。負け犬と呼ばれたこともある。でも、結構、今の私、嫌いじゃない。自由にひとりで考え事をするのが好きな私にはたぶん今の状態がいいのだと思う。
オールドミスって、はぐれメタルみたいなものだ。はぐれメタルは、仲間とはぐれた弱めのモンスターだ。自由だけどちょっと寂しい。私も、寂しくないわけじゃないけど、自由でいたい方が強いわがままだ。
 
甥っ子にどう答えればよかったのか、正解はわかんないけど、おねえちゃんは今幸せなんだよな。と言いたい。あ、お姉ちゃんと呼ばせている痛さもわかります。すみません。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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