メディアグランプリ

断捨離連敗続きだった私に、闘志を燃やさせた言葉たち

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記事:飯島 正子(リーディング・ライテイング講座)
 
 
私は、これまで断捨離に成功したことがなかった。
決して、メディアで取り上げられるような汚部屋ではないし、コロナ自粛期間中に、ご多分に漏れず断捨離をしたけれど、どこか雑然としていてスッキリ感が出ない。
 
断捨離に関する書籍は年々、手を変え品を変え次から次へと出版されている。
断捨離の草分け的存在やました ひでこ氏から、最近注目の物を殆ど持たないミニマリストと呼ばれる人の著書まで幅広く読んだ。
それでも私の断捨離は、はかどらなかった。
一時的には片付けるのだか、持続できず、いつの間にか部屋は元の景色に戻っている。
 
片づけに関する書籍の中で、世界的にも広く浸透したのは通称コンマリこと近藤 麻理恵氏の「人生がときめく片付けの魔法」ではないだろうか。
アメリカの雑誌TIMEの「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれた彼女。
その片付けメソッドなら断捨離、連敗中の私にも出来るだろうか。
 
コンマリ式片付けは衣類から始まる。
仕訳基準はトキメキ。
その洋服を手に取ってルンッと弾むような気持ちが無いのならば処分対象となる。これなら出来そうかもと鼻息荒く、部屋に衣類を広げてみた。
 
しかし残念ながら、私はこの世界的メソッドにも挫折した。
無類の洋服好きの私は、1枚1枚に、こだわりを持って購入している。
生地が傷んでしまったものは諦めもつくが、サイズアウトした洋服であっても、そのデザイン、生地感に惚れ込んでいるので捨てることができない。
コンマリ風にいえば、たとえ着られない服でも、ときめいてしまうのだ。
当然、ものの数は減らない。
コンマリ流メソッドにも、あえなく撃沈した。
 
次々出てくる新たなメソッドを試してみては上手くいかず、断捨離ジプシー状態だった私に、ある日、その一文は飛び込んできた。
「古いパンツも捨てられず 女をサラリと捨てていく」
 
なに、女を捨てるだと?
聞き捨てならない。
私の心にカチッとスイッチが入った。
まるで、チャッカマンの少し重めの着火レバーを力強く押すように火が付いた。
(最近のチャッカマンは、子供が簡単には押せないようにレバーが、かなり重めになっている)
 
フォロワー15万人越えのインスタグラマーyur.3の著書「28文字の片づけ」
著者自身、片付けや整理整頓の本を数多く読んだけれど、心に残ったり、暮らしの中で思い出すのはハウツーやテクニックではなく、一冊の中の一文や一言だったそう。
「片付けをしたい」と思う読者に「片付けをしよう、動こう」と思わせる言葉に出合えるようにとインスタに投稿した文字を一冊にまとめている。
 
「人生最後の日に履きたくない靴下は捨てる」
「写真に写ると嫌なものは捨てるか見直す」
今まで読んできた断捨離本と明らかに違うと感じたのは、彼女の言葉は他人から見た自分を意識させることだ。
 
確かに、万が一、交通事故に遭い、病院にかけつけた家族の前で横たわる私が穴の開いた靴下を履いていたら私自身、無念だし家族も切ない思いをするだろう。
今日は靴を脱ぐ予定もないし、ちょっと生地が薄くなった靴下でも、まぁいっか……そんな悠長な靴下チョイスは絶対ダメだ、すぐに捨ててしまおう。
 
インスタだ、ブログだとスマホで写真を撮りまくるくせに、ちょっと邪魔だと横にずらす積ん読の本の山。写真を撮る前に、その山をなんとかしろよ、私。
片付けに対する着火センテンスが、矢のごとく次から次へと飛んでくる。
 
人は、自分が満足できることが一番大事だけれど、「あの人は、こういう人だよね」と承認されることで得られる心地良さも少なくない。
自分の心地よさ+私という人間が、どんな風に他人の目に映りたいのか……
 
結局、片付けたいと思うことは、現状の自分自身が、どこか心地悪く感じていて、他人の目に映っているであろうと想像する自分に満足していないのかもしれない。
要は、変わりたいのだ。
 
ただ闇雲に、要る、要らないで判断するから、私の断捨離は成功しなかった。
片付けをすることで、どんな自分になりたいのか。
そこを考えてから、コンセプトに沿った選別をすればいい。
 
数々の言葉の中で、私が着火するワードの大半が「女であること」だった。
四十を超え、子供に会えばフツーにオバサンと言われる年齢だ。
ただ、私は甥や姪以外にはオバサンと言われたくないと常々思っている。
(幸いなことに、まだ言われたことはない)
 
今は、かろうじて女を保てているのかもしれないが、年齢的に、そろそろ考える時なのかもしれない。若いだけでは誤魔化せなくなってきている。
 
どんな女性になって、どんな風に見られたいのか。
ずっと捨てられなかったワンピースは、大人の女性には丈が短すぎる……
そう気付いた時、あっさりお別れをする決断が出来た。
 
断捨離のメソッド本は山のようにあるけれど、改めて人生を考えるとともに、ものを手放し、新たな自分に出会えそうだと心から思えた一冊だった。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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