メディアグランプリ

「風邪を引いたら、ラッキー!」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:青木文子(リーディング&ライティング講座)
 
 
足先を入れるとチリチリするぐらいの熱いお風呂。少しだけ水を差したところに思いきってザブンと肩までつかる。思わず呼吸を止めるぐらい熱い。数分つかってすぐに出る。長湯はしない。乾いたタオルで身体を良く拭いて、その後の汗もよく拭く。汗が落ち着いたらそのまま寝る。
 
これは、野口整体での風邪を一気に経過させるお風呂の入り方です。
 
冬の入口のこの季節。なんだか背中がゾクゾクしてきたし、頭も痛い感じ。これは風邪を引いたかも、あちゃー、と思うこと、ありませんか? 私もそうなると、「しまった! 風邪をひいたか!」と焦るタイプでした。風邪はできるだけ引かないほうがいいもの、風邪になったら早く治さなくてはいけないものだと思っていました。
 
でも今は風邪を引くと「よしよし!」と思います。野口整体を実践している人にとっては、風邪を引くことは「やったぁ、ラッキー!」な出来事なのです。
 
野口整体の創始者野口晴哉の著書『風邪の効用』は、私の風邪の見方を180度変えてくれた本です。野口晴哉いわく、風邪は治すものではなく、経過するものと言います。風邪は身体を新しくするチャンス、風邪は身体を調整する絶好の機会とみるのです。
 
ちょうど数日前、なんだか寒気がしていました。事務所で仕事をしていると、暖房をつけているのに、身体がこわばって、ゾクゾクする。早めに仕事を切り上げて家に帰りました。温かいものを食べてもだるさはなくなりません。次の日は大事な講座の仕事があるのに。
 
そこで早速やったのが、冒頭に紹介した風邪を一気に経過させるお風呂の入り方です。詳しくは『風邪の効用』にかかれていますが、温度計を持ち出して、42度まで温度を上げたチリチリに熱いお風呂にザブンと入って、ふうふう言って汗をかいて、汗が落ち着いてから寝ました。夜中に寝汗をかいていたようですが、翌朝はスッキリ。うまく風邪は経過してくれたようでした。
 
風邪は恐れるものではなく、「どれだけ上手く利用して経過させるか」が大事というのが『風邪の効用』の見方です。上手く経過さえすれば風邪は若返りのもとになるし、身体の弾力を取り戻すことができるといいます。
 
私が野口整体に出会ったのは、20代の頃。様々なボディワークを経て、これで打ち止めでいい! と思えたのが野口整体でした。
 
野口整体は現代の体の見方とはかなり違います。例えば、風邪を引いて高熱をだせるのは身体の弾力があるととらえます。発熱は身体がゆらぎを取り戻すための亢進=更新。風邪をひいて身体はゆらぎを取り戻します。我が家の子どもたちには野口整体の考え方を小さいときから伝えているので、40℃越えの高熱がでると自慢してきます。
 
何かを恐れているとそれが起こる、という経験はどなたもしたことがあると思いますが、『風邪の効用』では身体でも同じことがおこると言います。つまり自分の空想や思い込みが身体の状態を引き起こすという観点です。自分の身体が弱いと思う人はひ弱になり、これは風邪を引くだろうとビクビクすると実際に体調を崩す。
 
それに対して、風邪は自分の身体を丈夫にするためと捉えるなら、恐れることはなくなりますし、自分の体に起きたことをプラスと捉え、その活かし方を考えることは生きる力そのものにつながっていきます。
 
風邪のように、一見よくないとおもわれていること、無くしたほうがいいと思われていること。でも、そのこと自体、大切な役割を担っていることはよくあります。自然界の生き物の営みには何一つ無駄がないといいます。人の身体に起こることも必要があって起こることだとしたら。風邪をひいたことは、あなたの身体がゆらぎをとりもどしている大切な時間とみると、また違った風景が見えてくるのかもしれません。
 
「早く治すというのがよいのではない。遅く治るというのが良いのでもない。損体にとって自然の経過を通ることが望ましい」
これは『風邪の効用』の中の一節です。
 
『風邪の効用』を、長年実際に自分の身体をつかって実践としてみて、風邪は身体の脱皮作業だなぁと実感しています。ちなみに『風邪の効用』をはじめて読む時は面食らうかもしれません。私がそうでしたから。
 
現在『風邪の効用』はちくま文庫に収録されて出版されています。天狼院書店でもおいてあるはず。現代に生きるあなたの身体感、あなたの生きる視点をガラリと変えてくれる一冊。ぜひ手にとって読んでみてください。
 
 
 
 
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2020-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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