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不本意な現実を作っているのは私

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:中村真紀(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「“あなたの家のドア重いね”って言われたので、あたまにきちゃったの」と、友人は、頬っぺたをふくらませた。「ドアが重いのは、こだわったよい木材を使っているからなの!」と続ける。「あの人、そんなことも知らないのだから、いやになっちゃう!だいたい、人の家に泊まりに来て、文句つけるっておかしくないですか?」
 
なるほど、なるほど。と聞きながら、私は、「それって、そんなにアタマに来ることなのかなぁ?」とぼんやり考えていた。
 
とはいえ、そんなことに気づくようになったのも、ついつい最近,非暴力コミュニケーション(NVC)や、コネクションプラクティスを習い始めてからのことである。昔の私は、まさに、毎日、こんなことを言っていたなあ、と振り返ってもみながら。
 
「あなたの家のドア重いね」と確かに、その人は言ったのだろう。それに、どんな意味があるのかは、その場にいなかった私にはわからない。その人の人生の中で、めぐりあったたくさんのドアの中で、そのドアが重いほうの部類だったのは間違いないだろう。それを聞く限り、そのことを表現したただけ、のようにも思えなくはない。
 
しかし、友人は、そこに、何らかの「意味づけ」をして、それを「文句」だと理解して、怒っている。そのメカニズムが興味深い。
 
面白いと思ったので、私は尋ねてみる。「“家のドアが重いね”っていう率直な感想を口に出しているだけにも思えるのだけど、それがAちゃんには、なんで文句に聞こえるのかな?」
 
Aちゃんは、とっても賢い子なので、すぐに気づいてくれた。「確かに。ほんとだ。なんでだろう?」って。それをきっかけに、最近、Aちゃんが、その人について気になっていることが、いくつか重なったこと。そして、その気になっていることが、気になるのは、その人のせいというより、Aちゃんの中に、何かひっかかっていることがありそうなこと、などに。
 
とはいえ、世の中に、こうした会話が、毎日、どれだけ溢れているのだろうと思うと、ちょっとため息をつきたい気持ちにもなる。
 
そして、何を隠そう、ほぼ1年半前までの私は、こんなことの連続だったなあ、と改めて思う。当時の私には、常に、何人か「合わない人」がいて。その合わない人が言う意見やコメントが全部、私への非難や文句に聞こえていた。そして、親しい友人と食事をするたびに、その「合わない人」の行動や、発言が、いかに「おかしいか」「間違っているか」を必死で訴えていた。
 
その中でも、特に合わない、「天敵」があらわれるようになって。そして、ついには、とても健康だった私が、身体を壊しそうになって気づいた。「何かがおかしいかも」って。身体を壊して、楽しみにしていた夏休みのフランス旅行をあきらめ、沖縄のホテルに籠り切っていたときに出会った本の中にあった言葉「不本意な現実を作っているのはあなた自身」が、私の人生を変えるきっかけになった。
 
その後、たくさんのワークショップに出て。自分の内面と向き合って。非暴力コミュニケーション(NVC)や、コネクションプラクティスにも出会って。学んでわかったことは、非難や文句に聞こえているのは、私の内面が反応しているだけ、ということ。
 
たとえば、当時、もっとも傷ついた言葉のひとつは、「中村さんには、もっと重要なことをやってほしいです」関西に出張して、その出張報告を彼に送った直後に返ってきたメールに書いてあった言葉。当時の私はこう思っていた。「せっかく出張にいって、せっかく大事だと思う会議をして、せっかく新幹線の中で報告を書いて、それで返す言葉がこれなの?何をしても、文句と非難しか言わないの?」
 
今ならわかる。「中村さんには、もっと重要なことをやってほしいです」という言葉を非難・文句と受け取ったのは、私の中にある「価値を認めてほしい」「意図を理解してほしい」「つながりたい」「聴いてほしい」というニーズが満たされていなかったから。そして、そのニーズを彼に満たしてもらわなくても、自分で満たすという選択肢に気づいていなかったということ。
 
それから、それを書いたときの、彼の感情やニーズにはまったく注意を払うことができなかった。がっかりしていたのか、あせっていたのか、いっぱいいっぱいだったのか。彼も私と同じように「意思疎通」や「意図の理解」を大事にしたかったのだろうか。それとも「効率」や「前進」「成果を出すこと」が大事だったのだろうか。
 
文句を言われた、非難された、ということにフォーカスするのではなく、彼の中にある、人間としての美しさや生き生きとしているニーズにフォーカスすることができれば、私の対応は大きく変わって、そのことによって、2人はもっとつながれたのだ、私が願っていたように、と今なら確信できる。
だいいち、「中村さんには、もっと重要なことをやってほしいです」という言葉を見て、これを文句だ、非難だと思うのは、多分私だけだろう。普通に読めば、私のことを認めているからこそ、の「励まし」「アドバイス」に見える。
 
私の中に、何かがあって。それで、その言葉が「刺激」となって、私の感情がトリガーされた。でも、トリガーされた原因は、彼の言葉ではなく、私自身の内面なのだ。
 
それを知るだけで、世界が違ってみえることに、人生がより楽しくなることに、気づけたことに、とても感謝している。
 
 
 
 
***
 
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2020-12-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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