fbpx
メディアグランプリ

わたしたちの、大事な時間~朝5時半からはじまる一日~


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鈴木かおる(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「あれ……。わたしこの先どうなっちゃうんだろう?」
 
2020年4月、COVID-19感染拡大による緊急事態宣言。
 
安直に構えていたら、あれよあれよといううちに、
当たり前の日常が、手の届かないほど遠くに行ってしまった。
 
この感覚は、身に覚えがあった。
 
胸の奥をギュッと掴まれているような、
ものすごい緊張感が心身を支配して、深呼吸できない。
 
外に出られず、漂う閉塞感。終わりが見えず、八方ふさがり。
 
全てが初めて、何をするにも、どうするのが正解か自信が持てず、
ネット検索をしては色々な意見に一喜一憂。
 
そうだ、どこか第一子の産後に似ていたのだ。
 
違ったのは、仕事もしているし子どもも大きいし、
この先を人類の誰もがわからないというところ。
 
仕事は強制的にリモートワークになり、
保育園に通う2人の息子たちも登園自粛、
家で仕事with幼児2人の世話という難題を、
「命が一番、今は皆大変な時期。両方やりきらねば」と無理していた。
 
SNSでは、自粛生活向けにこんな子供向けサービスがあるよ、
今だから見られるこんな講座があるよ……。
あふれる情報に食傷気味で、スマホを覗いては、そっと閉じる日々が続いた。
もう何も考えられない、考えたくない、思考停止寸前……。
 
そんな中にあって、朗報が。
 
産後ケア教室でお世話になった先生が、
早朝5:30から卒業生向けにオンラインで朝活バランスボールエクササイズをやるという。
 
この事態が産後に似ている、と感じていた私は、
この先生がやることなら、この閉塞感を、何か打開できるかもしれない、と、
藁をもすがる気持ちで申し込んだ。
 
朝活には、なんと100人以上の女性が集まっていた。
 
その名も、「朝活バランスボール部」
 
部!?
 
まずそこに、ふっと肩の力が抜けた私。
 
早朝5時半にバランスボールを携えてPCを開きZOOMを繋ぐと、
そこには大勢の仲間たち。
 
勿論会ったことのない人ばかりで、
首都圏だけでなく、北海道、岩手、栃木、静岡、愛知、岐阜、岡山……。
海外在住の方もいらしたが、同じ産後ケアを経験している、というだけで、
不思議と親近感がわく。
 
最初に点呼があった。
 
点呼!?
 
そこにも肩の力が抜けた私。
いや、だってエクササイズするだけなら点呼要らないですよ!
でも、当日の点呼担当が名前を呼んでくれ、
ハーイと返事して、ハッとしたことを覚えている。
 
名前を呼んでくれて、そこに返事をするという、
たった数秒だけど双方向のコミュニケーションは、今の私に足りてない成分だった。
 
その後エクササイズしたのち、
終わったら先生にメッセンジャーで感想を送るという流れ。
 
有酸素運動は短時間でもすっきりと汗をかき、
脳が活性化するのがよくわかったし、身体の調子もわかる。
ああ、これも産後と同じだ、まずは体力……と実感し、
心なしか子どもへの声掛けが優しくなった。
 
こうして、家族が起きてくる前の、私の大事な習慣がスタートした。
 
緊急事態宣言が解除されても、リクエストによって活動は継続となる。
そして、回を重ねるごとに「部員」たちの手によって、この場はどんどん進化していった。
 
感想が「部誌」というスレッドに変わり、悩みや今の気持ちを開示する部員があらわれ、
打ち上げを企画する部員があらわれ、
点呼で名字だけでなく「呼ばれたい名前」で呼んでくれる部員があらわれ、
点呼の場で皆を楽しませる芸をする部員があらわれ、
過去の部誌をまとめて見られるようにしてくれる部員があらわれ、
おすすめの本や映画、舞台を紹介してくれる部員があらわれ、
打ち上げで大喜利をはじめる部員があらわれ、
自主練開催する部員があらわれ、
対話の場を開く部員があらわれ、
歌う部員があらわれ、
踊る部員があらわれ、
テーマソングをつくる部員があらわれ……。
 
ひとりひとりが、これちょっとやってみたいな、と思うことを、
自然発生的に色々な角度から気軽に出して力を発揮できる、
自己表現の受け皿になっていっていることに、気がついていた。
 
ナニコレこの生き物みたいに成長する活動。
 
強制がない、自由な意思に任されているこの部は、
いつでも始められるし、いつでも辞められる。かかわり方の濃淡は自分で選べる。
 
だからこそ、自分はどうかかわるのが心地よいかな、と考えられるようになり、
自分の気持ちを大事にするようになり、今日も持ち場で奮闘しようと思える。
 
先の見えない閉塞感で心身が辛くなった時。
大切なのは、体力を取り戻し、言葉を取り戻し、他者とつながり、
自分の希望に気づくことだった。
 
なんだ、もしかして、これこそ人生なんじゃないか?
そう気づいたとき、視界が一気に開けた気がした。
 
どんな状況下でも、こんなにも世界を広げることができる。
市井の人たちの力は、いつでも発揮されたがっていて、きっと世界を豊かにする。
 
そんな、私にとって大切な活動が今日、160回を迎えた。
 
目指せ、1000回!明日もまた、弾み続けよう。
たくさんの、それぞれの想いを抱く仲間とともに!
 
 
 
 
***

この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-12-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事