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起立性調節障害って何?


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記事:永井 廣子(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
「起立性調節障害って知ってる? どんな病気なの?」
そう聞かれて、あなたは正しく答えられるだろうか。
 
小学生の約5%、中学生の約10%に発症していて、不登校の原因にもなるのに、伝染しないからなのか、ほとんど知られていない起立性調節障害という病気。
精神的なものではなく身体疾患である。
発症は小学校高学年から中学生の年齢が多く、思春期特有の病気だと思われていたが、重症になると長期の不登校やひきこもりになる事も多く、大人になっても社会復帰が困難になる事例もある。
 
「いったいどんな病気なの?」
一般的な症状は、立ちくらみ、朝起床困難、気分不良、失神や失神のような症状、頭痛、車酔いがひどいなど。
午前中に症状が強く出て、午後には軽減する傾向がある。
夜になると元気が出て、目がさえて眠れず、起床時間が遅くなり、悪化すると昼夜逆転生活になる事もある。
 
「あれ? なんだか身に覚えがあるけど、私もその病気なの?」
そう思った人は以下のチェックリストに当てはまるかどうかやってみてほしい。
3つ以上当てはまったら、あなたも可能性があるかもしれない。
 
1. 立ちくらみやめまい
2. 起立時の気分不良や失神
3. 動悸(どうき)や息切れ
4. 朝起きられず、午前中に調子が悪い
5. 顔色が青白い
6. 全身に倦怠感がある
7. 食欲不振がある
8. 頭痛がある
9. 乗り物酔いをしやすい
10. 夜になかなか寝付けない
11. イライラ感や集中力の低下
 
いくつ当てはまっただろうか。
体力不足、気のせい、根性がない、さぼりたいだけだ、などと思われるようなこれらの症状で苦しんでいる人は、病院でしっかり検査をしてもらった方が良いと思う。
自分の子どもや親せきにも、病気だと思ってもらえず、大変な思いをしながら学校に通っている人がいるかもしれない。
もし身近にいたら、手を差し伸べてみてほしい。
 
私がこの病気だと診断されたのは、高校生の時だった。
生理の少量の出血が長期間止まらなかったので診察を受けた婦人科で、いろいろな検査をした医師に突然言われたのだ。
「起立性調節障害ですね。自律神経失調症の一種です。お薬を出しますね」
そんな簡単な感じで診断を聞き終わったので「学校に提出したいので診断書をください」と言って書いてもらった。
「なんじゃそりゃ!?」という感じだったので、家に帰ってから『家庭の医学』という本で調べた。
その時の診断書のおかげで、それから気分が乗らない時の体育は見学できたので、ちょっと得した気持ちだった。
 
自律神経失調症というのは、交感神経(活動させるときに働く)と副交感神経(休ませるときに働く)のバランスが崩れることで、心臓より上には血液が足りず、下半身には血液がたまってしまう状態になる。
血圧や胃腸の状態にも影響を与えることがある。
 
私は自分では、単なる怠け者のさぼりたがりだと思っていた。
夜中に本を読んだりラジオでオールナイトニッポンを聞いたりしていたので、昼夜逆転もしていたし、もちろん朝は起きられなかった。
一年間に130回ほど遅刻をしていたが、優しい学校で助かった。
まさか病気だとは思わなかったし、そのあともそんなに生活は変わっていない。
薬も単に出血が続くことによる貧血を予防するだけのものだったようだ。
たしかに世間で言う「普通の生活」を送るために、かなりの頑張りが必要だった気がするので、今思うと、すごい努力家だったのかもしれない。
そう思うと少し気が晴れる。
 
日常生活を送る上で工夫できることがある。
*座っていたり寝ていたりする状態から立ち上がるときには、急に頭を上げずに、ゆっくりと起き上がる。
*起立したまま2分以上静止して同じ体勢をとらないようにして、足をクロスするなど工夫する。
*水分補給は1日1.5から2リットル。塩分も多めに摂取する。
*1日30分程度は散歩などで体を動かし、筋力の低下を防ぐ。
*眠くなくても夜遅くならずに布団に入るように心がける。
倒れると危ないので、それだけでも防止できるとかなり安全性が高まる。
 
最近少しは知られてきたが、まだまだ理解されづらい病気である。
小学校から高校までの時期には不登校になる事も多いことから、やっと「親の会」もでき始めて、周りの人も当事者の気持ちになって考えてくれるようになってきた。
それとともに「怠けている」「さぼりたいだけだろう」という誤解を防ぐような取り組みもなされるようになってきた。
親や学校の先生の間でも、この病気を知らない人が多いので、もっと社会的な認知を高めて、当事者が生きやすい、暮らしやすい環境を整えることで、起立性調節障害になった人たちが、自分を責めたり自己肯定感を下げたりせずに、明るく希望を持って生きていかれるようになってほしいと切に願う。
 
 
 
 
***
 
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2020-12-20 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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