fbpx
メディアグランプリ

書くことの魔法と、恐怖心。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:XElle(エックスエル)(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
かつて、私にとって、書くことは魔法だった。
 
魔法をかけてくれたのは、ブログだ。第2子の育児休暇中に、ブログが世の流行りとなっていて、誰もが気軽に、自分のことを発信できるようになっていた。私は第1子と第2子(年子)の育児にかかりきりで、外の世界と遮断されて久しかった。当時は今のようにSNSも多くなく、発信して誰かと繋がるツールはブログだけ。迷いもあったが、少しでも外の世界と繋がれればと、自分もブログを始めた。
 
最初は日々の記録のつもりが、だんだんと自分の意見、感じること、考えることなども書くようになり、コメントや読者も増えていった。
発信し、共感してもらい、意見をもらうことができる。ブログという媒体を通じて、知り合いも増えていき、その楽しさにのめり込んだ。
また、自分の気持ちや意見を自由気ままに書くことは、毎日を慌ただしく過ごす私の、大きなストレス発散のツールにもなっていった。
 
今、そのブログを読んでみると、本当に自由気ままに書いている。愚痴も、ネガティブな出来事も。頭の中に浮かんだことを、なんの躊躇もなく、そのまま入力していたのだと分かる。
 
けれどそのブログを始めて数年たったころ、書くことが恐怖に変わってしまう。不特定多数の人が読んでいる媒体であれば、当然のことだろう。
「顔も知らない大勢の人が読むのに、よくそこまで書けるな。恥ずかしくないのか」という意味のことを言われ、他にもすっと背筋が冷たくなってしまうようなことを、書かれるようになってきた。
不特定多数の人に向けて文章を書く、それを残すということは、こういうことなのかと、頭をたたかれたような気になった。最初は気にもとめなかったが、心無い言葉の数々は、徐々に胸に刺さって抜けなくなっていった。
 
そこから、書くという行為に、ブレーキがかかってしまう。自分の中に「あれは書いてはいけない」「この気持ちや出来事は文字にしてはならない」というルールが生まれ、手が止まるようになってしまった。
勢いよく何も考えずに書けていたからこそ、そしてある意味さらけ出していたからこそストレス発散になっていたのに、頭の中がそのまま言葉にならなくなった。
書くことの魔法が、解けてしまったのだ。
 
書きたいことは山ほどあるのに、いざ書こうとすると言葉が出てこず、真っ白になってしまう。やっと書いても、書いては消し、書いては消しの繰り返し。
「これを書いたら、どう思われるか分からない」「こう書いても、私の意図が伝わらないかもしれない」という恐怖が、生まれてしまったのだと思う。
 
それからずっと、何も気にせず、自由に書くことにチャレンジしてみたけれど、ほとんど続かなかった。それはいつも「これを書いたら、どう思われるか分からない」という恐怖が押し寄せてきてしまったから。
 
そんな状態が何年もずっと続いている中で、コロナ禍と言われる状況になった。
 
自分のことを顧みる時間も増えて、とっくに人生の折り返し地点を過ぎていることに気づき、愕然とした。
この10年以上、いったい自分は何をしてきたのだろう。人の和や気持ちばかり気にして、気疲れして過ごしていた。体型も変わり、体力も落ちた。馬鹿になったのではないかと思ってしまうくらい、集中力も続かない。何よりも、何か感情が高ぶったり、怒りを感じたりしても、何も感じなかったかのように思考停止する癖がついているではないか。
書くことと同様に、身近な人たちの目を気にして、調和を乱すことを恐れて、常に自分が吐き出すことをあきらめる。ずっとそんな生活をしているではないか。
 
……残りの人生、それでいいのだろうか。
 
そう思うと、苦しくてたまらなくなっていった。
そして、めちゃくちゃ悲しくなった。
 
私は、こんな人じゃなかったはずだと。
 
もっと自由で、仲間と語り合い、笑っていた。もっと元気で、心のパワーもあって、ちょっとのことではめげなかった。常に動いていないとつまらない、行動力の人だったはずだ。
 
そんな自分は、どこに行ってしまったのだろう。
言いたいことも感じていることもたくさんあるのに、それを全部に押し殺して、ガマンして、いったい何をしているのだろう。
 
これじゃ、本格的にダメになってしまう。
声を上げたい。誰に遠慮するでもなく。
腹の中に押し込めた気持ちも、全部全部、吐き出したい。分かってもらいたい。知ってもらいたい。
 
……書きたい。
 
泣きたいような気持ちでいたとき、偶然この講座のことを知った。だから、書いてみることにした。これからのために、書きたい気持ちに、向き合うことにした。
 
とても勇気のいることで、恐怖と戦いながら、これも何度も書き直したが、とりあえず書けた。提出すべきか迷ったが、それでは意味がない。勇気を出して、提出すると自分に言い聞かせる。
これをきっかけにして、書くことへの恐怖から抜け出し、また魔法を感じてみたい。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-12-28 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事