メディアグランプリ

私の彼氏はダンボール


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:町口由貴子(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私は昔からモノが多い人でした。自分では普通のことだと思い、なんの疑問も持っていなかったのですが、友人に話すといつもびっくりされていました。
 
例えば、なんと我が家(1人暮らしの家)には50個ものお守りがあったのです。
お守り集めが趣味というわけではなくて、気づいたらいつの間にかそれだけありました!どこの神社仏閣からいただいてきたかももうわからないレベルなので、むしろ信心どころか逆に罰当たりです。片付けしようときちんと集めた時、さすがに自分でも笑えました。
 
それ以外にも、ペンも消しゴムもそのほかの文房具も大量にあり、ちょっとしたカフェくらいなら開そうな量の食器類やキッチングッズ、雑貨類もあれやこれやと大量に持っていました。
日用品は箱買いしていて、いつも在庫がたっぷり。
 
つまり、我が家はいつもモノでいっぱいに溢れかえっていました。
 
ついついモノをたくさん持ってしまう理由は、あると幸せで、ないと不安だから…。
 
「あると幸せ、ないと不安」という発想は、いろいろなところに存在していました。
 
私は「結婚したら幸せになれると思っていた」タイプでしたが、正確には「結婚したら幸せにしてもらえる」と思っていました。
きっと最高の結婚をしたら、夫が私を幸せにしてくれる、そんな発想です。
夫がいれば安心、夫がいれば幸せ、そんな気持ちでもありました。
 
だから、夫に愛されるために「良い奥さん」になろうとしていたのですが、その心の奥には、いつも「彼がいなくなったらどうしよう」という不安も一緒に同居していました。
 
それは同じことがそのほかのものでも起こっていたのです!
 
何かが足りなくなったら不安、いっぱいあることが幸せ。その上、モノは人と違って去っていく心配がなく、増えれば増えるほど、どんどん安心を与えてくれます。
 
だから、私は無意識でモノを溜め込んでいたのでした。
 
お部屋の中には、日常的に使うモノも大量にありますが、買っただけで使っていないモノも、ダンボールに入ったままの状態で大量に放置されていました。ダンボールには綺麗な布をかけて、一見してぐちゃぐちゃなお部屋というわけではありませんが、お部屋はだんだん物で溢れかえり、狭くなります。
お部屋が狭いと感じたら、お部屋の物を全部持って、新しい広いお部屋へと引越し。狭くなったら、また引越し。次々と広いお部屋を求めて引越しし続け、引越し回数もなんと合計14回ほど。同じ駅で最大3箇所引っ越ししていることもありました。
結局、最終的に引越しして選んだお部屋は一人暮らしなのに3LDK。荷造りのためのダンボールはなんと、驚異の80箱‼️
その他にもソファーやら冷蔵庫やらと大型家具があったので、お察しの通り、引っ越し自体が大イベントとなっていました。
 
引越し業者さんも驚く荷物の量。そして何度も引越しをしている私でもびっくりするほどの引越し費用。まさかの3トン車の往復輸送扱いです。
その時は、急な引越しだったため、荷物はそのまま持ち越しとなりましたが、さすがのこの私でもこのままではまずいと気づき、次のお部屋では、荷物の整理をしよう! と心に決めたのでした。
 
私は、愛してもらいたい、幸せにしてもらいたいと常に願い、「相手にしてもらうこと」が自分が幸せになるためには必要なことだと思っていました。
 
そして、愛を求め続けた結果、誰かにそれをしてもらうことが難しいと感じた時、今度はその心の隙間をモノで埋めようとしていたのです。
もちろん無意識だったので、当時は全く気づきませんでした。
 
なんでもすぐに買う、買った後は手放せない、それを繰り返した結果がダンボール80箱。
愛されたい、愛し続けてくれる存在が欲しい、そんな気持ちが産み出したダンボールたち。
ダンボールたちがまるで理想の彼のように、いつでも私と共にいてくれる存在へとなっていったのです。
まるで私の彼はダンボールのよう。私の満たされない心の隙間を満たしてくれるかのようにお部屋をいっぱい占領していました。
お部屋に埋まっているダンボール全てが愛おしい……。
すごい共依存の世界観です。この中で、私は何の疑問ももたずに、過ごしていたのです。
 
私の「幸せにしてもらいたい」願望を満たそうとしてくれたモノたちは、私の重い重いエネルギーの象徴でもありました。
 
引越しがとんでもなく大変! という現実的な気づきから、多すぎるモノたちを整理しよう! と思い立った私ですが、この後、お部屋を片付けていくことで、思いもよらないことに、たくさん気づいていくのです。
 
自分のお部屋にあるモノ、いつも持っている持ち物は、自分の心の内を表しています。
 
今あなたは、どんなモノたちに囲まれて暮らしていますか?
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325


■天狼院書店「シアターカフェ天狼院」

〒170-0013 東京都豊島区東池袋1丁目8-1 WACCA池袋 4F
営業時間:
平日 11:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
電話:03−6812−1984


2020-12-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事