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メディアグランプリ

目指せ!壇蜜

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:服部花保里(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
私が、このライティングゼミへの参加を決めたのは、壇蜜のようになりたかったからだ。「壇蜜」とは、いうまでもなく、あの独特な色香をまとったマルチタレントのことである。それは、つまりもっと色っぽくなりたいという類のことかというと、もちろんそうではない。
 
彼女のことを、しばしば気にかけるようになったのは、ごく最近のように思う。かれこれ10年ほどはメディアのあちらこちらに登場はしていたし、一般的に注目を集めていたのはもっと前のことなのかもしれない。当初は、男性を中心に人気があったし、どちらかというとあまり好きにはなれない雰囲気だった。なんだか、何を考えているかわからない微笑が苦手だった。しかし、今彼女のようになりたいと思うのには、あるきっかけがある。
 
彼女が、見た目とは裏腹(?)に、教師の資格を持っていたり、文芸書のあとがきを書いていたりするのを見かけるにつけ、意外な一面を発見したかのような気持ちになっていた。そこには、私が「何を考えているか分からない」と感じていたことを覆すようなエピソードに溢れていて、親近感すら感じるようになっていった。そして、今回冒頭に述べた、目指せ、壇蜜を決定づけたのは、あるWEBサイトの記事で、雑誌の「お悩み相談コーナー」を引き受けた際の心持ちを語っているのを読んだからだ。
 
その記事で、彼女が秋田出身で、厳しい母親に育てられた女子校育ちの彼女が、親の気持ちに応えたい一心で、いわゆる「良い子」として育ってきた半生を知った。まず、そこにいかにも容易に共感した。
私は愛知の片田舎で育ち、世間の目が気になる土地柄の中、自分を評価するのは周りの大人たちで、特に教師をしていた母親だった。母親は、夏休みなどの作文でも、自身が教師であることも相まって、私が書いた作文を教師受けがいいように添削した。
もちろん悪気はなかったと思うし、何しろ母親なりに一生懸命であったのも、今ではよく分かる。なので、恨み節は言いたくないが、自分が書いたわけでもない作文が賞をとったとしても、どこか他人事といった気持ちを拭えずにいた。一方で、私もそんな母親に認められることが喜びだったのも、確かだった。そんないびつな関係の中で、自分の存在を確立しようとしてきた部分に、壇蜜の生い立ちは重なる点が多かった。
 
彼女の場合、それが一転、就職となったときに、自分にできることは何かと模索しつづけ、まったく親の期待にも、おそらく自身への期待ともまた違う職との出会いと別れを繰り返したそうだ。その中には、エンバーマーといういわゆる死体を綺麗に整える仕事など、おおよそどういう経緯でそういった職業と出会うのだろう、と思う仕事も少なくなかった。しかし、当時付き合っていた男性から振られたことをきっかけに、あるオーディションに応募して、メディアでの仕事に出会う。
 
そこからは、説明するまでもなく現在の活躍につながっていくわけだが、そんなシンデレラストーリー的なものに憧れているのかというと、それも少し違う。さらに件の「お悩み相談コーナー」を引き受けた際の心持ちについて述べると、まず彼女がその仕事を引き受ける際に、悩みに悩んだのだそうだ。
というのも、彼女いわく、自分「ごとき」に何が応えられるだろうかと。お悩み相談を受けるのは、多くは専門家や文筆業など、悩みを解決するに相応しい知識や経験がある人が多いようだ。そんな中、自分が引き受けるのはおこがましいと感じたそうだ。
 
しかし、最終的には自身の存在を「際物枠」として捉え、自分だからこそ正論とはまた違った観点で、「こんな考え方もあったのか」と思ってもらえることがあるかもしれないと意味づけたそうだ。そして「決して上から目線で何かものを申さないようにしよう」と心に決めて承諾したとのことだ。
 
これを読んだ時に、2つ思うことがあった。まずは、自分のことをメディアがどう扱っているのかをとても分析的にみることができる人なのだなということである。これは、他人の評価が気になることの裏返しともいえるのかもしれないが、言うほど簡単ではないことも実感としてあったので、それを実行できるのは大変な努力家なのだろうということだった。
 
そして、もう1つは、何を考えているのか分からないのではなくて、あまりにも多くを考えて、結果分かりやすい場で、言葉には出していないだけなのだな、ということだった。また、この経緯を半生とともに知ったことから、彼女から醸し出される、マスメディアとは一線を置いたような態度の理由が透けてみえたような気がした。それは言葉に対して誠実である、ということにも言い換えることができるように感じた。
 
母親の評価軸からひとつのオーディションをきっかけに、自分を客観的にプロデュースすることができるようになり、さらに、言葉と誠実に向き合うことで、自分を知って欲しい人に届く言葉で必要な場面で自分を語る。
この一連の経緯こそが、私がこのライティング・ゼミで成し遂げたいことを言い得ているように感じている。
 
他人の評価が気になる性質から抜け出しきれない自分と「言葉」にまっすぐ向き合い、思考を整理して、文章として表現する中で、自分を取り繕うことなく、客観的にみてみたい。そう思うと、およそこの講座が目指すことの範疇からは外れるのかもしれないと思いつつ、何しろここは「人生を変える本屋」なのだ、と思い直してもみる。
 
4ヶ月後には、何が待っているのだろうか。今まで知らなかった自分とも出会えるような気がしてくる。想像もしていなかった世界で、独自の色香を放つことを目指して、まずは一歩を踏み出してみようと思う。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2020-12-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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