メディアグランプリ

女子率90%の現実


Kasaさん 女子力

記事:大場 理仁(ライティング・ゼミ)

 

女子が多いということは男にとって、最も嬉しいことの一つだと思う。

入った学校、会社、バイト先、習い事に女子が多いというだけで、男という生き物は名前のつけようのないエネルギーが体の底からみなぎってくるということが、あったりもする。

男は女の子にとってはなんでもないような、ちょっとしたことを「もしかして……」と勘違いしてしまうほど、バカな生き物だったりもする。もちろん、それは一般的にはモテない男子であることが、悲しくも多いような気がする。

僕は服飾学部の大学に通っている。

女子の比率は大学のデータ曰く、約90%だ。

学校に行って、エレベーターに乗れば、男は一人しか乗っていないのに満員になることは茶飯事だし、もちろんながら、可愛い女の子と喋るのもドキドキという心の音を感じないほどに当たり前の生活を送っている。

しかも、ファッションの大学なので、ほとんどの女子はオシャレに気をつかっていて、見た目にはかなり気をつけている。中には、ヘアカットのモデルをしていたり、ファッションスナップを取られていたりする女の子も普通にいる。おそらく、普通の男子ならば、僕の学校に来てくれさえすれば、お好みの女の子を見つけ出すことは、超余裕だ。あらゆるジャンルの女の子が揃っていると言ってもいい。

なんだか、この文章を書いているうちにも、これを読んでくれている男性から
「うわ、ハーレムじゃん」
「理系にはありえない光景だ……」
「羨ましすぎる」
「その天国はどこですか?」
といった声が聞こえてくるのが、想像できる。

ただ、ちょっと待ってほしい。

突然だが、間違って女性専用車両に乗ってしまった時のことを想像してみてもらいたい。

朝すっかり寝坊してしまい、いつも乗っている電車に間に合うにはギリギリの時間に家を出て、急ぎ足で駅まで向かい、改札に着いたら電車が今にも発車しそうになっている時—
焦って電車に飛び乗ったら、そこが女性専用車両だった時のことを。

走った汗となんとも言えない女性からのレーザービームのような穏やかではない目線による冷や汗が止まらない現象が起きてくる。

「うわー……やってしまった」と感じると同時に、自分の犯した過ちを理解し、周りの女性に聞こえるか聞こえないかの細い声で「す、すみません」と、自分は”害を与える怪しい人間ではない”ということを全力で伝え、次の駅まで己の影をひたすらなくそうとする光景は、男ならば想像してもらえると思う。

そういう時、なぜだか次の駅までがなぜか何倍もの時間がかかっているかのような錯覚に陥る。そして、時計の秒針が進むたびに、ジトリと嫌な汗が額から滲み出ていく。

実は、これを僕は毎日のように経験しているのです。

先ほど話した、男一人でエレベーターが満員になる時には、息を殺すように存在感を薄め、女の子に体が当たって、もし万が一の時を考えて、手はポケットに隠しておきます。女の子のグループがワイワイと話していて、面白いことをしゃべっていても、何としても笑いをこらえなくてはいけません。友達とエレベーターに乗った時も、なぜだか会話をストップさせてしまうということがあったりもする。

ようは、ハーレム状態にいるはずなのに、口を塞がれ手足を縛られているのと同じようなものなのである。

他にも、可愛い女子と話す時も、もしも何か下手なことをすれば、女の子の恐怖の集団作戦によって、悪い噂を流されるということも否定できないのです。もちろん、軽い気持ちで付き合って、泣かせるようなことがあれば、この学校で生きていくことは精神的にほぼ不可能といってもいいでしょう。

ちなみに、クラス内で付き合っているカップルは入学してから今まで約2年半全員が別れていません。その理由は、憶測でしかないのですが、男が本能的にこの女子の恐ろしさを察知しているからだとも思えるのです。

そして、女の子が多いということから、男の影は圧倒的に薄くなってしまいます。

女の子はノーメイク登校で授業中にメイクをしたり、下ネタを話したりと、普通の学校では体験できないことを強制的に体験することができます。それは間違いなく、男の存在感がないからでしょう。

うっかりと女性専用車両に乗ってしまった男性のような日々を、僕は送っています。

害を与える怪しい人間ではないと薄っすらとアピールしながら、穏やかに振る舞う1日を今日も送っているのです。

やっぱり男女比はほどほどがいい。
何でも、やりすぎは良くない……と思うのです。

けど、最近”女性専用車両”がやたら増えている気がする。街中に溢れているような感じがする。街を歩けば、女性無料・女性割引・レーディースディetc…
男が居づらい世の中がじわじわと来ている。
あと、ちょっとおしゃれなカフェに行くと、男だけだとなんだか場違いな感じがして、早々と店を出ることになったりもする。早々と出たはいいが、女の子向けの料理なのか、男の腹を満たしてくれる量は盛っておらず、食べたはずなのに、小腹が空くということもままある。

そんな”男が生きづらい世の中”が来ようとしている。

その前に、ひとまず誰か……
「男割引」作ってくれませんか?

 

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2015-12-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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