決心だけなら、毎回してるんだ。
記事:鈴木彩子さま(ライティング・ゼミ)
三浦さんが言った。40分で5000字書くと。
三浦さんとは、ライティング・ゼミの講師であり、天狼院書店のご店主だ。
つい最近では、15分くらいで書いた記事の閲覧数が、たった10時間足らずで3000にものぼったんだとか。そうとは知らずに私もその記事を読んでいたけど、とても面白かった。あれを、たった15分で?
自分のことを振り返る。
ライティング・ゼミでは、毎週1本、2000字程度の文章を提出するのだが、それを書くのに3時間とか、平気でかかる。かかり過ぎだとは分かっているけど、気づいたらいつもそんな感じ。ここまでの差が出ると、もはやプロと素人という違いの他に、何か絶望的な要因があるのではないか?
思えば、私は1行目の1文字目を書くまでが長い。
「何を書こう?」から始まって、何となくネタの大まかな要素が決まったら、次は「どんな順番で書こう?」となって、また時が経っていく。何となく順番を決めた後も、書き出しを考え始めた時点で、迷いが生じる。「やっぱり、こっちを先に持ってきた方がいいんじゃないか?」そうやってまた、1歩戻ってやり直し。さっきの順番決めに費やした時間は何だったんだ。
やがて「ま、いっか」となって、半ば見切り発車のように1文字目を書く。
どうせ見切り発車なら、もっと早く見切っといたらよかったのに。
そして、迷いはまだまだ続く。
「波に乗ったかな~?」と思えば、またつまずき、すっ転ぶ。
どれくらい進んだかと振り返れば、まだ数行しか進んでいなくてがっかりする。
「筆が遅い」なんてモンじゃない。
やがて、疲れと眠気も襲ってくる。
いつまで経っても「よく寝る子」なので、ここが最も厳しい、いわば死闘の始まりとなる。……とはいえ、締め切りまで時間がある時は、結構早々に白旗を上げて寝てしまう。
締め切りが迫っている時はなぜか頑張れちゃうので、その辺、根性論に持っていきがちなのだが、それでは根本的な解決にはならない気がするので、別の答えを探しているところだ。
今日、ライティング・ゼミを受けた。
受けている間は、自分が文章を書けそうな気になる。
毎日、短くてもいいから書こうと心に決めて、帰宅する。
そして現実に戻る。2000字に3時間以上かかっちゃう自分に戻ってしまう。
そして、決心した自分の残像と、今ここにいる自分の実像のギャップに、深いため息をつく。このままじゃダメだと、毎週思う。毎週同じことを繰り返している。
でも今日、このループを抜け出す糸口をもらった気がする。
「いいから、15分、書いてごらん」
「40分死ぬほど集中して、20分死ぬほど休んでごらん」
前者は、15分ならいけそうだと思わせてくれる、現実的で実践しやすい方法。
後者は、そういえば学生時代、1時間勉強して1時間休むという繰り返しで結構うまくいってたなぁという、自分の小さな成功体験との共通点を(ちょっと強引だけど)見いだせた、実践できそうな方法。
さぁ、来週の私よ。その深いため息が、ちったぁ浅くなっているよう期待してるぞ。
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