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AIに負けない男になるには


AI

 

記事:やまさき まさとさま(ライティング・ゼミ)

人工知能のニュースを目にする機会が多くなった。今回の、第3次AI(人工知能)ブームが身近に感じるのにはいくつかの理由がある。ひとつは、前回の第2次AIブームがコンピュータの進化のようにみえたこと。機械感満載で、私はスピード計算が得意です。という感じだった。今回は、賢そうなロボットが登場したり、スマホが手元にあったり、通販サイトでは、勝手に色々とおすすめしてくれたりと、身の周りに気配がある。
とはいえ、第2次AIブームが1980年代中盤のことだから、憶えている人は少ないかもしれない。知っている人にとっては、AIは一度、失敗したように見える取り組みなのだ。その時は、狼少年呼ばわりされていたりしたので、今回も半信半疑かもしれない。

先日も、グーグル傘下の企業が開発したAI、アルファ碁がトップ棋士に勝ったというニュースがあった。囲碁に興味がなくても、ディープブルーがチェスの世界王者に勝ったとか、昨年の、人間対コンピュータの将棋対決「電王戦」で人間が追いつめられていたといったニュースは記憶にないだろうか。
そんな話題に興味がなくても、ホーキング博士やテスラ・モータースのイーロン・マスク氏がAI軍事兵器に反対していたり、お掃除ロボットが家にあったりと、AIを感じる話題にはことかかない。もはや興味の有無に関わらず、AIが目の前にある時代になったのだ。正確にはAIの素ではあるが、見える範囲にあることには間違いない。コンピュータと対戦した人たちも、コンピュータは悩んでいるように見えた、と言っていた。

さて、現状について超簡単にまとめてみたい。
これまでのコンピュータは、人間がコンピュータに膨大な知識を与えることで高度化してきた。成熟した大人に知識を与え記憶させるイメージである。
現在のコンピュータは、まだ完全ではないが、経験により自ら学び、理解を深めるようになった。子どもに知識を与えると、自己学習し生活に応用していく感じに似ている。
「記憶」から「考える」に変化してきている。
例えば、コップとマグカップが仲間だということを、以前は、情報として与えて認識させていたが、AIでは、液体を入れて飲むという動作を見ると、コンピュータが、それらは仲間だと判断するような感じである。
膨大な情報から最善の回答を見つけ出すという計算能力の問題ではなく、考え方を教えると、問題を解くという感じに近い。判断の方法は、かなり人間に近づいている。

では、もはや人間は、コンピュータに勝てないのだろうか。
そもそも、1940年代にコンピュータが登場して以来、人間はコンピュータのサポートを受けてきた。計算能力だけみると、電卓に勝てる人だって少数派だ。
感覚、感情、感触などの「感」以外の、持続力(意欲)、記憶力、計算力などの「力」は
ずいぶんと昔からコンピュータの方が勝っていたし、その能力のおかげで今の暮らしがあるともいえる。
もうすぐ、何だか分からないけど感動してしまう音楽とか本とかをコンピュータが作ってしまう時代がくるかもしれない。すでに、絵本を使った学習や、空気を読む実験も行われており、現実味を帯びてきている。
原人が火を使ったのが50万年前で、コンピュータが登場して50年ちょっと、人類の進化に比べて、コンピュータの進化は、とてつもなく速い。人間の50万年を24時間とすると、コンピュータは8秒でここまで進化したことになる。明日、コンピュータが歯磨きをしていても不思議ではない。

この後、コンピュータの社会化が進み、人間のように自立した存在になったとき、コンピュータが人間を目指さなかったら、人間に勝ち目はなくなってくるのかもしれない。コンピュータ同士がつながり、コンピュータとして進化したら、少なくとも人間には隙がみえない存在になる気がする。

反対に、人間を目指したなら勝機はある。人間は隙だらけだし、最善な人間なんていないし、道具がなければ強くもないし、全然たいしたことない存在である。
なのに、なぜか科学者や技術者はAIを人間に近づけようとしている。人間は人間しか想像できないので無理はないが、よく考えると不思議な話である。いままでコンピュータは、間違えないように、間違えないように作ってきたのに、ここに来て間違える存在に近づけようとしているのだ。成功の何十倍、何百倍も失敗するのが人間なのだから、成功だけ追いかければいいはずなのに、難しい方にチャレンジしている。それも人間らしいといえばらしい行動ではあるけれど。

人間らしさって不完全なところだったりするので、人間らしいコンピュータは、間違えたり、反省したりするだろうし、人間の悲しそうな顔をみて負けてあげたりするかもしれない。
そうすると、コンピュータの書く本も、とてつもなくおもしろい気がする。わびさびとか、AI失格とか、悩みを人間と分かち合うドラマとか書くに違いない。
盗んだバイクで走りだしても、すぐに通報しないで、缶コーヒーでなぐさめてくれるだろう。
でも、きっとコンピュータのプライドが不完全なんてゆるさないだろう。間違うなんてありえない。きっとそう言うはずだ。コンピュータがコンピュータを目指すならば、きっと人間はコンピュータに勝てないだろう。
しかし、コンピュータが人間を目指すなら、勝ち目もあるし、なかよくもなれそうな気がする。でも、間違えて過ちをおかすかもしれない。
どちらが好ましい姿なのかは悩ましいところだ。

原始人も、まさか、たいまつが宇宙へ飛び立つと思ってはいなかっただろうから、これから先、何が起こっても不思議ではない。未知の世界が待っていると思うと、身震いしてしまう。
でも、間違う力は人間の最強で最後の武器のようなので、自信を持っていればいいことだけは間違いないようだ。それなら得意だし、誰にも負けない自信はある。

 

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2016-03-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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