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どこから来たの?


どこから

 

記事:かたPさま(ライティング・ゼミ)

まもなく新年度が始まる。
「どこから来たの?」と、聞かれることが多い時期である。
そんな時、私はついついこう答えてしまう。

「名古屋から来ました」

実際には、私は、岐阜県岐阜市に住んでいる。けれども、そう答えるのだ。
何も私が特別なわけではなく、この地方ではよくあることである。
愛知県民に聞いて「名古屋から来ました」と返ってきても、実際には名古屋市民ではなく、愛知県○○市であることが多い。

愛知県より名古屋の方が全国的な知名度が高いからということもあるのだろうが、例えば、横浜に住んでいない神奈川県民、神戸に住んでいない兵庫県民は、あまりこういうことがないらしいので、閉鎖的で、劣等感を持ち、見栄っ張りだと言われる県民性のためなのかもしれない。

余談ではあるが、愛知県にも、堂々と自信を持って答える市民もいる。世界に誇る「トヨタ自動車」のお膝元である豊田市である。自動車の豊田と答えて「知らない」と言われることはないからだとか。

さて、岐阜県は、愛知県の北、日本のほぼ中央に位置する県である。
旧国名から、北部を「飛騨地方」、南部を「美濃地方」で分けられている。

岐阜といえば、全国的には、飛騨高山のイメージで語られることが多く、世界遺産である「白川郷の合掌造り集落」、有馬と草津と並ぶ日本三名泉である「下呂温泉」、ニュートリノ関連のノーベル物理学賞で話題となった施設「カミオカンデ」は、飛騨地方にある。

岐阜市は、県庁所在地であり、美濃地方にある。
気候は、東京とさほど変わらず、夏はさらに暑く、冬は少し寒いくらいで、雪が積もるのもシーズンに2~3日である。名古屋までは、電車で20~30分。高山までは、高速道路で1時間30分~2時間の距離である。
その昔「岐阜は名古屋の植民地!?」という書籍が出版されたほどで、美濃地方は名古屋との、飛騨地方は富山との結びつきが強い。

諸説あるようだが、1567年「稲葉山城の戦い」に勝利した「織田信長」が、この地を「岐阜」と改名したと伝えられている。
歴史的には、672年「壬申の乱」、1600年「関ヶ原の戦い」は、岐阜で起こった出来事である。

市町村で見ていくと、本社所在地の上場企業時価総額が県内一なのは、大垣市。私が秘かに世界に誇れる岐阜のものといえば、Perfumeのステージ演出などで知られるメディアアーティスト「真鍋大度」らを輩出した「情報科学芸術大学院大学(略称IAMAS)」であると思っているが、それも大垣にある。

航空自衛隊の基地があるのは各務原市。オグリキャップで有名になった地方競馬場があるのは笠松町。東海道新幹線の駅である「岐阜羽島駅」は羽島市。リニア中央新幹線の駅が出来る予定なのは中津川市。他にも「美濃焼」の多治見市、土岐市。「刃物」の関市。「和紙」の美濃市などがある。

ここまで書いてきて、岐阜市は出てこない……
強いて挙げるなら、日本で唯一の宮内庁式部職鵜匠による鵜飼いが行われる「長良川」、その川を臨む位置にそびえる、織田信長の居城だった岐阜城が建つ「金華山」か。

かつては、アパレルで栄え、昭和40~50年代には、美川憲一のヒット曲に唄われた繁華街「柳ヶ瀬」や、エリアでいち早くファッションビル「PARCO」ができ、名古屋からも買い物客が押しかけたとか。だが今は、シャッター商店街となり、ビルは更地になっている。

何もないんだなと思う。まるで、今の自分のようだとも思う。
と同時に、これはあくまで、私の主観であるとも思う。

コップに入っている水を見て、「半分も入っている」と捉えることも、「半分しか入っていない」と捉えることもできるように、何もないと感じる私もいれば、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟する「FC岐阜」のホームタウンである。旧赤線地帯である金津園がある。岐阜駅北エリアの「玉宮町」は、飲み屋街として賑わっている。シャッター商店街となった「柳ヶ瀬」には、個性的なお店が再び点在しつつある。岐阜市にある何かに興味を持って、やって来る人もいるのだ。

つまり自分の意識によって、どちらにも捉えることができるのだ。

幸せに感じることも、不幸に感じることも、結局は、自分の気持ち次第なのだ。
幸せとは、他人からそう見えることではなく、自分自身が幸せであると感じることだと思う。
だとしたら、幸せになりたければ、幸せだと感じる時間を増やせばいいのだ。

つまらないと感じる上司の話を、面白い話に変えるのは、自分自身の好奇心である。
満員電車に揺られイライラする時間を、ワクワクする時間に変えるのは、自分自身の想像力である。

面白い本に没頭すると、時間はあっという間に過ぎてしまう。
でも、実際にやっているのは、文字を目でひたすら追いかけるという退屈な行為である。それ自体は面白くはない。
だが、そこに想像力が加わることによって、退屈な行為は、楽しい時間に変化するのだ。

将来の夢や目標は大事だ。
だが、それに繋がる、今この瞬間はもっと大事だと思う。

過去はもう変えられない。未来は分からない。でも、現在だけは、自分の気持ち次第でどのようにも変えられる。

目の前の出来事を、いかに楽しむか。何でも楽しめる人の人生が、楽しくないはずがない。
幸せかどうかは自分自身が決める。他人が決めるのではない。

誇れるものは、外からやってくるわけではない。内からやってくるのだ。

 

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2016-03-15 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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