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シミ取りレーザーをやってみた


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記事:岡田ゆかこ(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「はい、2月14日10時からでお願いします」
と言って、私は診察室を出た。
皮膚科でシミ取りレーザーの予約をしたのだ。
 
2020年11月。
私はレーザーでシミ取りをすることを決意した。
 
10年前からある左頬にある1センチのシミがずっと気になっていた。
それだけなら良かったが、ここ数年でシミがどっと増えた気がするのだ。
 
出産後、特に子供が1歳半くらいになるまでは子育てに必死で、メイクといえば眉毛を描くくらいで肌はスッピンだった。日焼け止めも塗っていなかったので、夏の日差しをそのまま浴びてしまった。それがいけなかったのだろう。
 
毎朝、その時の事を反省しながら鏡を見るたびに心の中でため息をついていた。
 
私、メイクをする意味があるのかなぁ。シミを隠せるメイク品を使ったとしても、鏡に近づけば濃いシミはぼんやりと見えるし、なかったことにはできない。時が戻るなら、あの頃の自分に戻って日焼け止めを塗りたい。だけど、もう無理だよねえ。
 
いつの間にか自分にとってメイクはキレイになるための手段というより、誰かに会うときに恥ずかしくないためにするものとなっていた。
 
でも、ある日ハッと気がついた。
未来からみたら「今日の私」が一番若いのだ。
このまま何もしないなら5年後、10年後はもっと自分に幻滅して今以上に投げやりになってしまうに違いない。そんな未来の自分を想像すると少し怖くなった。
 
「シミ取り レーザー 口コミ」でネット検索をしてみる。
シミ取りレーザーの体験談をたくさん見つけた。
写真を見てみると、全て痛々しい。特に初日は顔全体がひどいニキビになってしまったような赤い色になり、数日後赤味がひいていくと今度は瘡蓋だらけの顔になる。
 
キレイになるためには痛みを伴うんだなぁ、レーザーの痛みに私は耐えられるだろうか。
このまま何もしない未来も怖いけど、レーザーもなんだか怖い。
 
だが、次の瘡蓋が取れた後の写真を見て、私はすぐに決めた。
うわー、こんなにキレイになるの? やってみたい!
痛さよりも美しさをとった。単純である。
 
さらに、昨今のマスク生活もシミ取りレーザー体験の後押しをした。
レーザー後は痛々しい顔になるので、瘡蓋が剥がれ落ちるまでの間、顔を隠すことを考えると躊躇していたのだ。急にマスクをして体調が悪いのかと思われるのもイヤだった。
でも、今はみんながマスクをしているので不自然さもない。
 
早速、私は皮膚科に行き自分のシミの状態を確認するため診察を受けた。
「シミあり、肝斑あり」と診断された。
 
肝斑とは顔の中心を軸に左右対称にできる輪郭のハッキリしない、治りにくいシミのことだ。レーザーを受けるまでに肝斑をできるかぎり薄くするための薬が処方された。肝斑はシミ取りレーザーで余計濃くなってしまうからだ。
 
先生には、左頬にあるシミだけ取りたいと伝えた。初めてなので顔全体のシミ取りをする勇気はなかった。まず、1センチのシミがどうなるか試してみたかったのだ。
レーザーの予約は3カ月待ちで、予約をして帰宅した。
 
そして、3カ月後の施術当日。
3カ月薬を飲んだ後の肌状態を先生が確認し、シミを撮影した後、私はベッドに横たわった。
私が目を閉じると先生は瞼にプロテクターを置いた。レーザーの光はかなり眩しさを伴うので、目を保護するためだ。
 
「じゃあ、今からやりますね」
 
「わあっ!」
 
思わず声が出てしまった。ゴムをパチンの弾く痛さと聞いていたが、思った以上に痛い。
パチンなんて可愛いものではなく、バッチンと強く弾く痛さだ。
そして、肌が焦げるニオイがする。
 
「はい、終わりましたよ」
 
おそらく制術時間は10秒もなかっただろう。一瞬で終わった。
肌を焼いているので顔は痛いし、赤く火照っている。看護師さんから保冷剤を受け取り、左頬を20分ほど冷やす。その後、会計を済ませ帰宅した。
 
いつまで痛みが続くのだろうと思ったが、4、5時間後には痛みがひいた。
そして瘡蓋となり、ゆっくり10日程かけて、瘡蓋が剥がれ落ちた。
 
10年も一緒だった1センチのシミは鏡で見てもほとんど分からなくなっていた。
 
今までの肌への悪い習慣をレーザーでなかったことにできるなんてスゴイ!
興奮しながらまじまじとシミがあったところを確認する。
またレーザーをやったら、もっとキレイになれるかもと思うとワクワクした。
 
その後、「瘡蓋が剥がれるとシミは薄くなるが、一旦濃くなりまた徐々に薄くなる」と先生に言われた通りの経過をたどり、シミは消失した。
 
初めてのレーザーに感動した私は、先月2度目のレーザーをした。
今度は、顔全体のシミ取りだ。
前回よりもシミの数が多いので、痛みを感じる時間も長かった。
でも、キレイになれるためならと歯を食いしばりながら我慢した。
 
2度のレーザーをやり終えた私は、シミのない本来の肌を手に入れた。
 
シミを隠すためのメイク品は必要なくなり、ファンデーションは薄づきになった。
鏡を見ても、自分に失望しなくなった。いや、寧ろ鏡を見る時間は長くなった。
何より、もっとキレイになるためにメイクをしてみようと前向きになれたことが一番の収穫だった。改めて、シミ取りレーザーをやってみて良かったと思う。
 
数年後、私の顔にはまたシミができているだろう。
その時は3度目のレーザーをするだろう。
それは結局「いたちごっこ」なのかもしれない。
それでも、また私はやりたい。
 
女の「キレイになりたい」という願望はいくつになっても止まらないのだ。
 
 
 
 
***

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2021-07-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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