「常連」と言われたい乙女心
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:旅河 侑生(ライティング・ゼミ日曜コース)
「ああ、この方常連さんだわ、いつもありがとね」などパーソナリティーから言われたらもう有頂天。それはそれは光栄な言葉だ。
私は自称「ハガキ職人」
現代では、ハガキなど送らずメールを送るので「メール職人」と呼べばいいのだろうか。ラジオ番組、ラジオパーソナリティーに向けてメールを送るのだ。自分の身の回りで起こったことや、盛り上がりそうなネタを日々日常の中で探している。
パーソナリティーから投げられたテーマに対しても応えることができるように、自分の過去の記憶の引き出しを開けまくる。
今はインターネットの普及によって、地方局のラジオ番組も日本中、世界中どこからでも、時間を関係なく視聴することができる。生番組に関しては、さらにTwitterなどのSNS
を通じて瞬時にコメントができる。
つまりは、メールやTwitterをしようしている人も増え自分のメールを番組内で読んでもらう競争率も高くなってきているのだ。
だから、そんな状況下「常連さんだわ」など声をかけられ様ものなら、職人が大喜びなのだ。
私も毎週土曜日は4時間の生放送番組に対して放送中に平均5通程度メールやTwitterを発信している。そんな中ふとこんな思いが湧いてきた。
「常連」とは何回メールを読まれれば、私は常連になれるのだろう……
そんな事を考え出したら、ラジオのみならず日曜の生活の中でも「常連さん」とはどんな基準で「常連=お得意様」になれるのだろうと考え始めた。
最近話題になったこのニュースも同じ話だ。
コロナウィルスのワクチンを接種するのに「かかりつけ医」に行くように推奨されていたため、老婆は自分のかかりつけに行った。しかし、病院に行くと「(あなたの頻度だと)かかりつけ医にはなりません」と言われ泣く泣く摂取を諦めた。
老婆はインタビューに対し「いつも行っていたからね……」とコメントしながら、どこに行けば摂取ができるのか困っていた。今接種の進行状況の中で、どう考えてもこの老婆と同じ状況、立場にいる人がたくさんいそうな気がする。
老婆はかかりつけ、行きつけ、つまり常連だと思っていても、病院側ではかかりつけではないと言われてしまった。自分もそうなるかもしれない。病院側の「かかりつけ(常連)」の定義が何か知りたいところだ。
飲食店でも同じことが言えるだろう。
私も自分は常連で「行きつけ」と思う店が何店かある。皆さんもそんなお店があるだろう。
自分の中の定義は「どうも、最近どうですか、元気ですか」などお店の方と気軽に話せる店だと思っている。しかし……相手はそう思っていないかもしれない。老婆のニュースを見てますますそれを思った。
「私の行きつけに行こう」と張り切って知り合いを連れて行ったら「旅河さんよく来られるんですね、常連なんですね」などと会話が弾んで、店の人が「そうですねぇ……」と微妙な反応だったりしたら、誠に恥ずかしい。
病院ならば、疾患の大きさ、通わなくてはいけない頻度、先生の専門とする疾患を持っている患者など、定義、基準が作りやすいと思うが、飲食店だと「行かなくてはならない」という縛りがあるわけでもなく、定義がないためハードルが高くなる。
例えば飲食店においては「あの人よくきてくれるよね」感情面よりもお金の使い方にあるかもしれない。
例えば、ビールとお通しだけ、コーヒーだけなど一品だけオーダーして、何時間も場所を占有し、お店の人と話しをしたりしながら毎日繰り返し来てくれるお客様よりも、ドリンクやフードをしっかりオーダーしてくれる、誰か別のお客様を連れてきてくれる、俗にいう「盛大にお金を落としてくれる」お客様の方が「常連=お得意様」になり得る気がするのだ。
つまり「行きつけ」「常連になる」「常連」とは自分が決めるものではなく「人に認めてもらう」ものではないだろうか。「基準」もあるかもしれないが日常の中では、大半が「人に認められる」行為なのかもしれない。
感情面でも、お金の使い方であってもそれは相手が決めるものであって、どちらであっても自分が決めるものではないようだ。「相手に認められる」られる努力の過程が楽しいではないか。これも恋愛の醍醐味と言えるだろう。
私のラジオも同じ。
毎週土曜日になるととにかく心踊る。パーソナリティーに「面白いねこれ」と認められるように、このライティング講座で習得した技まで繰り出しメールを書いている。この学びのおかげで採用率が高くなっているのは間違いない。
「今日はメール、Twitter読んでもらえるかな」とドキドキする。仕事だとちょっと長く感じる4時間が、ラジオだとあっという間なのだ。
なんだ、私、恋愛しているじゃないか……と大人になってもワクワクすることがある事が嬉しい。
まだ常連さんとは言われた事がないけれど、いつかきっと言わせてみせる、と小さな乙女心が日々ときめいている。
***
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