メディアグランプリ

年甲斐もなく2回戦を決めた夜に


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記事:かたPさま(ライティング・ゼミ)

「もう1回するー?」

その夜、私は、迷っていた。
久しぶりだったし、良いチャンスだ。
しかし、したくてもできるかどうかは別問題であり、できるかできないかは、正直分からない。
いざ始めてみて、できなかったら、こんな情けないことはない。
きっぱりと言い切れる自信はなかった。

ふと昔のことを思い出した。

18歳の頃の話だ。
当時、私は、大学受験に失敗し、浪人生となっていた。
学生になって初めて「おめでとう!」と言われない春を迎えていた。

現役時代は、効率的だとされる学習法を聞きかじり、参考書を揃え、学習スケジュールを立てることに時間を費やし、実際には勉強をほとんどしなかった。
そして、どこの大学にも合格しなかった。

幸いにも進学できる環境に恵まれ、学校を選ばなければどこかには入れそうな基礎学力はあった。
だが、そもそもなぜ大学に行きたいのか?
その問いに対する答えは、
大学に行って、将来のことはそれから考える。そのために4年という時間が欲しい。
簡単に言えば、これからのことは、今は考えない。先送りしますということだった。

社会学や心理学といった興味あるキーワードで志望を決め、しかし、言葉のイメージ以上の何かを学ぼう、知ろうということはなかったように思われる。

2回目の受験は、1回読んだ本を、もう1回読むようなものである。
登場人物は知っているし、何が起こるかも分かっている。
大学受験は、膨大な量ではあるが、範囲は決まっており、その範囲を確実にすれば、合格する。
方法は分かっている。あとは理解し、身につけられるかどうかである。

しかし、私は、またしてもそれができなかった。
そして、興味あるキーワードもどこかに消え、いくつか受験した中で唯一合格した、商学を学ぶ大学に入学し、4年という時間を手に入れただけだった。
2回目も無為に過ごし、何1つ成長することが私はできなかったのだ。

2回目は、苦しい。
分かっているからこそ苦しいとも思う。
1回目は、何もかもが初めてで、分からないことがほとんどである。
それに対応するには、がむしゃらにやるしかない。
ある意味、無敵である。
2回目は、経験が役立つときもあれば、逆にその経験が仇となることもある。
1回目に出来なかった理由は分かっている。だからといって、2回目に必ずそれが克服できるは限らない。

今回、迷いに迷って、その夜、私は、「ライティング・ゼミ2.0」に申込をした。
1.0に続き、2回目のライティング・ゼミである。

前回を振り返ってみると、私は平均的な受講生だったように思われる。

8回の講義は、全て出席をした。
大学の講義ではないが、実際に受けてみてイメージと違ったのか、やることが大変に感じられたのか、通信に切り替えたのか、詳しくは分からないが、1~2回で講義を欠席する方が一定数でてくるものだ。

ライティング・ゼミでは、毎日のように記事を書くことが推奨され、週に1回、書いた記事を投稿することが求められる。
投稿機会は16週あったなかで、私は、8回した。

投稿するという行為に、ハードルが非常に高く感じられ、初投稿までにかなり時間がかかった。
何を書けばよいのだろうか? こんな文章でよいのだろうか?
他の受講者が続々と投稿し、一定水準に達した記事が、WEB天狼院に掲載されていくのを見ながら、気だけが焦っていた。

そして、いざ投稿してみても、掲載には至らず、あぁーダメかと自信をなくした。
でも参加しているのだからと、しがみつくように投稿は続けた。

投稿を続けたことが功を奏したのか、最終的には、掲載は6回。
メディアグランプリのポイント獲得は、店主セレクトに選んでいただいた際の1回であった。

1回目の方と比べれば、現時点では、ABCユニットに対する理解度は、多少は深いかもしれない。しかし、理論としては単純なものであり、ちょっとした勘のよさ、天性のセンスがあれば、さらに、これまでの読書量、モノの見方、経験など蓄積されているものに支えられれば、これらに乏しい私などは、すぐに追い越されてしまうだろう。

また、このゼミで必要なのは、書き続けることだと私は思っている。
だが、私には、この書くという行為が、まだまだとても苦しい。
マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくるランナーズハイというように、苦しいのだけれど気持ちがよいのではなく、ただただ苦しいだけの段階である。
だけれど、2.0への申込を迷いながらも、今度はこんな記事を書いてみようとか、こういう展開はどうだろうかということが頭に浮かんだりもし始めている。

4ヶ月という期間で、1.0から2.0にバージョンアップし、進化し続けている講義内容。
前回以上の成果を求めたい自分がいる。そのためには、私も、成長し続けなければというプレッシャーもある。

ある種の動物が、自分の体が成長するにつれ脱皮するように、人間も、大きく成長、進化するには、脱皮が必要なんだと私は思う。

今までの人生で作ってきた、自分を守るための殻を脱ぐ脱皮が。

私は、これくらいはできる。私は、凄いんだといった、自尊心。
私は、こんな人間である。こんなのだから、これはできるけれど、これはできないといった、思い込みや固定概念。

言い訳をする。遠慮をする。気を遣いすぎる。自信がない。他人と比べてしまう。完璧を求めてしまう。否定的な意見を言われ落ち込む。
ただ逃げていただけ。いろいろなことを決めつけていたのは、それが自分にとって都合が良かったからだ。
自分自身の視野の限界を、世界の限界だと思い込んでいる。

そういうことに心の底から気がつくことが、脱皮だと私は思う。

ライティング・ゼミを受講し、記事を書き、投稿することで、気がつくことが増えていったと実感している。
まだまだその気づきは浅いが、そんなような気がしている。

私には、書いて気づくことがまだまだあるのではないかと感じている。
1回目の気づきを活かしながら、また同時に忘れ、より正面から向かい合い、2回目に取り組んでいこうと思う。前回以上の成果を貪欲に求めていきたい。

ザリガニは、1年に何度も脱皮をして、大きく成長し、大人になっても1年に2回ほど脱皮をするそうだ。何も子供だけが脱皮をするわけではない。

18歳で2回目の大学受験をした私は、あの時、脱皮することが出来なかった。
大人になり、2回目のライティング・ゼミを受講して、脱皮したい。そう思うのであった。

 

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-04-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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