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通勤ラッシュから学んだ、人生遠回りするべき理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:池田 義国(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「あーーーー。今日もあの人ごみの中をかきわけてかなきゃいけないのかーーー」
 
最近引っ越して、職場まで行くのに電車を使い始めた。
 
以前は自転車で行ってたから、通勤ラッシュに巻き込まれることなく快適だったが、今は違う。
 
下り電車だから車内はそこまで混まないけど、乗り換えるときの人ごみが、本当に嫌!
 
ちょっとでも電車から降りるのが遅れると、後ろの集団に入ってしまう。
 
早く降りて前の集団に入れれば、人と人との間隔が割と広いので、乗り換えまでの道程でコーナーの内側を攻めることができて時短になる。
 
しかも、周りも歩くのが早い人が多いから、スムーズに乗り換えられる。
 
けど、後ろの集団に入っちゃうと、人同士の間隔が狭くて歩きづらいし、しかも周りの歩くスピードも遅い。
 
前の人が歩くのが遅いと
 
「チンタラチンタラ歩いてんじゃねーよ」
 
ってイライラするし、逆に自分が遅いと、自分にぶつかってきそうな勢いで抜かれることもある。
 
だから、前の集団に入るために、今までは電車の扉の前に1番に立って、着いて扉が開いた瞬間に1番で飛び出すようにしていた。
 
でも、毎日毎日そんな日を過ごすようになって、だんだんとこう思うようになっていった。
 
「朝から何で人と競争してんだ?」
「そんなに急いでどうすんの?たかが2~3分、いや1分も変わらないときもあるのに」
「1日の始まりから心ザワつかせると、何か1日嫌な気分になる」
 
そして、そう思うようになってある時、僕は先頭で扉から飛び出すことをやめた。
 
もう朝から神経をすり減らしたくなかったから。
 
とはいっても、一番で飛び出さなくなったからといって、イライラが減るわけではなかった。
 
当然そうなるだろうとは思ってたけど、前の人とか周りの人の歩くペースが遅いのに、やっぱりイライラしていた。
 
そんな時に一つ思い付く。
 
「人がごみごみして自分のペースで歩けないのが嫌なら、ごみごみしてないところを歩けばいいんだ」
 
「じゃ、ごみごみしてない所ってどこだろう?」
 
そうやって探したところ、2箇所見つけた。
 
一つは、進行方向と逆側の通路。
 
日本人が規律正しいからなのかは分からないけど、進行方向と逆側はたいてい空いている。
 
例えば階段。
上りの矢印が書いてある方には上る人がいるが、その逆側(下り)を上る人はあまりいない。
 
「そっち側を歩けば、みんな抜かせるじゃん」
 
そうは思ったものの、やはり逆走するのは気が引けた。
 
さすがに、人目が憚られた。
 
そこで、もう一つの箇所に目を向けてみたけど、そこを歩くのは気が進まなかった。
 
だって、そこはいつも避けてきた場所だったから。
 
そのもう一つの箇所というのが、コーナーの外側。
 
コーナーの外側ということは、当然遠回りだから、距離的には長くなってしまって時間がかかっちゃう。
 
きっとそんなことはみんな分かっているんだろうな。
 
「わざわざ遠回りする人なんかいないよね。だから人が少ないんだよね」
 
そう思って始めは敬遠していた。
 
でも、日に日にイライラは募るばかり。
 
そして、もうそこ以外に、混み合わない場所は見つけられなかった。
 
「とりあえず一回だけやってみよう。何もしないでこのままこんな通勤をするんだったら、いい結果は出ないかもしれないけど、試しにやってみよう」
 
そう考えて、ついにコーナーの外側を歩く決心をした。
 
今でも、初めてそこを歩いたときの爽快感は忘れられない。
 
人同士の間隔が広くて、自分の歩きたいペースで歩ける!
 
さらに、周りを見る余裕もできた。
 
「みんな窮屈そうだなー」
 
今までは気付くことはなかったが、コーナーの内側は人が溜まっていて、流れが遅い。
 
まるで川の流れのように。
 
それに比べて外側は、人が少ない分、早く歩くことができる。
 
そして、周囲を見れると、
 
「あの人とあの人の間は何かスペースがあるぞ!あそこを歩けばスムーズに進めそう」
 
という場所も見つけることができるようになった。
 
結局、遠回りした方が、目的地に早く着けることが分かったのだ!
 
もちろん、予想が外れてうまく歩けないときもあるけど、7割以上は何もしない人より早く着ける。
 
遠回りしない人を目で追って観察してたから間違いない。
 
しかも、自分のペースで歩けるというあの清々しさは、多少の時間には替えがたい。
 
だから今でも、コーナーは外側を歩くようにして、内側で歩きづらそうにしている人を見ては、ちょっとした優越感に浸ってる笑
 
その経験からふと思った。
 
「これって人生に似てる」
 
元プロ野球選手で数々の偉大な成績を残したイチローさんも
 
「遠回りが一番の近道」
 
と言ってるし、お笑いタレントで数々の名言を残してるゲッターズ飯田さんも
 
「人生が上手くいかない人ほど、近道を選ぼうとしている。これまで上手くいっていないなら、遠回りした方が本当は近道の可能性が高いもの」
 
と言っている。
 
まさに、通勤ラッシュもそうだ。
 
距離的に近い道を選ぶと、みんなも同じ事を考えているから、混雑してしまって目的地まで着くのが遅くなってしまう。
 
でも、あえて遠回りすることで、ごみごみしてなくて快適だし、スムーズに動くことができる。
 
結果、目的地まで早く着ける!
 
そんな人生訓を、通勤ラッシュから学んだ。
 
「こんな大事なことを教えてもらえたのだから、通勤ラッシュも捨てたもんじゃないね」
 
と思ったけど、でもやっぱり、明日もあんな人ごみの中歩くの嫌だー!
 
 
 
 
***
 
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2021-10-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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