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結婚が先か、恋愛が先か


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:miwa(ライティング・ライブ大阪会場)
 
 
お見合い話がきた。
 
それも、地元を出てからもう25年も経とうというのに、世話好きな叔母さんは心配らしい。
若い頃は、はははと笑って横流しにしていたが、なぜかちょっと興味が出た。
そんな自分に驚いたが、そう上手くいかなくて当然、人生経験の1つに加えてみてもいいかもと、歳を重ねて余白も生まれた。
 
地元に帰れないので、母親にお相手の写真と釣書を写真で撮ってとお願いし、ラインで送ってもらう。
何しろ初めてなので、母も私も勝手がわからない。
 
庭でスリッパを履いた年上のおじさまが、スンッと画面に現れる。
釣書という手書きの紙も初めて目にし、ご本人の職歴はもちろん、同居なさっているご両親のお名前からご住所、生年月日に至るまで、個人情報が満載。
叔母さん曰く、海外勤務を終え、地元に戻ってきたばかりだそうだ。
 
叔母さん→母親→私→母親→叔母さん→母親→私、、、と、それぞれが会うことなく伝言ゲームが続き、サンドウィッチ状態の母の好き勝手な憶測が混じり出した時点で、あの写真1枚で何がわかるんだ! と、私も半ば意地になっていて、「埒が明かないから、叔母さんと直接話したい」とお願いすると、後日叔母は電話越しに、同じような釣書を用意して、と軽い調子で答える。
 
ほぅほぅそうよねぇと書き方を教わろうとしたら、釣書には2枚目の”家族書”があるという。
そこには、兄弟の生年月日や住所に加え、勤務先に家族構成、子供の名前と続く。
 
今のこの情報化社会で、検索すれば簡単に行き着いてしまうこれだけの情報を叔母さんに託すということは、それだけの信頼関係が成り立っている訳で、真剣度合いも本物で、脅威さえ感じられた。
 
こんな大事な話は、独断で進めると姉夫婦まで巻き込むことになる! とようやく理解し、相談を持ちかけた。
 
結論から言うと、申し訳ないがお断りさせてもらうに至った。
 
相手のお母さまは、地元に戻ってきてくれる前提で話をくださっていたのが決定打となり、その意向がない旨を叔母さんに謝ると、あとのことは何も気にしなくていいと気遣い、朗らかに幕を閉じた。
 
 
ずっと、もちろん今も、独身貴族を謳歌しながら好き勝手に生きている。
 
でもこの軽はずみな1件で家族を巻き込みそうになり、改めて結婚について自分に問うてみた。
 
「ねぇ、結婚、したいの?」
 
したいような、したくないような……でも、未知すぎてわからないよ……と、モゴモゴ歯切れが悪い。
 
一人も好きだし、友達と居るのも好き。
でも、友達と一直線に並んでいたはずだけど、話しかけようと右を見ても左を見ても、もうそこにはパートナーを見つけて微笑む姿ばかりで、私は二番手三番手になっている。
女子高生じゃーああるまいし、そんなの当たり前の流れだとは知りつつも、想像力が乏しくて、結婚を自分に置き換えられない。
 
いいんだこのままで! 一人で生きていく! と振り切れたなら、どれだけ楽なんだろうと何度思い、何度言い聞かせようと試みたか。
きっと、同じように苦悩している同年代の女性もいるに違いない。
 
行き着いた答えは、「結婚という形にはこだわらないが、パートナーは欲しい」
そのためには、やはり何か行動しないとご縁は降ってこない。
 
4ヶ月ほど前、すてきだなぁとブックマークしておいた結婚相談所の記憶が降ってきた。
再婚同士のご夫婦が、仲睦まじくありのままを発信していて、お会いしたことはないが好感がもてた。
 
思い立ったが吉日、エイヤっ! と電話をかけ、正直に、「結婚したいかどうかはまだわからない、入会に至るかもわからない、けど、このまま一人でいる覚悟もない、長い間迷子なんです……」と思いの丈をぶっちゃけた。
 
問い合わせた経験がないので、他の相談所の様子はわからないが、3人で話せる通話に切り替えてくれた後、初対面とは思えない親しみやすさで雑談が続き、旦那様からは、男性一般の嗜好傾向や入会者のデータ一例、奥様からは、不安を取り除く共感の言葉と、結婚の素晴らしさを説いてもらった。
 
男性女性両方からの意見を聞けたのは勉強になり、問い合わせた理由を忘れそうになったが、毎月、安くはない会費がかかるため、最短最速の成婚退会を目指すために、最善の方法で二人三脚、いや、三人四脚してくれるという。
 
最後まで決して勧誘はせず、また不安になったらいつでも話を聞くからねと、温かな会話で電話を切った。
 
婚活には、アプリやパーティーなど様々あるが、お見合いや結婚相談所は、親しくなる前に聞きづらい条件(離婚経験の有無、ご両親との同居、介護についてなど)をスパッと解消できてから進むことになる。
一概には言えないし、世界に1つとして同じ形はないと理解しているが、これらは、恋愛から始まる結婚というより、結婚から始まる恋愛、となるのだろうか。
 
『結婚』=安定なのでは? と、恋愛初心者は今さら膝を打つ。
 
特に結婚相談所は、もし目指すゴールが『結婚(安定)』なら、”成婚退会料”というこんなにわかりやすい名目で、信頼できると思える”他人”に伴走してもらうのも1つの手だ。
何を妥協し、何を譲れないのか、そして二人で何を目標にするのか、お相手と1つひとつ丁寧に向き合い、時には厳しいアドバイスをくださる伴走者の力も借りながら、自分の未来がはっきりとクリアになってゆくのだろう。
 
今の私は、結婚より恋愛がしたい。
お見合いの話と結婚相談所は、長年迷子だった私をクリアにしてくれた。
 
かぎかっこで括る『結婚』がしたくなったら、あのご夫婦に入会手続きの電話をしよう! と心に決めて、今はまだ、自力で恋愛をしている未来に賭けてみたいと思う。
 
 
 
 
***
 
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2021-10-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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