プロに学べることの喜びと意義
記事:住所不定☆ジョブズさま(ライティング・ゼミ)
それは2015年11月の事だった。カラオケのイベントで意気投合した知人から連絡が入り、店を盛り上げたいから手伝って欲しいと連絡を受けた。そのイベントのあったカラオケ店の店長が、今度新しく別のお店を開くので広報活動をして欲しいとの依頼だった。どんな店かわからないと活動のしようがないので、とりあえず現地に行く事にした。その時はまだプレオープンという事で、店内は荷物が散乱していた。元々、前任者が居て店を開けていた経緯があり、設備はそのまま残されていた。その中にダーツ台が2台ほど設置されていたが、それが私にとってダーツとの出会いだった。
広報をお手伝いしたアニソンダーツバー「WN」は、名前の通りオタク色の強い店であるが、ちゃんとしたダーツバーでもある。私も最初のうちは遊び半分で投げていたが、もう少しうまくなりたいと思うようになり、マイダーツを購入することにした。このお店の系列店に本格的なダーツショップがある事を教えてもらい、そこで購入する事にした。それがダーツショップ「S」に出入りするきっかけとなった。
ダーツショップSには、たまに顔を出していたがダーツを投げる事はほとんどなかった。それは、このお店には看板娘として「プロダーツァー美人三姉妹」がおり、出入りするお客もプロ、もしくはそれに匹敵するほどの腕前の持ち主ばかりだったからだ。
ちなみに、三姉妹といっても本当に血縁関係がある訳ではなく、どちらかというと師弟関係といった方がわかりやすいかもしれない。その中でも長女は、全日本代表にもなった事がある腕前で、現在もトッププロとして活躍している人物だ。そんな中で、初心者が投げられる雰囲気も勇気もなく、ただお茶を飲んでいる日が続いた。だが、お店で開催されるダーツ大会「ハウストーナメント」に誘われたところから運命が大きく変わり始めた。
大会は、レベルの高い人と低い人がペアを組んで行われる「ハイローダブルス」であったが、初参加にも関わらず、その組む相手というのが三姉妹の長女であった。これには戦慄を覚えた。大会は総当たりのリーグ戦による予選と、トーナメントによる本選とにわかれていたが、間違ってもトッププロが予選敗退なんて事態があってはならない。とてつもないプレッシャーが全身を襲った。もし負けたとなれば、間違いなく私が足を引っ張った事によるものなので、多少でもマシにする必要があった。期間は非常に限られていたが、特訓が始まった。
効率よく練習するにはダーツショップSが良いだろうと考え、お店の門を叩いた。ダーツ台の前に立ち、投げようとしたところで三女から声がかかった。そこで最も基礎的な事を教えてもらった。さらに練習していると、今度は次女が声をかけてくれた。実際に投げながらのレクチャーは非常にわかりやすく、それまでの自分とは比べられないほどの精度となった。
そして迎えた大会当日。足を引っ張ったのには変わりないが、それでも多少マシになり、予選を通過する事が出来た。残念ながら本線では一回戦で敗退してしまったが、長女のプレーを間近に見せてもらい、最後まで勝負を諦めないトッププロとしての勝負強さをひしひしと感じる事が出来た。
アニソンダーツバーWNで投げている時にはどうしても遊び感覚があったが、ダーツショップSでは練習でも本気モードなので集中の度合が違う。また、姉妹による的確なアドバイスは、どこを注意したらよいのか、何を練習したらよいのかを知る事ができ、明らかに上達するスピードが違う事がわかった。
これに似た環境を、私は知っている。天狼院ライティング・ゼミだ。現役のプロのライターが指導し、受講生は宿題として記事を提出する。そして、先生が評価し、良ければwebに掲載されるし、ダメならアドバイスがもらえる。ゼミ受講生であれば、その記事の内容とアドバイスを知る事が出来る。受講生の中にはプロのライターや受講歴の長い人が居るので、自分とのレベルの違いを嫌というほど実感させられる。厳しい環境に身を置くという事は、残酷なまでに自分の無力さを思い知らされる事になり、負け続け、挫折も味わう事になる。だが、それでも這い上がった者にだけ、勝利の本当の意味を噛み締める事が出来るのではないだろうか。
三浦さんにしても、今は数えきれないほどの肩書きを持っているが、元々、ライティングに関しては特別な才能があったわけではないのかもしれない。それは、ライティングのコツを少し教えただけで、ブログのアクセス数が桁違いに増えた天狼院スタッフがいる事を考えればわかるだろう。「この娘には勝てる気がしない」と言わしめたスタッフこそ、才能があると思える。また、タイトルと作者名を伏せて販売する「天狼院秘本」に至っては、自分ではそんな文章は書けない事から、称賛と嫉妬が混じった気持ちで記事を書いていると聞いた事がある。
それならば、凡人たる我々には全くチャンスがないのだろうか。これについても、三浦さんが回答を示していると思う。毎日のように大量の文章を書き続ける事によって、今の三浦さんが作られたとするならば、まずは書き続ける事が大事なのではないだろうか。そして、学ぶ事に対して素直で貪欲である事。その結果、プロに教えるほどの知識と技術を修得したのだと思う。
環境が人を育てるとはよく言うが、常に自分より上の存在が突き放しにかかり、さらに下からの突き上げがある環境であれば、慢心せずに精進出来るのかもしれない。ダーツも、毎日投げないと感覚を戻すのに苦労するそうである。ライティングも続けていないと書けなくなる。適切な指導とたゆまぬ練習、そして続ける事が上達のパスポートなのかもしれない。
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
【平日コース開講】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ2.0《平日コース》」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《6月開講/初回振替講座有/東京・福岡・全国通信対応》
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