メディアグランプリ

チラッと見えるほうが嬉しいかも。


チラッと見える

記事:しのさま(ライティング・ゼミ)

 

チラッとでも、見えると嬉しいものがあります。

見られていることを意識しているものも、勿論素敵なのです。

けれども、チラッと見えるほうが個人的には、好きかもしれません。

そんなものを、日々探しています。

 

―――――

 

「髪色変えたよ☆」

 

SNSにアップされた友達の自撮り写真。

新しい髪形に髪色、可愛い。

いつもと印象が異なった彼女の明るい表情、もちろん見ています。

見ていますよ。けれども……

 

……自分の部屋だからリラックスモードになりすぎているのかな?

……見えているぞ!

 

私が彼女の顔よりなにより見つめていたのは、がっつり食い入るように見つめているのは、

写真にチラッと写りこんだ、彼女の……。

ふふ、いいもん見させてもらったぜ。ナイス!

SNSは、お宝いっぱい。

今日もお宝掘り当てます。

 

―――――

 

ある日の街。

お洒落なオープンカフェのテラス席で、美人が二人、話し込んでいます。

……こういうところに、お目当てがある予感!

 

美女たちをじっと、見つめます。

美女その1、脚を組みかえます。女性の、脚を組む動作って、なんだか素敵です。

その時、スカートがヒラっとはためき、今まで見えていないところが露わに……!

 

……見えた! 見えたぞ!

 

スカートの奥に見えた一瞬を、私は見逃しません。

今日のお茶はここにしましょう。

お洒落カフェにぴったりな、お洒落な……。

街のお洒落カフェにも、それに出会えます。

 

―――――

 

ちょっと昔の話を。

女性の話が続いたので、男性のお話。

男性のも、好きです。

 

学生時代、A君のアパートで、ゼミ仲間の鍋パーティをしました。

鍋とお酒をたらふく飲み食いして、宴もたけなわ、Bちゃんが言いました。

 

「今日、ずっと思っていたんだけど。

なんでA、それ隠してるの?」

 

……! 私も思っていました。隠すなよ。男なら出せよ! と。ナイスBちゃん!

 

「べ、別に人に見せるもんじゃないだろ……」

 

酔っているからなのか、恥じらいなのか、頬を赤らめるA君。

Bちゃんがさらに煽ります。

 

「なに? 恥ずかしいものなの?」

 

「べ、別に……」

 

焦らされ焦らされ、我慢できなくなったので、私も煽ります。

男の人のだって、見たいのです。

 

「「見せろ! 見せろ!」」

 

女子2名の喧しいコールにA君は崩落。

 

「……仕方ねぇな、お前らだけだからな!」

 

バッ と開かれる覆い。

そこには、なんと……

ドドーンと、そそり立つ……

 

「「……A君の、すごい……」」

 

A君の、とても立派でした。もう、惚れ惚れしてしまいました。

今でも、ふと思い出しては、私のモノにしたい……と感慨に耽ります。

 

―――――

 

昔から、チラッと見える……、いや、がっつり見たい……を追い求めてきた私ですが、

最近では、天狼院書店でも見られることにも気が付きました。

 

しかも、いろんな人の……。

一気に、好きなだけ。

今生では見られないと思っていた、あの人のも、次元の壁を越えて、見られます。

……ほほほ。

……

 

もうお分かりでしょうか?

私が長年探し、見つけてニヤニヤしているもの。

それは、

ちょっと見られると恥ずかしいかもしれない、

なんとなく人柄の出る、

その人の大切にしている、

 

本棚、です。

 

友達のSNS写真に写り込んだ本棚、自分の本棚と同じ本があると嬉しくなります。

そのモテるための本、私も持っているけれども、SNSにアップしちゃって大丈夫か!? などと思うこともしばしばですが、そんな時ほど、その人がリアルに読んでいる本が分かるので、個人的にはとても好きです。

最近では、twitterの#文庫川柳 の後ろに見え隠れする人の本棚を見ていました。

 

お洒落カフェの本棚、表に出しているところも多いですが、店の奥まったところにちょこっとある本棚がとても好きです。

カフェの本棚は、カフェの雰囲気に合っていることが多く、飲み物やお菓子も美味しさ3割増しに思えます。

 

A君の本棚、部屋に入ったときは布で覆ってありました。

でも、1DKに所狭しとそびえ立つ本棚、中身がずっとずっと気になっていました。

Bちゃんも同じだったようで、A君が覆いを取ってくれたときは感動しました。

大きな本棚に、文庫、コミック、ソフト・ハード、そして珍しい古本がみっしり綺麗に並んでいました。

「あ、私も持っている!」

「これ読みたいと思っていたんだよね! 貸して貸して!」

大騒ぎでした。

 

そして、天狼院書店。

この間、受講で天狼院書店へ行ったら、メゾン・ド・天狼院がありました。

いくつものボックスに分かれた本棚に、スタッフさん、著名な方などなどのおすすめ本が並んでいます。みなさん自身の紹介カードもあって、リアルです。

メゾン・ド・天狼院、名前から、みなさんのおうちの本棚を覗いているみたい……! と、本棚フェチの私はドキドキしていましたが、なんと、その中に!

 

おそ松さんたちの本棚がある!

好きな漫画キャラの本棚、覗いてみたいですよね。

のび太君の部屋の本棚とか、地味に気になります。

次元の壁を越えて、本棚が見られる……夢のようです。

 

本棚への愛を語ってきましたが、私なんて本棚好きの端くれの端くれだと思っています。

本棚フェチ、もっともっと多いのではないでしょうか。見たい、見せたい、どちらも。

人の本棚、見られるサービスあったらいいな……、と思い、

今日もチラッと見える本棚、魅せる本棚を探しています。

 

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2016-05-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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