メディアグランプリ

本音は目に見えるもの


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記事:のんさ~ん! さま(ライティング・ゼミ)

 皆さんは、本音を形として見たことがありますか? 物体として、自分のでも他人のでもいいです。目にしたことがあるでしょうか?

 私はあります。これはもう堂々と言えることです。なぜなら、自分の本音を物体としてこの目で見たからです。

 嘘だと信じてくれませんか? それとも、頭がおかしいのではないかと心配してくれていますか? 心配ご無用です。今から私が証明します。

 と、その前に、私のお話を聞いてほしいと思います。
 突然ですが、こんな言葉を聞いたことはないですか?
 
「コンプレックスは武器になる」

モデルさんの中には、結構そういっている方が多い気がします。自分の鼻の形、口の形、輪郭が大嫌いだったけど、今はそれが自分らしさになると気づき、自分にとって武器になっている、と。確かに一理あると思います。でも、コンプレックスのすべてがそうとは限らないと私は思うんです。なぜなら。
 私のコンプレックスは歯並びです。本当にガタガタ。顎が小さくて歯が入りきれていないのです。だから、角度によっては、歯抜けばばあになってしまいます。八重歯はかわいらしいと思えるのですが、でっぱな歯並びをかわいらしいとは到底言えません。さらに、前歯が前歯の役割を果たしていないので、歯の健康的にもよくないそうです。このようなコンプレックスが自分の強みになるのでしょうか?
しかし、歯並びは、治せるコンプレックスと言うことはできます。そこで、矯正を何度か試みたことはありました。ですが、相談に行くと必ず言われます。抜歯しかない、そして、100万円はかかる。もしかすると矯正の器具を一生つけていなければならない可能性もある、と。
今では矯正をしている人って、結構見かけます。でも、こんなこと言われてしまえば、尻込みしてしまう人も多いのではないでしょうか? 私はビビりなので、それならいいやと諦めてここまで来てしまいました。でも、本当はきれいな歯並びで、何も気にせず笑いたい。堂々と、笑いたい。今までは、矯正をしないのか聞かれても、人生に支障はないからと言って笑ってごまかしてきました。でも、ほんとはやっぱり後悔しています。幼いころに治しておけばよかったと。
では、なぜそう思うようになったのかというと、表現者として人前に出たいという想いが私の中にあるからだと思います。演技をする自分の姿を映像で見て、やはり歯並びの悪さに目がいってしまいます。他の人は気にしないといっても、気になるのです。
今、私がなぜここまではっきりと自分のコンプレックスを叫んでいるのかというと、この治せるコンプレックスを治してくれる方に出会いたいからです。お金のない私に、何かいい情報を与えてくれる人がいるのではないかと期待しているからです。傲慢だと思われるのは承知の上ですが、それが私の内に秘めた本音なのです。どなたかいらっしゃらないでしょうか、誰か、誰か……

答えは出ました。そう、私は、口では言えないような本音を、文章を書くことによって伝えることができるのです。本音が「たくさんの文字が書かれた一枚の紙」という物体になっています。あるいは、「SNS上の記事」として目に見える形になっています。たった今、私のコンプレックスに対する本音が目に見える形になりましたよね? 

本音なんてほとんど口では言えません。将来の夢や、コンプレックスに対する想い、信じるもの……いつも相手はどう思っているのだろう、どうせバカにされるに決まってる、という弱い考えが私を取り囲み、気前よく相手の考えに自分の考えを合わせ、自分の本音を押し隠してしまいます。だからでしょうか? 文章にすることで、書くことで、私は本音を言うのです。そこに他人はいません。純粋な本音、すべてが自分なのです。だから、私の文章には全く嘘がありません。対人が目の前におらず、対自分でいられる想いを文章であれば、どうせ私が書いているなんてわからないだろうし、感想をわざわざ言ってくる人もめったにいない、ならば書いちゃえ! と思えるのです。ある種の開き直りです(笑)つまり本音を言いたいのに言えない、でも書いて伝えることならばできたのです。

「書くこと」が私を私にしてくれている。大げさに聞こえるかもしれませんが、この世にまだ現れていない、うちに秘めた私の想いを、文章にして形にすることで、いろんな人に自分の本当の気持ちを発信することができます。さらに、その一歩を踏み出せたことで、口でも本音を言えるようになってきました。そのことが本当にうれしい。これが、今の私にとっての「書く」ということなのです。

だから私は書くことに感謝しています。ちょっと言葉がおかしいかもしれませんが(笑)だけどそう、書くことに感謝しているから、ずっと書き続けていたいのです。自分の本音を形にしてくれるこの世界こそ私の未来であってほしいのです。

そしてそこに共感してくれる人がいてくれるとしたら、私は本当に最高に幸せ者だと思います。

 

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2016-06-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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