メディアグランプリ

今、唯一僕を僕たらしめている行為。

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たらしめる

記事:たかさま(ライティング・ゼミ)

この世で最も楽な職業は何か。

それは傍観者だ。
人々が必死に戦い、傷つき、高め合っているのを一歩引いて見つめる。
傷つかないし、なんとも居心地がいい。
誰かのアウトプットに対して、評論を垂れて生活する。
自分は表舞台には出ないで、戦うこともせず、じっと見ている。
なんて楽な職業なんだろう。
何もしなくていいことが、仕事なんだから。
最高の安全圏で、ただ見つめる。

今週、壮絶な戦いがまた一つ幕を閉じた。
「天狼院メディアグランプリ8thシーズン」

僕も一応この戦いに参加していた。
いや、参加していたと言っていいのかすら、危うい。

一度も自分のアップロードされた記事をfacebookにアップしたことはないし、内心フリーの投稿権がある店員に勝てるわけないだろ、と思っていた。

別に本気で書かなかったわけじゃない。もちろん三浦さんに、「面白かったです」と言ってもらいたかったし、webサイト上にアップされたいとも思っていた。

でも、それだけだった。

今までのメディアグランプリの詳細を僕は知らないのだが、今回ゼミ生の方がベスト3にランクインされていた。その方について、何か知っているというわけではないが、きっとビジネスウーマンか何かをされており、空いた時間で記事を書いてアップロードなさっているのだろう。そして、きっとfacebookやtwitterでも拡散なさっているに違いない。

この方だけではない、ランキングに入っている方は、きっとメディアグランプリで勝つために、戦っている。
僕とは見ているところが、初めから違った。三浦さんに認めて貰えばいい、というレベルの僕と、絶対にランキングに食い込んでやろうという気持ちで書いている皆さん。
そりゃあ、文章のレベルで差が出るのは当たり前だ。

それに、僕にはない勇気をちゃんと持っている。

仲間内で殴り合った後、ちゃんとそこから飛び出して、人前に出ていく勇気だ。
自分の書いた文章を実名で友人や、知り合いに公開するのは尋常なく勇気がいると思う。
裸で、友達の家にアポ無し訪問するようなものだ。
全員が全員そうではないとしても、中には記事をあげるという行為をバカにする人だっているだろうし、友達にどう思われてるか気にする人だっているだろう。
それは、僕がまだ若いからだろうか。大学を出て間もなくて、そこでの友人関係が破綻したり、裏でこそこそ言われるのが怖いからだろうか。

否。そんなことはない。

明確な目標があれば、人からの評価(ここでの評価とは、勝手に相手の判断で価値づけられる評価のこと)なんて気にしないはずだ。

昔、インターンをしていた会社の社長が言っていた。

「自分の目的を達成するためなら、周りの人をいくらでも利用しろ。先輩とか上司とかは関係ない。目標を達成するためには、どうしたらいいか考え、実行しろ。変なプライドなんて持っている暇はない」

今頃になって、この言葉が響く。先輩や上司のくだりは、ここでは少し違うかもしれないけど、facebookで投稿を共有して、クリック数を上げる行為は、ある意味友達を利用する行為だと思う。もちろん、方法はそれだけではないだろうけど、生き残るため、目標を達成するためには、それくらいのことを当たり前にしなければならない。

一時期、もし僕が天狼院書店のスタッフだったら、余裕でアップロードできてただろうか、と考えたことがある。スタッフという肩書きを持ってれば、自分の書いた文章をシェアしてても、誰にもおかしく思われないだろう。それにフリー投稿権持ってる分、1位取れる確率も上がるのでは、と。でも、そんなこと考えている時点でダメなんだろうな、と思った。それって、結局肩書きがないと何もできない証明でしかない。一流の人間というのは、自分で肩書きを作っていくものなはずだ。そして、痛みを人前でさらけ出すことができなければ、どんな肩書きを持っていようと同じことである。

じゃあ、僕は一体何のために書いているんだろう。
戦いもせず、一人遠く離れたところで、なぜ書いているんだろう。
仕事終わりや、休日の貴重な時間を使って。友達との誘いも断って。
別に、書かなくても死ぬわけではない。誰に強制されてるわけでもない。もしかしたら、4万円も払っちゃたから、というのも少しはあるかもしれない。前にコピーライター養成講座に行った時は、途中から行かなくなってしまったから、それだけじゃないのだろうけど。
その時間を例えば、映画を見たり、本を読んだり、買い物したり、飲み会に行ったり、そういったことに使う方が満たされる。

なぜ、こう一週間に一回は必ず提出するという、別に破っても誰も怒らない掟を忠実に守って書いているのだろう。

きっと、僕は書かないと死んでしまうのだ。
さっき、死ぬわけではない、と書いたが多分死ぬ。
書いて、提出して、それを少しの人に読んでもらうという一連の行為が、僕を生かしている理由なのかもしれない。
覚悟の足りない、弱い僕が、自分をこの世に縛り付けるために勝手に書くことを強制しているのかもしれない。そして、自分の内面を書き連ねることが、生きた証になると信じているのかもしれない。

僕は今、普通に会社で仕事をしているけれど、過去の自分に引きづられながら生きている。
ライティング・ゼミに参加し、諦めずに書き続けることが、唯一自分を未来に歩ませている。

次の戦いに、僕はちゃんと参加できるだろうか。
傍観者から、一人の戦士になれるだろうか。
一歩でいいから、戦場に踏み出せるだろか。

でも、誰もが戦士になることができる、ということをライティング・ゼミは教えてくれた。
まだ、終わったわけではない。講義は残っている。
Lv100の傍観者から、Lv5の見習い戦士へ。

いつジョブチェンジするの?

今でしょ。

 

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-06-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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