メディアグランプリ

商学部には裏のコース選択があることを知っていますか


 

記事:築地海露穂(ライティング・ゼミ)

 

「会社を辞めて独立したい」

「もっと自由に楽しく働ける仕事がしたい」

「何とかして自分で稼ぐ方法はないのか」

 

私が初めてそう思ってから、すでに何年が経ったことでしょう。働き方の自由化が浸透しつつある昨今、私と同じように悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

 

「自分にもできる副業はないだろうか」

「フリーランスになれないだろうか」

「起業するならできることはなんだろうか」

 

そう考えてみたものの中々どうしたらいいのかわからず、起業に関するセミナーに参加したり、ビジネス書を読み始めたりする人をよく見かけます。なぜなら、私も全く同じことをしているから。セミナーや本を探しては、どうすれば自分で稼げるのかと思考を巡らせているのです。そのため、自然と同じような行動をとっている人たちとの出会いが増えてきました。

 

個人経営だろうが、法人経営だろうが、規模に関係なく起業はたやすいことではないと思います。現に、起業を考えている人と出会うと、そのほとんどの人が長いことどうすれば自分で稼げるのかわからずに悩んでいるのです。

 

 

起業は誰にとっても難しいもの。

 

ですがそうだとしても、私は本来、悩んでいていい人間ではないのです。なぜなら、私は商学部の卒業生だから。

 

自分でいうのも虚しい話ですが、四年間も商業部で学んだはずの私がこんなに起業できずに悩んでいるのは、どう考えてもおかしいと思いませんか。たっぷり四年間もかけて一体何をしていたというのでしょうか。

 

大学では、経営や簿記、金融や経済の授業を選択していました。いかにも起業に役立ちそうな授業を取っていたのです。学ぶ意志はあったので、真面目に授業にも参加していました。ところが、いざ起業しようとふたを開けてみると、私は自分で稼ぐ方法を全く知らないことに気がつきました。

 

大学は理論を学ぶことが目的であるから、それだけでは実際の起業を知らないのも無理はないと思うでしょうか。それもあるかも知れませんが、原因はそれだけではないと私は考えているのです。

 

なぜ授業を熱心に受けていた私が、これほどまでに起業方法を学んでいないのか。それは恐らく、学ぶ目標設定を誤っていたからです。

 

私は四年間、雇われて稼げる人間を目指していました。そもそも、大手企業に就職できることを目的に商学部へ入部したのです。経営を手助けできる知識があれば、従業員として重宝されるだろうと考えていました。

 

周りを見渡すと、中には親の会社を継ぐために学ぶ学生や、起業を目指す学生もたくさんいました。彼らのように自分で稼ぐという視点で学ぶか、私のように雇われて稼ぐという視点で学ぶか。どちらの視点で学ぶかで、得られる情報はまったく違います。

 

就職を目指して授業を受ければ、良い成績を治めることや理論をただ理解することに意識が向きます。一方、起業を目指すとなると、自分が稼ぐ場面をイメージしながら聞くことになります。それは、頭の中で四年間起業シミュレーションし続けるようなものです。雇われて成功しようとして授業を聞けば、面接対策を四年間し続けるようなものなのです。

 

この違いは単純ですが、結果は歴然としていました。

 

私は良き従業員になるべく四年間、頭の中で面接対策をし続けたのです。そして、就職活動を始めてすぐ、一社目に面接を受けた第一志望企業に採用してもらうことができました。雇われて稼ぐ人間を目指した結果、就職活動を一社目にして成功させたのですから、学習の成果はしっかりと現れました。

ですが、入社して間もなく、私は大学で学んでいた視点を後悔しました。働き始めるとすぐ、自分で商売をしてみたいという気持ちが芽生えてしまったからです。

 

商学部には四つのコースが存在します。経営コース、会計コース、金融コース、商業貿易コースです。念のために補足させていただくと、私は商学部で学んだ一切のことを後悔していません。大学は良い授業に溢れていたと思います。自身が選択した正規の金融コースにも満足しています。

ただ、裏のコース(あえてこう呼ばせてください)選択を誤ったと感じているのです。

 

私は商学部には、正規の四コースとは別に、二つの裏コースが存在していると思っています。すべての商学部生は、目に見えないコース選択を気がつかないうちにしているのです。それは、起業家コースと従業員コースです。

 

この裏コースは正規の四コースのすべてに付随しているものです。どのコースを選択するかに関わらず、学ぶ視点が起業家なのか従業員なのかで学びの内容はまったく変わってしまいます。

 

私は裏のコース選択で、従業員コースを取ったのです。どちらがいいか悪いかなど、優劣はありません。ただ、このコース選択は間違いなく正規の四コース以上に、将来の働き方に影響を及ぼすと思います。もし今商学部で学んでいるなら、自分がどちらの目的で学んでいるのか意識してみてください。

 

私が現在どうしているかというと、今更ながら起業家コースの視点でビジネスを学び直しているのです。自分が独立するために参考にできるビジネスモデルや実例を学習している最中です。もしこれを学生のうちに毎日できていたなら、どれだけ起業家としての力が身についていただろうかと思うと、悔しくてたまりません。

 

将来従業員になるのか、起業家になるのか、今から想像してみてください。どちらを選ぶにしても、商学部で学ぶ四年間を通じて幸せな稼ぎ方を身に着けることができたなら、どれほど楽しい仕事ができるでしょうか。商学部で学んでいる皆さま、どうか自分に合った裏のコースを選択し、有意義な大学生活を送ってください。

 

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2016-06-23 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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