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婚活こじらせ女子が街コンに行きまくった結果、こうなった


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記事:土田 ひとみさま(ライティング・ゼミ)

街コン。
それは、街ぐるみの合コンイベントであり、多くの男女が開催地区の多数の飲食店に集まる。参加者の人数は最低でも100名、大規模なところは3000名も集まる。普通の合コンと違って、制限時間の中でたくさんの異性と出会うことができるのが特徴だ。
街コンの一般的なスタイルは、指定されたお店に同性2人組が入店すると、必ず異性2人組と相席になるというものだ。20分~30分の制限時間があり、時間が来ると強制的に席替え、または店を出なくてはならない。そしてまた、違う異性と相席になる。大きなパーティー会場で自分から声をかけるのが苦手な人にとっては、強制的に相席になることで、平等に出会いを提供してもらえるのが最大のメリットだ。
開催する地区にとっても「町おこし」という大きなメリットがあるわけだが、婚活をこじらせていた当時の私は、「町おこし」などどうでもいいことであった。

「とにかく出会いがあれば、素敵なご縁に繋がるはず! 待っていてね! 白馬の王子様!」と、イタさ丸出しの私は、数撃ちゃ当たると言わんばかりに、せっせと街コンに申し込みをしていた。

あるときは、表参道の路地裏にある隠れ家的な会場の街コン。
またあるときは、代官山のオシャレで美味しいお店を食べ歩きながらの街コン。
またまたあるときは、東京タワーのすぐ下で出会おう! みたいなキャッチフレーズの街コン。
とにかく行きまくった。

1回の街コンで連絡先を交換した人数は、最低でも3人。多い時には15人ほどの男性と名刺やらメールアドレスやらを交換した。
しかし、街コンは制限時間がつきものだ。せっかく好みの異性と相席になっても、時間がきたら強制的に席替えを命じられる。お互いが話をする時間は、ごくわずかだ。

つまりは、第一印象が勝負の世界なのだ。

少ない制限時間の中では、「結婚観」についてはなかなか話せない。なので、街コン後の二人きりのデートで思いを引き出す必要がある。そのためには、何としてでも次のデートの約束を勝ち取る必要があるのだ!
第一印象が良く、次のデートに繋げるために必要なのは、相席になってすぐに「この人いいな」と思わせ、少し会話をしたときに「ああ、やっぱりこの人素敵だな」と思わせ、制限時間終了の前に「また会いたい!」と思わせることだ。

「何が何でも結婚するぞ!」
この最終目標を達成するために、私は街コンの中で、訓練を重ねた。

まず初めに、自己紹介の訓練をした。
私はどこの誰で、何が「売り」なのか、簡潔に伝える必要があった。自分自身にコンプレックスを抱えていた私は、自分の「売り」が何なのかも分からなかったが、何とか答えを絞り出した。
「ナース」という職業は男性ウケするらしいとの情報を鵜呑みにし、「ナース」「癒し」「聞き上手」などを自分の売りとして伝えることにした。
ニッコリと笑って、簡潔に自己紹介。あとは、とにかく相手の話を聞いた。初めは上手くしゃべられなかったが、自己紹介するごとに、反省を生かし次に繋げた。1回の街コンに参加すれば、少なくとも3回は自己紹介をするチャンスがあるため、どんどん上達していくのを感じた。

次に、「また会いたい」と思ってもらうために、とにかく相手の話を聞いた。
なぜ、相手の話を聞くことに専念したかというと、「僕のことを分かってくれる」と感じてもらうためと、「自分ばかり話してしまって、あの子のこと何も知らない、もっと知りたいな」と思ってもらうためだ。そのために私は相手の話を真剣に聞き、相手を理解しようとした。相手が好みかどうかということは置いておいて、とにかく理解しようとした。そうすると、相手はどんどん気持ちよさそうに話してくれる。終了時間の合図の時に「いやー、僕ばかり話してしまったね」と照れ臭そうに話してくれる人を見て、私は心の中で「やったぁ!」と思うようになっていた。

そんな訓練を重ね、私はどんどん「街コン力」をつけていった。「街コン力」は私の自信となり、そして大勢の人と話してきたこともあり度胸もついてきた。初めのうちは、恥ずかしいとか照れ臭いとか言っていたけれど、だんだん自然にありのままの自分でいられるようになっていた。

そして私は、とうとう白馬の王子様と出会った。
(残念ながら、街コンとは関係のないところで……)

婚活をこじらせていた私が、妻という立場になったのだが、今でも街コンの経験が生きている。
主人は、仏像彫刻を生業としている。時には、自分の作品を外部にアピールする必要がある。そんなとき、私の「街コン力」が発揮されるのだ。
仕事関係の方と出会った時には、ニッコリと笑って簡潔に自己紹介をする。さりげなく、主人の仕事の内容や、モットーなど重要なことを伝える。あとは、とにかく相手の話をよく聞いている。そうすると自然に、相手がこちらに興味をもってくれるのだ。次にまた会いましょう、と約束が決まったり、主人を応援したいと言ってもらえたりする。
「街コン力」のある妻は、夫に役立っているようだ。

また、街コンのおかげで、大勢の人と話すことに慣れた私は度胸もある。以前、中国の富裕層が500人ほど集まる会場で、主人の作った仏像を披露するという場面に立った時も、全く動じずにアピールすることができた。私は、中国語も英語も話せないが、なんとなく熱意とか情熱とか、日本の職人の素晴らしさを伝えることができたと感じている。街コンで訓練する前の私だったら、中国語が話せない時点でその会場に近づくことすらできなかったと思う。

こんな風に私は、街コンのおかげでどんどん変化していった。
まったく、街コンという訓練はすさまじいものだ。ただの婚活こじらせ女子だった私が、夫の役に立つビジネスウーマンへと変身を遂げたのだから。

 

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2016-07-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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