2ヶ月で28件占いを受け続けてみてわかったこと
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか？賞を取れるのか？プロも通うのか？〜
記事：石川ひろこ（ライティング・ゼミ2月コース）
面白いバイト募集記事を見つけてしまった。
電話占いを実際に受けて、その文字を文章にまとめて、さらに受けてみた感想を書き上げるのだ。
毎月10件の占いを受けては記事を10件納品する。
もちろん、占いにかかる占い費用や電話代金は支払われる。
電話占いとはどんな風にことが進むのか、簡単に説明しよう。
まずは、占いを希望する先生を選ぶ。
たくさんの在籍占い師の中から選ぶ作業がなかなかおもしろい。
この世にはこんなにたくさんの占術があるのか！！と心の底から驚いた。
四柱推命、霊感、霊視、オラクルカード、夢診断、色診断、チャクラ調整、中には故人との対話ができたり、ペットの気持ちを読む先生もいる。
それぞれの先生が得意とする相談内容がびっしり書かれたプロフィールや、数多くの口コミを見て占い師を選ぶ。
「すぐ占えます」の表示の先生だと、指名するとすぐに電話が繋がる。
時間予約も可能だが、人気の先生だと5時間待ちなどもざらにある。
電話が繋がると、少し挨拶をして早速名前と生年月日と悩み事を聞かれて占いが始まるという流れだ。
さて、毎月10件の相談ごと。
皆さんなら、どんなことを相談されますか？
私の場合は
『息子が反抗期に入りそうなんです』
『ライターの仕事を最近始めたのですが上手くいきますか？』
『実家の両親がけんかばかりするのです』
『将来、バリ島に住みたいのですがどうでしょうか？』
『写真の仕事、体力的にいつまで続けることができそうですか？』
最初の5件はなんだかんだと無理やり悩んでみて相談してみた。
だが、どれもこれもあっという間に解決されて終わってしまう。
大体20分ほど電話する指示があるので、なんとかして話を膨らませたいところだが、やっぱりすぐ終わる。
「他に悩みごとはないですか？」と聞かれると、もう占い終了が近い証拠。 う〜ん、他に何か聞きたいことないかしら。
「ご相談ごとは何ですか？」と聞かれて開口一番「悩みがないことです」と言いそうになる自分に心の中で苦笑した。
なんとなくわかってはいたけど、私って悩みごとの少ないハッピーな人だなと思ったがそんなことを言ってては仕事にならぬ。
結果、一つの相談ごとを違う先生に違う占術で占ってもらうことにした。
私が絞り込んだ悩み事は
「バリ島に移住したいが、現地で仕事は見つかるだろうか？」ということだった。
この質問をひたすらいろんな先生に投げかけてみた。
スマホの向こう側でタロットカードを切る音、数珠みたいなのをこすり合わせる音、ひたすら呪文を唱える声。 実にバリエーションが豊富だ。
一番驚いたのは、電波に私のミトコンドリアを乗せて占うと言った先生だ。
同じ質問を10人の占い師にしてみた結果、10人が「とてもいい。 あなたはバリ島に呼ばれている。 バリでビジネスもうまくいき、いい人間関係も築けるだろう」と言った。
行く時期はそれぞれすぐ行きなさい、6月に行きなさい、8月に行きなさい、年末に行きなさい、コロナが落ち着いたと判断したら行きなさい。 それぞれ違えど、「行って良し」の言葉がもらえた。
不思議なことに、3人目くらいから占ってもらう前に「きっと、吉と言われる」という妙な自信がついてきた。
10人の先生に占ってもらった後は、なんというか、「ああ、もう私は絶対にバリ島へ行くんだな。 そして、きっと全てスムーズに事が進むのだな」と、自信から確信に変わっていった。
占いを定期的に受けつつ、この2ヶ月半を過ごしてきたのだが、今では占ってもらう前から「バリは行って良しと言われる」とわかって電話をかけている。 ちょうど今、2ヶ月半で28人の人に占ってもらった。
私が思うに、電話占いで厳しいことを言う先生はほぼいない。
いいところを強調して伝えてくれる。
私自身が気づいてる自分の良いところ、気づいていない良いところ。
それを言葉にしてたくさん浴びさせてくれるのだ。
電話の最後には「あなたならきっとできますよ」と優しく言ってくれる。
最初は面白いバイトだなと興味本位で応募した仕事だったが、実際にやってみてよかった。
占いと言えど、カウンセリングの要素が多い。
「今日の私はどこにモヤモヤをしてるのかな」とか自分に問いかける。
それを言葉にする。
そしてポジティブなフィードバックをたっぷり時間の限り浴びる。
占いの内容は毎回、ボイスレコーダーに残して、後日記事にする時に聞き直す。
その度にまた私についてのポジティブな意見を繰り返し聞く。
そしてそれを文章に書く。
誤字脱字が無いか読んだ後、最後、口に出して念の為最後のチェックをする。
それらの文章には全て自分の良いところが散りばめられている。
繰り返し、繰り返し受けているうちに、自分がなんだかすばらしい人材になった気がする。
私がわかったことは、人は褒めてもらい、そして「力があると思われる人」に「できますよ」って繰り返し言われるだけでその気になるのだ。
今の私にはバリ島に行ける気しかしない。
そして、本当に8月に行くことになった。
短期間で28件の占いを受けてわかったこと。
言葉の力、思い込みの力はポジティブに使えば魔法になる。
占いの効果を今、存分に感じている。
さあ、あと2件。
またまたポジティブな意見をもらうために、電話をしようではないか。
未来は、明るい。
＊＊＊
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