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メディアグランプリ

長年の呪縛から解き放たれた理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:紗矢香(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
私が生きてきて後悔していることの一つ。それは部活に入らなかったことだ。
正確に言うと、中学1年の時に半年間だけバレーボール部に入っていたのだか、人間関係が上手くいかず辞めてしまった。それ以降勇気がなく、高校に入学しても入れなかった。いわゆる帰宅部だ。
だからだろうか。部活に対する憧れが強い。
私の子供達は二人とも、バドミントンやサッカー部に入り、それぞれいろいろ辛いこともあったと思うが、部活動を満喫していたように思う。私も子供たちの試合を観に行き、それなりに楽しんだ。感動の疑似体験もさせてもらった。
でもなにか違う。やはり自分で行動しなければ意味がない。
 
なにをしたいのかもよくわからず、気になったものは片端からチャレンジしていった。
まず華道。お花は綺麗だか、じっとしているのが苦手な私には続かなかった。
市の料理教室。皿洗いばかりして、家で作った方が楽だった。
市が主催する体操教室。それなりに楽しかったが、飽きてしまった。
日焼けはしたくないので、スカッシュに挑戦! 先生が厳しく足が遠のいていった……。
 
なかなかやりたいことがみつからない中、家の近くにある『ホットヨガ』のスタジオが体験を募集していた。
会費は高いし、入会する気は全くなかったのだが、友達と話が盛り上がり、体験してみることにした。
 
出迎えてくれたインストラクターから
「なぜ体験に来ようと思ったのですか?」と理由を聞かれた。
「体の冷えがひどくて健康になればいいなと思って」
体験やお試しと言う言葉が大好きな私にとって、本当に興味本位だった。
 
ヨガのウェアを貸してもらい、いざ室内へ。
30名程の会員が、それぞれマットを引き、インストラクターの声掛けで、ヨガのポーズをとる。身体の硬い私には、難しいポーズもあり、体幹のなさを実感した。
コロナ禍なのでマスクを着用しているが、そこまでは苦しくない。ゆったりとした深い呼吸を行うからなのか、心が落ち着き癒されていくのを感じた。
運動も出来て、心も整えられる。
これはいいかもしれない。直感で感じた。
それから『ホットヨガ』に通うことにした。
こちらの『ホットヨガ』は、癒しのアロマヨガから、ハードなヨガまでいろいろなレッスンがあった。とりあえず、コンプリートしようと順番に受けていった。
仕事が終わり、家族の夜ご飯を作ってから出かける。夜の21時から1時間レッスンを受ける。
室温が34℃から38℃くらいある室内では、お水をたっぷり飲みながら体を動かす。普段かかない汗が体中から吹き出し、デトックス効果が感じられた。寝つきの悪かった私も、夜はぐっすり眠れるようになった。
 
そのお店には、3人のインストラクターがいた。
皆感じがよく、丁寧に教えてくれる。
最初はこだわらずにレッスンを受けていたが、
気づけばその中の1人、Mインストラクターのレッスンばかり受けるようになっていた。
Mインストラクターのレッスンは、ハード系のレッスンが多かった。
有酸素運動を取り入れたエクササイズなので、かなりきつい。
くじけそうになることもあった。
そんな時、
「自分史上最大の自分を作るのはあなたです!」
「限界を決めるのは自分です。限界を超えた先に素晴らしい未来が待っています」
「きついのは効いてる証拠!」
「家に帰ってからやりますか? やりませんよね。今一緒に頑張りましょう!」
「皆さんだけではありません。私もきついです」
 
インストラクターは、マイクはつけているが、レッスンの間中、大声を出しながら、尚且つ見本を見せないといけない。相当な体力が必要だ。
 
Mインストラクターの声掛けは、私の心に強烈に響いた。
仕事でいやなことがあっても、身体を動かし、Mインストラクターのストレートな励ましで、ストレスも発散出来ていた。
 
「自分の未来は自分で作る! なりたい自分を想像して! どんどん自分が好きになる!」
「自分を自分で変えたら自信がつきます」
「今の自分が一番若い! 悔いのないように頑張って!!」
 
たった60分の時間だが、やり切った感はすごい。最後はみんな、拍手で終わる。感動で涙が出そうだ。
Mインストラクターはエンターティナーだった。きっと私みたいなファンも多いだろう。
 
ヨガは、黙々と自分と向き合い、自分と対話する。自分との戦いだ。頑張れば頑張るほど結果が出てくる。運動している時はきついが、終わった後の爽快感はハンパない。
私も筋肉がつき、脂肪も減り、腰のくびれが出来てきた。
身体も柔らかくなり、インナーマッスルも鍛えられた。
体調もすこぶる良い。冷えも改善傾向だ。
ゆっくり体を休めたいときは、リラックスするヨガを受け、呼吸を整え、瞑想にふける。
こんな風に毎日のように通い、自分を高めていく。
これが私の求めていた部活なのだ。中学や高校の部活とは種類が違う。
私は部活という言葉にこだわりすぎていた。
自分が夢中になれることを探していたのだ。
ようやく自分の心が納得する場所に落ち着いた。
 
『ホットヨガ』を初めて9カ月が過ぎた。
現在も楽しく通っている。
「これからも、ヨガが出来る健康な体と心に感謝して、ありがとう!」
と自分に言える日々が続くよう、人生を過ごしていきたい。
 
 
 
 
***
 
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2022-06-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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