もし私がプロのライターだったら
【8月開講/東京・福岡・全国通信対応】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《初回振替講座有》
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カランコロン。
最近できた今風のおしゃれカフェに、ある一人の女性が入ってきた。
「よろしくお願いします。」
と、彼女は明るい表情で男性のオーナーにあいさつし、彼女と男性はすぐにお客さん用の席で様々なことを話し始めた。
私は友人とデザートを食べていた。どうやら取材が始まったようである。そのような現場を見る機会は全くないので、気になってしまい、ついつい友人とのおしゃべりよりも、取材のほうに気を取られてしまった。
取材をはじめた彼女は中くらいのノートにメモを取りながら、オーナーの男性に質問をしていた。
「夫婦で運営されているなんて、素敵ですね~」
「奥さんとはいつ出会ったんですか?」
「店舗の内装はどのようなイメージを持って作られたのですか?」
など、すべて聞き取れるはずもなかったが、このようなたわいもない会話をたくさんしているようだった。
ほどなくすると、奥さんも加ってのインタビューが始まり、和気あいあいとした雰囲気だった。さらに、日替わりプレートのようなものを用意し、彼女はデジカメでバシャバシャと写真を撮り始めた。多くの商品が並ぶディスプレイ、カウンターなど、カメラ女子と呼ばれる人たちと同じように様々な場所やモノを夢中になって写真に収め、一通り終えたところで、この店の一押しサンドイッチを頬張り始めた。
「すごくおいしいです」
オーナーはその一言を聞くと、その商品のこだわりについて語り始めた。
それから15分ぐらいたっただろうか、彼女は店を後にしていた。
私は、なるほどこれが取材というものか、いかにも取材っぽい。彼女はその後、この店についてのあらゆる情報や魅力を自分の言葉で書いていくのだろう。それが彼女の仕事なのだ。
私は彼女の記事が気になった。しかし、その彼女の記事はどこで読むことができるのかわからない。しかし、あの取材から、彼女は何を感じ、どのような言葉で伝えていくのかが気になってしょうがないのである。なぜだろう。答えは一つだ。なぜなら私はプロのライターとして将来、人に夢や感動を届けたいと考えているからである。だから、プロのライターとしての仕事を果たす彼女が気になってしまうのである。今の自分の手に届かない場所にいる人のその成果を感じ取りたいからだ。
しかし、ふと考えてみた。
もし、私がプロのライターだったら、どのように取材をし、どのような記事を書くだろうか。想像するだけでワクワクする。そうだ、少し想像の世界に入ろう。
私だったらまずは、お客さんとしてその店に入る。オーナーと奥さんに取材者だと悟られないように、普通のお客として商品のおすすめを聞いたり、様々な種類の商品に悩んでみたり、そしてオーダーし、食べる。もちろん一人のお客として。
それが終わったら、サプライズだ!! 突然記者の自分へ早変わり。
「本日はよろしくお願いします!」
と、持ち前のはにかみ具合で挨拶をする。呆気にとられた二人の顔がありありと浮かぶ。だが、すぐに二人は笑い出し、取材をはじめようと切り出してくれるのだ。その後は、とにかく様々な話をするだろう。事前の下調べで気になったこと、ここにきて感じたことを質問する。相手が無邪気に話しはじめたら、どんどんそれを引き出し、耳を傾ける。それが自然な会話を楽しむようにできたら最高だ。写真を撮るのも、オーナーや奥さんにと試行錯誤しながら撮りたい。
帰り際には、
「驚かせてしまいすみませんでした。また来ます」
と言って丁寧にお辞儀をし、その場を後にする。
ここまでが私の取材妄想だ。記事はお客さん目線で書いていきたい。お客さんだったら、へぇ~と感心するだろうと思うこと、お客さんだったら、何て素敵!! と思えること。その内容を私の言葉で紡いでいく。決して、うまく書こうとせず、あの場所にいるような気持ちで書いていく。
そうやってプロのライターとしての仕事を果たしたいと思った。
私がなぜ、サプライズのような行動をとった取材の仕方をしたいと思ったのか。それには明確な理由がある。
実は、友人とこの店に来る時、私たちは迷っていたのだ。新しいカフェはこの店の近くにもう一軒ある。その店とこの店のどちらへ行こうか迷っていたのだ。どちらの店にも顔をのぞかせるようにして店舗内をのぞいた。値段も比較してみた。そして、たまたまこの店の前で、友人と二人、どっちにいこうか……と迷いに迷っていたのである。
すると、かわいらしい今風の女性が私たちに気づき、お店の扉を開けてくれた。
「どこかお探しですか?」
彼女は笑顔で私たちに話しかけた。
「はい、迷ってるんです」
正直にそういうと、メニュー表を持ってきて、おおまかなメニューの説明をしてくれた。そうすると、意外にお手ごろだ、そして何よりおいしそうだと思った。だが、まだあと一歩が出ない私たち。彼女は、
「見るだけ見ていきますか?」
と、扉を開け、手招きをした。
私たちはそれで、じゃあ入ってみようか、ということになり、ようやく店舗内へ入ったのである。説明を忘れていたが、私と友人はこれほどかというくらい優柔不断である。以前食事に行った時にも、30分はメニューとにらめっこをし、最後の最後まで決められないというありさまだったこともある。お互い優柔不断だからこの二人の会が成り立つともいえる。だから、当然店内へ入っても、たくさん並ぶ商品をみて、大いに迷った。友人と私は何度も商品についての質問をしたが、彼女は嫌な顔せずゆっくりと私たちの質問に答えてくれた。ようやくオーダーをすると、クマのような男性のオーナーが、あっさりとした心地いいエスコートで私たちを席まで誘導してくれて、私たちはこの店でランチを取ることになったのである。
お客さんとして来たら、食べる前にも多くの情報や雰囲気が分かってくる。二人はどんな人で、どんな対応をするのか、お店の雰囲気、商品のこと、なぜドアが網目のようなフィルターがついていて、開けっぱなしではないのか。聞かなくても、感じ取ることができるのだ。頭の中に一つの物語ができるように。
だから私は一人のお客として、このお店のものすべてと関わりたい。そう考えたのだ。
プロのライターというのは、ただ単に書くことだけがうまいのだろうか??
書くためには、そのためのネタが必要だ。そのネタをどのように仕入れるのか。それもまた、ライターの腕の磨きどころではないか。
取材の方法なんて、私はよく知らないが、書くために大切な考え方や技術、うんちくなどを天狼院書店のライティングゼミで学んできた。その時間はまさにワクワクドキドキの時間であった。そのおかげで、書くことの面白さを知り、もっと書きたいと思えるようになった。私は読む人をドキドキワクワクさせるような記事を書いて生きていきたいと。
そんな時に、何やら次のパワーアップしたライティングゼミプロが始まるらしい。しかも、そのゼミは、本気でプロを目指す人のためのゼミである。なんとしたことか!! ぜひ参加したい!! しかし、試験に合格しなければならないらしい。やはり、プロという道はそう甘くないのだ。誰もが参加できるわけではない。
だけど、ダメもとで受けてみよう。私はそう思う。
ダメでもともと。でも、書かなければ書けないように、受験しなければ、受かるものも受からない。
「もし私がプロのライターだったら」と想像してみたことでその決心がついた。
私は人に夢や感動を届けられる物書きをするため、今日も一日精進するのだ。
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
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