バナナ文書—元バナナ屋の告発
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記事:元バナナ屋Y(ライティング・ゼミ)
『バナナ屋』という商売があるのをご存知だろうか?
港や露天で、にぎやかな口上とともに、バナナの叩き売りをするあれではない。
スーパーのバナナ担当のことでもなければ、
ちょっと品揃えの偏った、くだもの屋でもない。
『バナナ屋』は、現在も日本全国に点在する組織的なビジネスだ。
バナナだけで成り立つそのビジネスの市場規模は、年間1000億円にものぼる。
しかし、『バナナ屋』が一般消費者の目にとまることは決してない。
巨大な影のビジネスが現代日本に存在するのだ。
本文書では、元バナナ屋の私が、
決して表に出ることのないバナナ業界の実態を匿名で告発したいと思う。
結論から言ってしまおう、
『バナナ屋』は、現代に生き残る忍者だ。
にわかには信じられないのも無理はない。
かつての忍者たちは、江戸時代の終わりとともに姿を消したと言われている。
明治政府によって近代的な警察や陸海軍が組織され、彼らはお役ごめんとなったのだ。
ある日突然、主君と職を奪われた忍者たちは、生計を立てるために警察などに転職したらしい—そうして、今では忍者の存在は過去のものだと思われている。
だがもう一度言おう、現代の日本にも忍者は存在する。
彼らは『バナナ屋』という仮の姿で世を忍び、今日も日本社会を生き延びている。
■『バナナ屋』とは何か
まずは、『バナナ屋』なる商売について簡単にご紹介しよう。
日本で売られているバナナは、ほぼ100%海外からの輸入品である。
しかし、日本についた時点でのバナナはまだ、
あなたがよく知っている、あの甘くて黄色いバナナではない。
バナナは日本についた時にはまだ、緑色で、かたくて、渋く、青臭い。
これを黄色く、甘くして全国に届けるのが『バナナ屋』の仕事である。
だが、不思議に思ったことはないだろうか?
なぜ、バナナだけが1年中、全く同じ顔をして、同じ価格でスーパーに並んでいるのか?
それも、同じ輸入フルーツであるマンゴーやパパイヤが高値で売られているなか、
バナナだけがなぜ、あれほど安価で供給できるのか?
その影にあるのが、大規模な秘密組織の暗躍である。
■『バナナ屋』は現代に生き残る忍者だ
海外のスーパーに並ぶバナナは、色づきもまちまちで、
甘みもじゅうぶんに引き出されていない。
裸のまま雑多に積みあげられている。
日本のバナナだけが、同じ色づき、同じサイズで同じ衣装をまとって、
整然と陳列棚に並んでいるのだ。
私も自分の身がかわいいので、残念ながら直接的な証拠はお見せできない。
だが、いくつか『ヒント』を置いてゆくことはできる。
ヒント① 存在を知られてはならない
何よりも一番の『ヒント』、
それが、今、この瞬間まであなたが『バナナ屋』たる商売を知らなかった、
その一点にある。
『バナナ屋』はその存在を一般人に知られてはならない。
なぜなら彼らは『忍ぶ者』だからだ。
『バナナ』という、ごくありふれたもの。
身近すぎて、意識したことのないもの。
そういうものの方が、姿を隠すのにもってこいなのである。
ヒント② 松尾芭蕉
俳人として有名な松尾芭蕉だが、
一説にはその正体は忍者だった、というのはご存知だろうか?
まず、芭蕉が生まれた伊賀国(現在の三重県伊賀市)は、伊賀流忍者の里として有名である。
もとは農家出身の芭蕉だが、当時の農民としては珍しく苗字や帯刀が許されていた。
また、各関所での取り締まりも厳しく、莫大な費用もかかるため、
庶民には旅行が許されなかった時代、
幾度もの旅行の費用や通行手形を、芭蕉はどうやって工面したのか?
かの有名な『奥の細道』の旅路にも不審な点がいくつかある。
旅程と当時の芭蕉の年齢を照らし合わせると、
とても一般人とは思えない移動距離をこなしていたこと。
旅の行程や滞在地にも不自然な点が多いこと。
そして、この旅に同行していた芭蕉の弟子は、後に幕府の隠密として活動していたという。
そんな松尾芭蕉だが、
実は、彼の名前『芭蕉』は『バナナ』の意味をもつ。
『バナナ』はバショウ科というものに分類され、日本語では『実芭蕉』というのだ。
忍者疑惑のあった松尾芭蕉が『バナナ』の名を持っていたこと、
これはただの偶然なのだろうか?
ヒント③ バナナと忍具の共通点
『バナナ屋』は現代に生き残る忍者たちの、世を忍ぶ仮の姿である。
実はバナナと忍具にはいくつかの類似点がある。
まだ信じられないという方のために、3枚の比較画像をご用意した。
最後のヒントは、実際にご自身の目で確かめて欲しい。
ある日突然、主君と職を奪われた忍者たち……
しかし、その術は代々受け継がれ、長年の修行をもって身につけたものである。
いわば、忍者であることは、単に食い扶持を稼ぐ手段ではなく、
彼らの生き様そのものだったのだろう。
そんな彼らが、忍具に似たバナナに懐かしさを感じ、
そこに新たな生き方を見出しても、なんら不思議ではない。
■『彼ら』の真の目論見
1年中安価で手に入り、持ち運びも便利で、腹もちも良い。
手軽に、ヘルシーにエネルギー補給ができ、乳児から老人にまで愛されるバナナは、
ダイエットに、朝食に、おやつにと、今や日本人の食生活に欠かすことはできない。
バナナの置いていないスーパーなんて、見たことがあるだろうか?
それどころか最近では、コンビニやドラッグストアにまでバナナが並んでいる。
『いつでも、どこでも、あって当たり前』
そしてこれこそが、忍者達の真の目論見なのである。
日本中の食卓へバナナを浸透させ、巨大なマーケットを築く。
そうして得た莫大な資金と、全国網のネットワークをもって、あなたのすぐ身近—スーパーの陳列棚の向こう側から、
『彼ら』は復権の機会を伺っているのだ。
■おわりに
『バナナ屋』は現代社会に生き残る忍者たちの、世を忍ぶ仮の姿である。
今回、彼らの実態について告発したことで、『彼ら』の陰謀を暴き、
怒りをかってしまえば、いくら匿名での告発とはいえ、
私もただでは済まされないだろう。
だが、私たちには知る権利がある。
突如歴史の舞台から消え去り、
さらに陽のあたらぬ、影の世界へと追いやられてしまった、彼らのドラマを知り
お互いを尊重しながら、共に生きてゆくためにはどうすれば良いのか?
それを考え、新しい未来を共につくってゆく責務がある。
そう感じて今回筆をとった次第である。
信じるか、信じないかは、もちろんあなた次第だ。
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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