メディアグランプリ

オリンピック選手は「羨ましい」を超えたところにいると思う


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記事:のんさ~ん!(ライティングゼミ)

私は最近、誰かを羨ましいと思ってばっかりだ。学生最後の夏休み、悔いの残らないくらい楽しいことを、やりたいことをやって、遊びほうけて充実した日々を送ればいいだけのことなのに、どうしてなのか、うまくいかない。そんな日々の中、SNSに流れる様々な友人たちがどこへ行った、誰と遊んだ、という写真付きの投稿を見て、ただただ羨ましいと思ってしまう。思うだけである。

羨ましいと思うなら、遊べばいい、買い物すればいい、行動すればいい、ただそれだけのことなのだが、私は自分で今の羨ましがる生活を望んでいるのかもしれない。自分の好きなことで働くための今の生活だけでも十分幸せなことなのはわかっているのだが、もちろん遊びたいという気持ちもある。それでも今、楽しく遊びほうけるよりも、今自分の目指すべきものへ力を費やすことの方が、もっともっと大切で、自分にとって嬉しいものがあると思うからだ。

このことに気づくことのできたエピソードがある。それが、水野敬也著「夢をかなえるゾウ」における登場人物、ガネーシャの友人である幸子さんからの課題だ。私は今、この本の課題を卒業論文の研究の一環として実践しているのだが、その中の課題の一つに「楽しみを後に取っておく訓練をする」というものがあった。よって、私は衝動的に食べたいと思うおやつを、家事などのしなければならないことの後に食べることにしたり、楽しみながら節約生活ができないか工夫したりした。幸子さんはこの課題についてこう言っている。

目の前の誘惑を我慢できない人というのは、「楽しみは後に取っておいた方がより大きくなる」という経験をしたことがないのでしょう。
たとえば、お金を使わずに貯金できる人は、我慢強いというよりはむしろ、通帳にお金がたまっていくのをみたり、そのお金で買えるものを想像する楽しさを知っている人なんだと思います。
結局、人は楽しいことしか続けることができませんから。

(引用:水野敬也著「夢をかなえるゾウ」より)

 思えば私は、この楽しみを後に取っておくということが大の苦手だ。ショートケーキの上にのっかっているイチゴは一番最初に食べてしまう。何かしなければならないことがあると、このチョコレートを食べてから、頑張ろう。この漫画を読んでから、次の行動に移ろう。というふうに、最初に自分へのモチベーションをあげるためのご褒美を与えてしまうのだ。その結果、うまくいくこともあるが、たいていの場合、先に満足するものを自分に与えてしまったがために、やらなければならないことへの面倒くささが倍増してしまい、やるべきこと、やりたいことの中に含まれる努力しなければならないことに手がつかなくなるのだ。

 なるほど、私が周囲の人の娯楽が羨ましく思え、時には誘惑に負けてしまうことにもうなづける。私は、楽しみを後に取っておくことでより大きな成功体験や達成感を味わいたいという思いと、目の前にある誘惑との間で葛藤し、その結果が「羨ましさ」という感情になって表に出てきたのであろう。

 そんな中、この課題を実践し、あることに気が付いた。

柔道90キロ級で金メダルを獲得したベイカー茉秋選手がでていたバラエティー番組を見た時のことだ。彼は私と同年代。一般的には、まさに遊び盛りの大学生である。一日のスケジュール紹介のコーナーで、司会から、
毎日練習で、遊びたくならないんですか? 友人とどこかドライブへ出かけたり、しないんですか?」
と、しつこいくらいなんども聞かれていた。おそらく司会者は茉秋選手に、
「遊びたいですね~」
と言ってもらい、
「でも、それだけ練習に励んでいるということですよね」
という本音を言わせてからの会話を無意識のうちに期待していたのかもしれない。

しかし、茉秋選手は依然として

「いえ、それよりも、オリンピックがどれほど素晴らしいものか知っているので」
「オリンピックの金メダルほど、嬉しいものはないと思うので」

だから、娯楽よりも、毎日のハードな練習を選ぶと言いきるのである。

私は彼のその姿を見て、どこにも周囲に対する「羨ましさ」というのが感じられなかった。強い意志で、自分はオリンピックの金メダルを取ったあの瞬間が、何にも替えられないほどの幸せを感じる。だから4年という時間を柔道に費やすことができる。楽しいことばかりではない練習に費やすことができる。彼の芯の強さがその言葉だけで感じられたのである。

だから、オリンピック選手は「羨ましい」という世界をとうに超えてその先の世界にいるのだと思う。
ある時には、レスリングの吉田沙保里選手と登坂絵莉選手がカラオケに行っている取材番組を見た。気晴らしも必要だということで行ったのだろうが、おそらくその後に生じてくる彼女たちの気持ちを推測すると、楽しかったという余韻ではなく、「焦り」だと思うのだ。
娯楽が悪いとか良いとかは関係なく、限られた時間を別のことに費やし、墓の誰かが同じ目標に向かい頑張っている時間を息抜きの時間として費やしたことへの焦りが少なからず生まれてくるのだはないかと思うのだ。これも「羨ましい」という世界を超えたからこその感情だと思う。

周囲の誘惑を「羨ましい」と思わなくなるくらい、目指すものに熱中している。
 だからこそ、オリンピックで活躍できる、そう感じた。

私も今めざしている未来の自分がある。そのためにはオリンピック選手の「羨ましさ」を超えた世界へ向かわざるをえず、そこへ向かう途中地点だと実感している。何も、その世界がどん底で、地獄のような世界だとは思わない。オリンピック選手のドキュメンタリーを見るたびに、その世界にはその世界なりの楽しみ方があるように思える。

まさに、楽しみを後に取っておき、それを大きく大きく育てたオリンピック選手が見る「羨ましさ」を超えた世界というのはどんなものだろう。

「羨ましさ」の先にあるのはどんな世界だろう。

私は知りたい。
その世界を知るために今日も一日頑張ろうと思うのだ。

***
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2016-09-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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