メディアグランプリ

小さな凸凹コンビが教えてくれた大切なこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:小田恵理香(ライティング・ゼミ4月受講)
 
 
「自分にとっての価値観について説明してください」
 
と聞かれても私はうまく説明することが出来なかった。
定義的には
“どんなことに価値を見出すかという人の感じ方や思想”
“人によって様々で何に重きを置くかによって捉え方は変わる”
とされている。
自分の言葉ではうまく言えない。
だが小さな凸凹コンビは教えてくれた。
 
私は毎朝、保育園に息子を預けに行く。
昨日の様子や朝の状態などを伝え、荷物を保育士さんに託す。
そうこうしているうちに、とある親子がやってきた。
 
「きゃーっ!」
 
息子は親子を見るなり、喜びの声を上げた。
それに呼応するかのようにやってきた子供も、
 
「きゃっはーっ!」
 
と興奮気味。
まだ言語をうまく話すことができない乳児二人が、彼らなりの言葉で喜び合う。
そして二人で喜び合いながら仲良く保育室へ入っていった。
 
「この二人は本当に仲良しですね」
「タイプが真逆なのに本当に不思議」
「何か通じるものがあるんでしょうね」
 
親たちも保育士さんたちも、この二人が真逆なことは理解している。
私の息子はどちらかと言うと、新しい場所に行くと緊張してしまうタイプ。
公園では隅で砂遊びをすることが多く、日中もどちらかというと絵本をめくって過ごすことが多い。
誰しもが“穏やかな子”と言うタイプだ。
対して、親友のその子は“はつらつとした子”だ。
公園に行くと端から端まで走り回り、新しい場所でも物怖じしない。
いつも元気に走り回って遊ぶことが多いそうだ。
一見すると真逆のタイプ。
いわゆる凸凹コンビだ。
この二人はなぜ惹かれあったのだろうか。
 
だがこれは子供に限ったことではない。
兄弟でも、夫婦でも、探偵と助手なんかでもこの凸凹コンビは存在する。
スーパーマリオブラザーズのマリオとルイージ。
トイストーリーのウッディとバズ。
チップとデール。
ドラえもんのジャイアンとスネ夫。
トムとジェリー。
 
思い浮かべるとキリがない。
一見すると性格や容姿が真反対に見える凸凹コンビ。
それ故、衝突することもある。
だがここぞという時はお互いに助け合い、とんでもない力を発揮する。
それが凸凹コンビの醍醐味なのだろう。
ただ全てがうまくいっているわけではない。
凸凹していなくても、“価値観”や“方向性”の違いで解散したり絶縁したりするコンビもいる。
うまく行っているコンビとそうでないコンビは何が違うのだろうか?
 
ふと保育士さんからの話を思い出した。
傍から見ても仲良しな息子たち凸凹コンビ、実は四六時中べったりしているというわけではないらしい。
息子が本を読んでいる時や何かに夢中になっている時、その子は無理矢理引きはがして一緒に遊ぼうとしたりはしないそうだ。
逆もしかりで、その子が他の遊びに夢中になっているところに私の息子は無理やり入って行こうとしない。
驚くことに、小さいながらにもお互いの大切にしたいことは自然と侵さないようにし合っているのだ。
 
ここで大切にしたいことを無理やりにでも従わせようとすると衝突が起こるのだろう。
そのダメージはボタンの掛け違い程度で済む人もいれば、この世の終わりと捉える人もいる。
人対人であれば喧嘩で済むのかもしれない。
だがこれが大きくなると喧嘩で済まなくなり、民族単位、国単位となってくるとテロや戦争と言った目を覆いたくなるような出来事に繋がっていくのだろう。
 
ライティングゼミの最初の授業で言っていたこと。
文章を書くうえで伸ばしやすい部分と伸ばしにくい部分がある。
伸ばしにくい部分はその人の人柄、感受性、価値観などいわゆる個性の部分。
個性は人と違うからこそ良いのであって、自分の個性は大切にしましょうと言っていた。
皆が皆同じ考えや同じ価値観だとどうなっていたのだろうか。
おそらく、文豪と言われる方々の著名な作品たちは生まれていなかっただろう。
名画と言われる芸術作品もない、音楽もない、マンガもない、何の変哲もない世界になっていたのではないだろうか。
数多の考え、価値観、個性があるからこそ、それが化学反応を起こしてたくさんのものを生み出しているのだ。
 
今日も保育園に息子を迎えに行く。
身支度をしていると、仲良しの相方と一緒になった。
相変わらず小さな凸凹コンビは、楽しそうに言葉になっていない言語で盛り上がっていた。
 
4月から受講しはじめたライティングゼミ。
2000字書くというお題に対して、私はたくさんの価値観に触れ合った。
人によって変わる視点、解釈、発想。
たくさんの価値観に触れ合えたことは私にとって大きな刺激だった。
 
“人生を変えるライティングゼミ”
 
最初は最後まで読んでもらえる文章を書くのが目的だった。
おそらく参加者のほとんどがそうだろう。
確かに3か月前の自分に比べると、サクサクと文章を書けるようになった。
文章を書く能力は確実に伸びたと思う。
それもあったが、記事を通じてたくさんの“価値観”に触れること。
ここに触れることで新たな化学反応を生み出す。
これがライティングゼミの真髄だったのではないかと今になって思う。
 
価値観はその人が育ってきた環境や人生経験そのもの。
兄弟であっても家族であっても、万人が全く同じ人生経験を得ているわけではない。
人によって価値観は違う。
違っているからこそ面白いのだ。
小さな凸凹コンビは、“価値観”というライティングゼミの真髄を私に教えてくれたのだった。

 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2022-08-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事