メディアグランプリ

リーディング・グランプリは、罪深い戦いなのだろうか。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:松下広美(ライティング・ゼミNEO)
 
 
週間のチャンピオンは、軽く1万円を超える。
多いときは2万円。最高額は3万円を超える。
ひと月だと、5万円以上。
3ヶ月で15万円を超えることになる。
 
地方なら結構広い部屋が借りられる金額だろうし、サラリーマンのお小遣いにしては多い。
4人家族の食費にだってなる金額だろう。
 
毎週のように計算をしていて、合計額を出すと驚く。
驚きながらも、毎週楽しみにしている私がいる。
 
これは、天狼院書店の「リーディング・グランプリ」という、週間で読書量を競っているグランプリでの話だ。
 
読書量なんだから、本の冊数とかじゃないんですか?
と、思われるかもしれない。
ただ、読んだか読まないか、なかなか比較するには難しい。
漫画や雑誌でも1冊だし、長編小説のハードカバーだって1冊だ。
それを比べるのは……と思い、考え出されたのが、本の購入金額だった。
 
「本を買う人は本を読む人だ」
という、活字中毒者である天狼院書店の店主である三浦が導き出した計算だった。
 
本を買うっていっても、毎週そんなに買うのだろうか? と、当初は思った。
ただ、私と比較しても仕方ないので、とりあえず走り出した。
 
誰もが、三浦がひとり勝ちするんだろう、と思った「リーディング・グランプリ」なのだが、蓋を開けてみると、法則を導き出した三浦でさえ驚く結果が待っていた。
 
初戦から第3戦あたりまでは、上位3名の接戦だった。その3名に三浦が入っていた。
え、そんなに買ってるんですか? と集計している私は、毎週、いや、レシートと本が投稿される度に驚いていた。
三浦は、もしかして自分がみんなに発破をかけて金額を釣り上げてしまっているのでは? と思い、途中で退いた(と言っていたが、真相はわからない)。
ただ、三浦が参戦しなくても、上位者は変わらなかった。
毎週のように、1万、2万、そして3万と金額を積み重ねていく。
12週経ち、シーズンの区切りがつく。
結果、1位が、251,408円だった。
12週、3ヶ月弱の本の購入金額である。
 
誰もが驚く金額だった。
 
そして、2つ目のシーズン。
まあ、最初のシーズンだけだろうと正直なところ思っていた。
最初ね、始まったばかりだし、とりあえず本を買っておこうと思っているんじゃないかと。
 
そんなことを思っていたことを、本当に謝りたい……。
 
2シーズン目も、勢いは落ちなかった。
25万まではいかなかったものの、上位の人は、ずっと、毎週、本を買い続けているのだ。
 
上位だけではなく、どんどん参戦者も増えていた。
今回から参加します! と、本とレシートを投稿してくださる。
 
計算しているスプレッドシートに行が増えていく。
 
そして迎えた3シーズン目。
新たに強力な、参戦者が加わる。
 
2シーズン目までは、上位2名が、ゆったりとそれでも速度を落とさずに走っているようだった。このスピードで走っていれば、上位は守れるわね、というイメージだ。
ただ、この3シーズン目の参戦者は違う。
アクセルをベタ踏みしているかのような勢いだった。
毎週着実に、しかも猛スピードで走り去っていく。
終盤は、誰もが抜けない、ぶっちぎりの走りを見せてくださった。
 
結果は、156,907円。
1シーズン目の金額には届かなかったものの、2位以下を5万円以上の差をつけての1位だった。
 
最初は金額しか見ていなかった。
本の金額を足すことだけを考えて、投稿を見ていた。
 
ただ、3シーズン目を迎えて、買っている本のタイトルをしっかり見るようになっていた。
みなさまが買っている本は、ほぼ被らない。
もちろん、天狼院書店の「課題本読書会」や「プラクティス・リーディング・プロジェクト」の課題本になっていると、みなさんが購入をしていたりする。
ただ、小説、ビジネス本、専門書、雑誌、漫画……と、ジャンルも多いが、新作ばかりを買っているわけでもないし、共通点もない。
共通点があるとすれば、本が好きだということだろう。
 
最近は、どのような状況で買ったのかというのを投稿してくださる人もいる。
 
「駐車場代を安くしようと思って本屋に寄ったら、駐車場代より高くなりました」
「旅行先で買ってしまいました」
「目当ての本があったはずなのに、なぜこんなに買っているのでしょう?」
 
 
そして、思う。
 
「本を買う人は本を読む人だ」
 
という三浦の法則は、間違っていない。
こんなに本を買っている人が、ただ本を買っているだけのはずがない。
しっかり読んで、次の新たな本との出合いを探している。
 
 
現在、「リーディング・グランプリ」は、4シーズン目の折り返しである。
リーディング・グランプリの参加資格は、天狼院読書クラブの会員であることだけ。
 
現在、1位は12万を超えている。
たぶん、3シーズン目の金額は超えてきそうな勢いである。
更に上位だけではなく、下位の争いも熾烈なものになっている。
 
15人の参戦者がいるが、途中参戦をする方もいらっしゃるだろう。
10位以内に入るのは、まだ難しくはないと思う。
 
「リーディング・グランプリのおかげで、本を買う罪悪感がなくなりました」
という声をいただいたことがある。
 
ただ、本の購入金額を教えていただいているだけで、お金の計算をしているだけなのに感謝をされる。
 
本をたくさん買う人は、いい人ばかりである。

 
 
 
 
***
 
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2022-08-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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