ノンバーバルコミュニケーション
【10月開講/東京・福岡・全国通信対応】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《初回振替講座有》
→【東京・福岡・全国通信対応】《平日コース》
小学生の時はジャージだった。周りがみんなジャージだったのでそれに合わせたのだ。僕は2年生の時に引っ越ししてきたのだが、その時までは普通の格好をしていた。だから、自分だけが違う格好をしていると何だか浮いている気がして、居心地が悪かったのだろう。ジャージを着て、はじめてクラスの仲間になれた気がした。ちなみに女子には、このルールは適用されていなかった。ジャージは小学二年生から六年生まで、結局、卒業するまで愛用した。
中学生の時になると、これまた不思議な伝統があり、放課後は学校指定の体育着を着なくてはいけない、という暗黙のルールがあった。小学生の時から、体育着姿の中学生を見ていたので、自分たちも入学したらあの格好をしなければいけないのだと思い込んでいた。どうも、他の学校も体育着姿でいる事が多かったので、地域レベルで行われていたルールだったのだと思う。これに関しては女子も適用されていたので、中学校の三年間はファッションを楽しめなかったかもしれない。
そんな子供時代を過ごしてきたので、ファッションというものと全く縁のない生活をしてきた。その状態のまま高校生になったので、最初に困ったのはプライベートでの服装だ。ジーパンは一本もなく、ワイシャツすら一枚もない状態だったので、全部買う事になった。だが、どうしたら良いかわからず、高校生三年間は母親を頼りにコーディネートしてもらっていた。そこでやっと、世間一般的にいう「普通の格好」になった。とても遅いデビューだった。
高校を卒業して実家を出たので、それ以降は自分でコーディネートする事になったのだが、基本的にはそれまでの格好を踏襲する事になった。だが、根本的にファッションに興味がなかったので「着れれば何でも良い」、という感じになり、とにかく安い服を購入していた。近所のスーパーにある衣料コーナーで調達していたが、それさえも必要に迫られなければ行かない、という具合でとにかく着る服は少なかった。無駄がないと言えば聞こえはいいが、それしか着る服がないというのはあまりにも選択肢がなさ過ぎる。
しばらくそんな状況が続いたが、20歳後半に転機が訪れる。ひょんな事から同じ職場になった女性と付き合う事になった。いま考えると、よくこんなファッションセンスの欠片もない男と付き合ってくれたものだと思うが、当時は当時で焦りを感じていた。間違いなくこのままではマズイと思い、自分なりに考えて服を選び始めた。横に居て一緒に歩きたくないと思われない服装が必要だと思い、慣れないアパレル系のお店にも出入りするようになった。その甲斐あって、付き合い始めた頃より多少はマシになったのではないかと思う。そこで、意識の改革を図ることが出来たが、やはり自己流の域は出ていなかった。
さらなる転機が訪れたのは、二回目の離婚をした後だった。さすがに条件が悪いので、このままでは結婚は難しいだろうと判断して婚活を始めた。そして、最初に行ったのは、市が主催した婚活パーティーだった。これまで婚活をした事もなければパーティーに参加した事もなったので、興味本意もあった。その時に事前準備として、ファッションセミナーの案内が来た。せっかくだからと思い、それも参加する事にしたのだが、驚いたのはセミナーに参加した男性は僕1人だったことだ。婚活している人は、そんなに自分のファッションに自信があるんだ、と思ったものである。だが、そこで知り合ったセミナーの講師との縁が、その後の僕のファッションの考え方に影響を及ぼす事になる。
市が主催した婚活パーティーでは結局、相手は見つからなかったので、結婚相談所の門を叩くことにした。そこでも相手を見つけるためのファッションの重要性を説かれたが、このままではダメだと強く感じた。その時、偶然にも以前受けたファッションセミナーの講師の人から、今度は自分が主催のセミナーを開くという案内が来た。渡りに船と思い参加する事にしたが、そこでさらに個人的なコーディネートをしてくれるサービスがある事を知った。
内容としては、自分に合った色、柄、服の生地等の診断と、その結果に基づいて買い物まで付き合ってくれるというものだった。これは一度、きちんとプロにコーディネートしてもらった方が良いと判断して、申し込んだ。結果、そのセミナーではビフォーアフターに使われるほど激変した。それを見たセミナー受講者の感想は「ホテルの支配人みたい」だった。一応、褒められたものと思っている。
それで婚活はどうなったかというと、この記事を書いている段階では、お見合いを経て、交際の段階に入っている。効果はあったようだ。
これまでの自分のファッションを振り返ってみた時に、周りから影響を受けたり、自分の置かれている環境で変わってきたと思う。それはつまり、ファッションとは、言葉を使わないコミュニケーション「ノンバーバルコミュニケーション」なのではないかと思った。「人は見た目が9割」という言葉があるが、人は初見でかなりの部分を判断していると思う。
外見じゃないよ中身だよ、という声が聞こえてきそうだが、中身まで到達しなかったら意味がない。挨拶よりもさらに前の段階である見た目を良くする事は、コミュニケーションを円滑にする事だろう。なにも、高い服を着ろと言っているのではない。自分のサイズにあった服を選ぶ事と、清潔感を身にまとう事で、驚くほど印象が変わると思う。ここまで色々書いたが、それでも強く思う事がある。
「ジャージが一番楽だった」
***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。
【10月開講/東京・福岡・全国通信対応】人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜《初回振替講座有》
→【東京・福岡・全国通信対応】《平日コース》
【天狼院書店へのお問い合わせ】
TEL:03-6914-3618
【天狼院公式Facebookページ】 天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。
【天狼院のメルマガのご登録はこちらから】
【有料メルマガのご登録はこちらから】