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【必勝法】就活負け組だった私が面接官になって初めて気づいた鉄のオキテ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:永尾 文(ライティング・ゼミ)

 

最近、面接官、はじめました。

 

とはいっても、私は元々人事の人間ではありません。普段は人と話すより数字と仲良くしている時間の方が長い、一介の経理事務です。

新卒から3年勤めている会社は地場の中小企業です。世間の小さな会社の多くがそうであるように、弊社も慢性的な人手不足に悩まされています。そのため、このたび人員補充のための中途採用を行うことになりまして、現場で働く事務職の意見を取り入れたいという社の方針で、なんと面接官に抜擢されてしまいました。

しかしながら、私には面接官という職務を全うできる自信がまっっっっったく、ありませんでした。

なぜなら、私自身、就活にかなり苦労した口だったからです。

 

出版社を目指していた大学3年から4年生にかけて1年、内定なし。

志望業界を広く見てもう1年、内定なし。

なりふり構わず飛び回った最後の1年、やっぱり内定なし。

受けた企業は50社を超えた辺りで数えるのをやめました。

リーマンショックの煽りを完璧に食らっていたとはいえ、自慢して回りたいくらい、悲惨な戦績です。

私が就職できたのは、もはやラッキーだったとしか言えません。誰も目を留めない学内掲示板の片隅にひっそりと貼られた求人票を見て連絡をしたところ、ちょうど欠員が出たタイミングだったため内定となりました。

3年間の就活とは何だったのか、と拍子抜けしてしまうくらい、あっけないラストでした。

 

とにかく、面接が苦手なんです。

自分で言うのも何ですが、話すのは得意な方だと思って生きてきました。友人も多いと思うし、中学高校と生徒会役員を務めてきて人前でスピーチをするのにも慣れています。ただ、面接だけができない。キャリア相談や模擬面接を何度も受けてみましたが、一向にうまくならないまま就職しました。

圧迫面接で面接官と喧嘩するわ、社長や重役とも喧嘩するわ、場を盛り上げようとして自虐ネタに走るわ、面接になると頭に血が上ってしまって自分でも悪手を選んでしまうんです。

「趣味は面接を受けること、特技は面接に落ちることです!」

なんて、寒いギャグを飛ばしまくっていた私が、面接官ですか!? ほんとに私でいいんですか!!

 

社の采配に疑問を覚えながら、嫌々始めた面接官。

長らく身を置いていた「応募者」から一転、「面接官」になったことで私はいかにこれまでの自分がだめだったか、痛感させられています。

そして、気づいてしまったのです。就活必勝法ともいうべき、鉄のオキテに……。

以下、具体的な事例を挙げて紹介します。

 

1.自己アピールしようとしてはいけない

面接官の私「あなたの長所・短所はどういったところですか?」

就活生の私「努力家なところです。コミュニケーション力も高く、周りからは明るい性格だと言われていて、約束事はかならず守る誠実なところもあります。短所は融通がきかないところですが、そういうところも真面目さの裏返しだと思っています」

面接官の私(うわ、こいつ、自分を高めに見せようとしてんな……)

はい、私、面接で自分を高めに見せようとしてきました。しかし、中身が伴っていないのに口だけ大きい就活生でした。そういう姿勢は面接官に絶対ばれますし、かなり鼻につきます。

小さな、ごくありふれた長所でいいのです。

アピールしようとせず、ありのままの自分を素直に伝えましょう。

 

2.あざとく見られたら負け

面接官の私「弊社の志望度はどの程度ですか?」

就活生の私「もちろん、1位です! 志望度100%です! 御社以上の会社はありません! 御社に落ちたら行くところがありません!」

面接官の私(そこまで言われると、さすがにちょっと引くわ……)

はい、内定が欲しいあまり、過度に入社意欲の高さをアピールしていました。私のそういうところは、さぞかしあざとく見えていただろうと思います。面接後のフォローメールもかなり長文を送り、すかさず御社アゲをしていました。

熱意を伝えたいならなおさら、シンプルを心がけましょう。

 

3.空気を重くしない

面接官の私「これまでに苦労をした経験はありますか?」

就活生の私「はい。学費や生活費を稼ぐために1日10時間深夜のアルバイトをして、それでも生活は楽にならず……」

面接官の私(反応しづらいわ……)

面接で「頑張ったこと」、「苦労したこと」、「挫折経験」を聞かれることは多いと思います。この質問で重すぎる空気を作ってしまってはいけません。

ここでただの苦労話に終始してしまうのは面接官が一番がっかりするパターンです。なぜなら、この質問を投げかけた面接官はあなたの長所を引き出すためにアシストしてくれているからです。せっかくのアシストをスルーされた面接官は「なんだよ! シュート決めろよ!」と言いたくもなるでしょう。

面接官はその経験を経てあなたがどう変わったか、現在の姿を知りたいのです。エピソードのドラマ性なんて必要ありません。

 

いかがでしたでしょうか?

今思うと、肩に力の入りすぎた就活生にありがちな失敗例だと思います。

 

しかし、ひとつだけ私の面接にもよかったところがありました。

それは、意図せず「アッパー系変人」を貫き通したところ。

タイミング的にほぼ内定が決まっていたとはいえ、弊社の入社時も形式的な面接はありました。社長・取締役・人事部長の三対一の面接で、開口一番、社長が言い放った衝撃的な台詞は

「君、写真うつりいいね」

でした。目が点になりました。いやー、どんな美人さんが来るかと思ったんだよー、と呑気に笑う社長に思わず、

「って、実物はどうなんですか、実物は!」

と、ツッコミ。この面接だけは無難に、『毒にも薬にもならない』普通のいい子でいようと思っていたのに、黙っていられなかったのです。

社長も面接でまさかツッコミが返ってくると思わなかったのか、びっくりした様子でした。

「え? あ、明るくていい子だと思う……?」

「今、濁しましたね!?」

すかさず、再びツッコミ。社長を含む面接官3人と私は同時に吹き出し、大爆笑しました。社長の発言の是非についてはかなり物議をかもすこともありますが、やっとこの面接で私は高飛車でない、ありのままの自分を出せたのだと感謝しているくらいです。入社後、面接を終えた社長は「あの子はホームランだ」と語っていたと先輩から聞きました。

場をわきまえず社長にも重役にも喧嘩になるほど噛みついてしまう我の強さは、どう考えても私の弱みでした。ホームランどころか、ヒットも飛ばせないほどの。

しかし面接官になってみて反省点を振り返ると共に、その弱みがあったからありのままの自分で入社し、ありのままの自分で働くことができているのだと思います。

空気も読めず、見栄っ張りで、多弁。けれど、率直な意見を述べること、即座に場を盛り上げること、人を笑わせることはできる。面接官に抜擢してくださったのも、場を盛り上げ面接を受けに来た方の緊張をほぐし、人事には応募者の印象を率直に伝える役割を与えられたということなのでしょう。

 

面接官を務めてみて、面接が苦手な就活生の多くは、自分の良さを正しく理解していないのだと感じました。自信がなくて、自分以外の何者かになろうとしているからこそ、過剰にアピールするし、あざとくもなるし、苦労話を盛ってしまうのだと思います。かつての私がそうであったように。

優秀じゃなくてもいいんです。

別に、コミュ力だって高くなくていい。

”ありのままの自分を見せる勇気を持つこと”これが面接官になった私がたどり着いた一番の就活必勝法、鉄のオキテです。

どうか、参考にしてください。これを読んでいる就活生の皆様の、今後一層のご活躍をマジで! ガチで!! 心の底から!!! お祈りしております。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-09-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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