メディアグランプリ

僕が子どもから教わったこと


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記事:スピードウェイ(ライティング・ゼミ)

 

僕が毎日楽しみにしていることがある。

それは仕事から帰って3歳の子と一緒に過ごすことだ。

8時過ぎには子どもを寝かせることにしているので、少しの時間しかないけれど、1日の終わりに子どもから話しを聞くのをとても楽しみにしている。

早く家に帰れた日は、子どもを寝かしつけるのが僕の役目なので、好きな絵本を2冊選んで寝室に行き、絵本の読み聞かせをしてから一緒に寝る。少し前までは寝ることをすごく嫌がっていたけれど、幼稚園へ通うようになってからは、疲れているのかすぐに眠るようになった。

僕は寝かしつけながら、ぼんやりとしている時間がとても好きだ。時間が穏やかに流れているように感じるし、もの思いにふけることができる。

 

大抵の男の子と同じように、うちの子ももれなく電車が大好きだ。

だから休日は二人で電車を見に出かける。

僕が「新幹線、見に行く?」と尋ねると、「見たい見たい」と言って飛び跳ねて喜んでいる。

僕は新幹線なんて全く興味がなかったけれど、おかげですごく詳しくなった。

初めてかがやきを見た時は、まるで子どものようにはしゃいでしまった。

電車に乗るわけではないから、入場券を購入して新幹線のホームに入る。そこでひたすら新幹線を眺める。そしてホームのベンチに座っておにぎりを食べる。新幹線を見ながらおにぎりを食べるのって、なんだか不思議な感じがする。

ベンチにちょこんと座っている子どもにジュースを飲ませていると、「はやぶさがきたー。はやぶさとこまちがガッチャンしてるー」と感激の声を上げている。無邪気にはしゃいでいる姿を見ていると、僕もつい微笑んでしまう。

ただ電車を眺めているだけだけれど、僕は二人で過ごすこの時間がとても気に入っている。

何本かの新幹線を見ることができたので満足したのか、家に帰りたいと言うので、せっかく駅まで来たので、お土産に電車のおもちゃを買って帰ることにする。おもちゃの箱を渡すと、本当に嬉しそうな顔をするので、僕も嬉しい。すぐに箱から出すのかと思いきや大切そうに箱を抱えて、「帰ったらこれで遊ぼうねー」と言って目を輝かせている。僕も「そうだね。一緒に遊ぼうね」と言って、抱っこをして家路につく。

 

実は二人でお出かけをする時は、いつも抱っこやおんぶをしている。

子どもが気づいていない時はそのまま歩かせているのだが、少しするとハッと気がつき、「パパだっこー」とお願いされるので、その時はすぐに抱っこをすることにしている。

体重は10キロを超えてかなり重くなってきたけれど、成長したのだと思うと喜ばしくもある。

抱っこされたまま寝てしまった時は、そのまま喫茶店で休憩させてもらう。両手が塞がっているから何かと不自由だけれど、子どもの寝顔を見ながらコーラを飲むのもなかなかいいものだ。

 

子どもが寝ている時はとても静かで平和だけれど、それは嵐の前の静けさに過ぎない。

特に寝起きは機嫌が悪いし、何をするのも全部嫌だとなってしまう時もある。

僕も最初は根気強く諭すけれど、全く僕の話しを聞いてくれないので、いい加減にして欲しいと少しイライラしてしまう。そんな時は、僕が子どもの側からそっと離れることにしている。

僕がいなくなると、小さな目に涙をいっぱい溜めて、「パパどこいったのー」と泣き叫んでいる。僕は怒っているので、すぐには戻らないのだが、ずっと泣き続けているので、さすがにだんだん気の毒になってくる。

だからそっと抱きしめて、頭を優しくなでながら「大丈夫、大丈夫」と声をかける。悲しい思いをさせてしまったのだと後悔する。眠くてぐずっていただけなのだ。

 

子どもは、笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら、毎日一生懸命に生きている。夢中になって常に何かをして動きまわるので、僕は子どもから目を離すことができないくらいだ。

起きている時はいたずらをしたり、遊んだりして、全力で活動し、その後はエネルギーが切れたように眠り続けている。

僕は子どものそんな姿を見ていると、羨ましく思えてくるのだ。

僕はいつからか全力を出さなくなってしまった。やりたくない仕事に追われて、ただやり過ごそうとしているのだ。

当然、逃げてばかりの人生は苦しい。

 

今、この瞬間に生きる大切さ、成長する素晴らしさを、僕は子どもから教わった。

 

僕だって、何かに夢中になって過ごして、まだまだ成長していきたい。

僕だって、1日1日を充実させて、もっともっと人生を楽しみたい。

 

まだ間に合うだろうか。

人生を折り返しただけじゃないか。

 

どんどん成長していく子どもを目の当たりにして、嬉しくもあり、何故だか切ない気持ちにもなる。

子どもは凄いスピードで成長していくのだ。

僕も夢に向かって一歩ずつ階段を上っていくことにしよう。進まなければ、絶対にたどり着かないのだから。

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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、店主三浦のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

 

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2016-09-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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