レズビアンの気持ちがちょっとだけわかったような……、リアルな中国マッサージ事情に潜入してみた
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記事:辰巳葉子(ライティング・ゼミ)
ボス「Ms.Tatsumi, 午後はマッサージ予約したよ」
わたし「はい、……ってわたしもー?」
ご機嫌なボスのスマイルに戸惑う土曜日の午後。
英語の苦手なわたしは聞き取れなかった単語も、まぁいいか……で済ませた。
あまり太陽が出てこないはずの中国蘇州に出張の土曜日、今日は気分よく晴れてるし、そよ風も吹いてる。2週間におよぶビジネス合宿も、土曜の午後と日曜日はフリータイムのはずだった。
「ボスもお疲れさまだし、まぁ、マッサージくらい、いってらっしゃーい♪」
だったけど、よく聞くと一緒に予約してくれたらしい。
「ボディケアコース180分」 って、3時間じゃん?!……ありがとうございます。お供しちゃいます。
*****
自己紹介をしておくと、わたし整体師です。
1日60分コースを10人は施術できるくらい体力も経験もあります。
世間ではアロマトリートメントといわれるオイルマッサージも、300時間以上のトレーニングを受けてカリフォルニア州に認定をされたので、プロフェッショナルです。なにより、大好きなんです。カラダに関することが……。
そんなプロの目から、最新中国マッサージ事情をレポートしてみようと思います。
中国では「沐浴」はSPAを意味する。
今日は蘇州の江南沐浴(コウナンモクヨク)に潜入してみたいと思います。
さてさて~……。
今回お邪魔した【江南沐浴】は、男性でも女性でも利用できるスパ。
受付を済ませて、個室に行く途中の階段がなんとも楼のような建物でノスタルジーな雰囲気。
お部屋の広さは日本の12~15畳くらいのスペースに、うつ伏せ用のベッドが1台と巨大なソファ1台が置かれていて、なんとなくもの悲しいような色あせた感じが、少し前の時代を感じさせる。
モダンという言葉からは遠く、時代を逆行するくらいの赤茶色の色彩が特徴。
ボスから、「いいかい、痛いって思ったらね、我慢せずにすぐ「トゥン!」(痛い)って叫ぶんだよ」と教えられた。
ここはいったいどんな場所なんだ?! という、ちょっとした好奇心を覚えている。
通された部屋でひとりで待っていると、セラピストが現れた。
身長も低くて華奢な感じでかわいらしい印象の女性だった。
これに着替えろと言われたのは、信じられないくらいのスッケスケの白い紙パンツ。
このスッケスケの紙パンツを言われるまま履くくらいならば、なにもはかない履かないスッポンポンのほうが恥ずかしくないだろ……と、突っ込みたくなるくらい、その紙パンツはスケスケだった。
しかし「郷に入れば郷に従う」 これ、わたしの掟。
紙パンツ一つになったら、赤茶色のベッドに打つ伏せで寝かされる。
ベッドに空いた穴に顔をはめ込む。このときに感じる湿気たカビっぽい匂いがつらい。
ベッドはなんとなく湿気ている。これもつらい。
背中にホットタオルを何枚も重ねて、そのうえからサランラップで背中だけサウナ状態を作る。
亀の甲羅のようにバスタオルを重ねあげて熱が逃げないように、包みこむ。
このおかげで背中が温まって、ゆるゆる~っとカラダが柔らかくなり始める。
セラピストのカラダはすごく華奢なのに、プロレス技さながらの力技が繰り広げられる。
チカラ加減を聞くときは
「オッケ~?! まぁむ」
大丈夫か?どこか痛いか? と、聞かれる。
「トゥン!」って言葉しか知らないから、トゥン! っていうしかないんだけど、もう少しやさしくしてくれ!! とも言いたくなる格闘技の絞め技。Okじゃない!!と思いながらも、痛さを我慢しつつ、
「トゥン(痛い)!! トゥン!! トゥン!! トゥン!! トゥン!! トゥン!! ……!!」を激しく繰り返してみる。
約1時間経過……すでにグッタリなわたしを、今度はあおむけになっての施術。
「おっと!? そ、そんなところまで触る?」ってとこまで、グイグイ手が入ってくる。
胸はよせてー、あげてー。(ヒッシー!! ガンバッテー!!)
おっぱいの周りの筋肉をたぐり寄せて、肋骨の周りをすっきり刺激していく。
健康診断で胸を触診されるかのごとく、いやそれよりもずっと丁寧に、何度も何度も(しつこいくらい)リンパ節にたまった老廃物を押し流していく。
カラダで触られない部分なんて、胸のてっぺんとお股の部分だけなんだよね。
でもその触り方が全然いやらしくなく、なんだか愛情を感じるくらいの必死さだった。
セラピストの女性の手がわたしのおっぱいの筋肉をたぐり寄せて、おなかのいらないお肉たちも引き締めて、せっせっせっせと私のカラダを立体的に仕上げようとしている。
結果バストアップはしなかったし、ナイスバディにもならなかったんだけれど、
女性にケアされることがすごく気持ちが良くて、女子が女子に惚れてしまう気持ちも少しわかった。
なんて、マッサージされながら薄れゆく現実を夢とうつつのちょうど間くらいで漂う気持ち良さ。
これがマッサージの良さかもしれない。
最後はソファにもたれかかって、足つぼしながらすりおろしたショウガ膝の上にのせて、ジンジャーポットパック。
皮膚がピリピリ刺激される感じを楽しみながらの温パックなので、冷え性に人にいいかな?
マッサージに3時間。
あっという間ではなかったけど、女子同士のスキンシップって気持ちがいいもんなんだな。
と、わたしの中で新しい感覚が芽生えてしまった。
彼女は3時間ぴったりと私のカラダによりそってくれたから、スキンシップで気持ちもリラックスしてくる。
アジアのスパは、痛い気持ちいいくらいの刺激とちょっとした境界線を越えてしまう感覚があった。
彼女とのスキンシップ、最高だった。
帰り道、明日の夜はこっちのお店でマッサージ受けてみようって、また予約しているボス……。
蘇州の沐浴スパはそんな魅力のある場所だった。
「再会(ツァイツェン)!!」 きっとまたここに来てしまうだろう。
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