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電気自動車を簡単にはお勧めしない7つの理由


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記事:青子さま(ライティングゼミ)

電気自動車に乗り始めて3年が経過した。三菱自動車のiMiev(アイミーヴ)という軽自動車だ。アイミーヴのミーを取って、愛車のことをみーちゃんと呼んでいる。

先にお伝えしておきたいのだが、私は車について全く詳しくない。
運転も苦手である。前に走るのは得意だが、バックで駐車をするとなると、どっちにハンドルを切っていいのか一瞬戸惑うほどである。
だから、「小回りが利いて扱いやすい小さな車に乗りたい」と夫にお願いして、度重なる家族会議の結果、このみーちゃんをお迎えすることにしたのだ。

電気自動車ユーザーになって、思うこと。
見た目はガソリン車と変わらないのに、電気自動車は似て非なる、ちょっと不思議なシロモノだということだ。同じように乗り回していても、訪れる体験や感覚が違うのだ。

これから、私が電気自動車にしてから体験していることを書いていこうと思う。
どれも、ちょっと困っていることだ。
ガソリン車であれば、悩まなくて済んだであろうことということも含まれている。

自動車の専門家やマニアの方には、お役に立てる情報は恐らくないので、ぜひこの先は読まないことをお勧めする。

ただ、ちょうど電気自動車を購入しようかと悩んでいる方がいらっしゃったら、ご参考にしてもらえたら嬉しい。スペックや技術的なことは全くわからないが、同乗するご家族や友人の気持ちは代弁できるかもしれない。

いずれにしても、ここに書くのは、我が家のみーちゃんの場合である。電気自動車といってもスペックはそれぞれ異なるし、どんどん電気自動車の研究開発は進んでいるので、過渡期であることをあらかじめ記しておく。

 

<私の悩み その1> 勝手に人が絡んでくる
電気自動車に乗っていると、なんだかやたらに知らない人に話しかけられる。
充電スポットも増えてきて、もうずいぶん一般的な光景になったとは思うのだが、それでも電気自動車が実際に充電をしている様子は珍しいようだ。
急速充電の場合、充電時間は30分ほど。ドライブ中、この時間を使って、私たちはトイレ休憩をしたり、簡単な食事を取るなどして効率的に動こうとするのだが、充電器にセット作業をしていると、どこからともなく人が集まってくることがある。

「これ、電気自動車? えー、なんで電気自動車にしようと思ったの?」
「1回の充電でどのくらい走るの?」
「電気自動車とガソリン車はどっちがオトク?」

知らないおじさんに質問攻めにされて、愛想よく答えていると、話がどんどん盛り上がり、なかなか会話が終わらなくなる。高速道路のサービスエリアでは、中国人旅行者に囲まれて、一方的に中国語で話しかけられて困ったこともあった。
逆に、電気自動車ユーザーが話しかけてきてくれることもある。そうなると、より深く分かち合えるので、話がついつい長くなる。
旅の出会いは多いほど楽しくなるが、こうも話しかけられると、トイレになかなか行けずに苦しいこともある。これは、膀胱炎にも注意しなければならない由々しき問題だ。

 

<私の悩み その2> ドライバーが、羊の皮を被った狼になってしまう
夫は、もともと車やバイクが好きで、こだわりが強い。
お金もないのに、これまでずっと外車を乗り継いできた。
プジョー、シトロエン、BMW、VOLVO……さまざまなタイプの車に乗ってきて、私も助手席で彼の運転を見てきたが、私が発見したのは、車によって運転が変わるということだ。
アグレッシブな運転になったり、逆にジェントルな運転になったり、同じドライバーであるにもかかわらず、車種によって運転の仕方が少し変わるのだ。
それは車がそうさせるのだと思う。スピードを出しても安定走行感があって、反応がいい車はそのポテンシャルを生かそうと思うだろうし、逆にシートの座り心地が良くて、遊びの多い車だと、ゆったりエレガントに扱ってあげようと思うものなのかもしれない。

道具が人を変えるというのは面白い。
では、いったい、わが夫は、みーちゃんをどんな風に扱うのだろうか。
そう思って観察をしていたら、どうも彼が「羊を被った狼」的なドライバーになっている。

みーちゃんは、外見は丸くて小さくて、軽自動車を示す黄色のナンバーを付けている。
そしてガソリン車なのか、電気自動車なのかは、マフラーがついているかどうかなど微細な部分を確認しない限り分からない。

電気自動車は、トルクが大きいので、信号待ちからのスタートや追い越し加速などはかなり速く感じる。
同乗者を乗せていて、荷物をたくさん積んでいる軽自動車が、あんなに早く加速するとは思わないだろう。
信号待ちをしていて、青になった瞬間に、俊足なスタートを切り、隣にいるフェラーリを出し抜いて喜んでいる。
「いえーい! フェラーリに勝った!」
40を過ぎたおじさんが子供のように喜んでいる。
まぁ、でも確かに、みーちゃんは、かわいい見た目からは想像できないくらいに走れる。
このギャップを誰かに見せつけたくなる気持ちもわからなくもないのだが。

 

<私の悩み その3> 早起きをしないといけなくなる
みーちゃんでの旅は、とにかく早起きをしないといけないのである。
すべての電気自動車がそうであるわけではないが、我が家のみーちゃんは、バッテリーが持たず、こまめに充電をしないといけないので、遠出をする場合は、各所で充電器にお世話にならないといけない。
最近は、かなり充電スポットが増えたので助かるのだが、それでも稼働時間に泣かされることは多いのだ。地方に行くと、充電スポットは17時くらいまでという所も多い。
だから夜間帯は充電できるところが極端に少なくなる。
夜遊びをするときには、あらかじめ、夜間対応の充電場所がどこにあるのかチェックをしておく必要がある。
もし、電欠になったらレッカーにお世話になるほかないのだから、ガソリン車の時よりも慎重になる。
そして、長距離ドライブの時には、できるだけ早朝出発をし、早めの帰宅を心掛ける。
そんなわけで、すっかり真面目な良い子になってしまった。

 

<私の悩み その4> 魅惑スポットに迷い込み、予定通り行程が進まない
無料充電スポットは、地方自治体の施設や地元企業の一角などに設置されていることが多い。
まずもって、旅行者であれば訪れないような場所に、充電のために出向くことになる。
以前、地方のとある充電スポットに立ち寄り、その一角に図書館があった。
充電中、時間を持て余したので、気まぐれにその図書館に入らせてもらって驚いた。
壁や天井、床まですべて木材で統一された、静かで優しい空間。私の好みのジャンルの本もたくさん所蔵されている。
コーヒーサービスがあり、マグカップになみなみと注いだコーヒーをいただきながら、本を読むこともできるし、wifi完備なのでPC作業もできる。
そして、窓際の席の向こうには、美しい緑と湖畔の景色が広がっているではないか。
「なんと! この町の人たちはこんな素敵なところで、本を読んだり、勉強をしたりしているの?」
本当はその日は、観光者らしく、とあるレジャー施設に遊びに行く予定だった。
なのに、気が付いたら、あまりの居心地によさに、その図書館に私は長時間入り浸り、黙々と本を読みふけってしまった。こんなに素敵な図書館があるなら、ここに移住したいと思ったほどだ。
充電スポットを巡っていると、偶然の出会いが多くなり、旅の行程が狂ってしまうのだ。危ない、危ない。

 

<私の悩み その5> ついつい音響にこだわりたくなってしまう
電気自動車はとても静かだ。だから、音楽を聴く場所としても向いている。
気が付いたら、夫はカーオーディオをカスタマイズしはじめた。
ドライブをしながら素晴らしい音を楽しむこともできるが、それなりにお金もかかるだろう。(怖くて、カーオーディオにいくらかかっているのか、聞いていない)

 

<私の悩み その6> 下り坂でニヤニヤする変な自分を自覚する
電気自動車には回生充電が備わっていて、坂道を下る時、平地を惰性で走っている時など、電気を必要としないタイミングに、一時的にモーターを発電機に変え、電気を起こしてくれる。
登り坂で使ったエネルギー100%を下り坂で取り戻す事ができる訳ではないのだが、この電池が溜まっていく様子がたまらなく嬉しいのだ。
例えば、日光のいろは坂のドライブに行き、上り坂で電池をほぼ使い果たしてしまったとしても、下り坂でどんどん電池が溜まるのだ。
下り坂を走るくらいで、こんなに喜べるなんて変だ。変だという自覚がありながらも、ついついニヤニヤとしてしまう。
まるで発電ゲームのように面白がっているのは、きっと私だけではないと信じたい。

 

<私の悩み その7> ガソリンスタンドに行きづらくなる
ガソリンを入れないのに、ガソリンスタンドに行くのはなんだか申し訳ない気がして、気が引ける。
でも洗車やタイヤの圧を測らせてもらうので、心の中で「すいませんねー」と言いながらお世話になっている。
それにしても、もう何年もガソリンを入れていないと、ガソリンの匂いが気になるのだ。
タバコを吸わない人が、タバコの匂いに敏感になるように、ガソリンの匂いに極端に反応するようになってしまった。耐性がなくなるのだろうか。

 

<まとめ: こうして自虐的な旅をしたくなってしまう>
もともと、みーちゃんは「近所に行く、つっかけ」として購入したのだ。私が近所のスーパーに行く時や、駅までの送迎などで使う目的だった。
「近所に行くつっかけ」として位置付けると、エコノミーだし、環境にもいいし、小回りも効いて、とても良い乗り物だ。

でも、海や山に行く車としては向かないだろうと考えていた。高速走行や登板走行時は、電気をより必要とするし、購入した当時は、充電場所も少なかった。
充電時間のロスを考えると、決して効率的ではないし、制限の多い旅になる。

それでも、我が家ではみーちゃんの旅をやめない。
むしろ、どんどん遠くに行きたくなる。今まで語ってきたような、オリエンテーリング的な楽しみを見つけてしまったからだ。

1回の充電でもっと走らないかなとか、充電場所を検索するのが面倒だとか、口では言っているけれど、実は、みーちゃんを子守りしているような気分になって楽しんでいるのだ。

車の持っている特質を生かして、できるだけ味わい尽くしてあげようと思うと、一見、制限のように映ることも、面白みに変わるということを知った。

私たち家族にとって、車とは、ただの移動の道具ではなくて、一緒に旅をする相棒なのだ。だったら、個性的で面白く、共に過ごせる相手がいい。

私達が変態なのかもしれないが、でもきっと同じような人はいると思う。

どうだろうか。あなたは、みーちゃんのような電気自動車に乗ってみたいだろうか。

電気自動車に興味があると相談されても、やすやすと誰にでも推薦はしないが、この7つの悩みを味わいたい人には、自信をもってお勧めする。

 

 

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2016-10-05 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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