「理想の彼女」と「心理学」
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記事:たむ(ライティング・ゼミ)
「どんなタイプの女性がすきですか?」
コンパや飲み会などで、日常的によくされている会話だ。
「うーん、そうだな。可愛くてやさしい人かな」
ありきたりな会話。
「なるほど、芸能人で例えるとどんな人ですか?」
あー、またいつものパターンだ……。
なん百回と繰り返したセリフのようにすらすらと答える。
「篠原涼子さんかな」
「きれいな大人女子だけど、キュートな笑顔が素敵ですよね」
おっ。この子はわかってるな。同じ感性をもっている。
とかすかに心の中でほほえむ。
いつもとかわらない、なんでもない会話。
この会話は、探りと探求心、そして、話しを盛り上げようとする意図が見え隠れする。
いつもと同じ何気ない会話なのに、思いもよらないことばが耳にはいるといっきに興味が湧いてくる。
「どんな男性がタイプなの?」
「ワイルドで、無口だけどかわいい、ギャップがある人です」
「へー、そうなんだ」
「芸能人でいうとどんな人?」
「うーん、竹ノ内豊さんみたいな人。似てるって言われませんか?」
「そうなんだ……、たまに言われるかな」
これは、メラビアンの法則にあてはまる。
メラビアンの法則とは、第一印象は出会ってから、5秒、遅くても5分以内にきまることが多い。そして、第一印象が良ければよいほど、恋愛に発展しやすいのだ。
彼女のタイプが僕と似ているということは、第一印象はよいはずだ。
僕は、少しうそをついた。正直、一度も竹ノ内豊とは言われたことはない。
だが、うれしい。
冷静に考えると、「おれってばかだな」とおもう。
しかし、情熱的な感情がマグマのようにぐつぐつ湧き出し、「うれしい」気持ちが勝る。
お世辞だとわかっているのに……。
「彼女はいるんですか?」
「いないよ」
「彼氏はいるの?」
「いないですよ」
「お互いいないね……」
「そうですね……」
これは、「自己開示の法則」である。
自己開示とは、自分のプロフィールや趣味、好きなもの、最近はまっていることなどを相手に伝えることで、親近感が湧いてくることだ。人間は、「その人を知れば知るほど好きになる」性質が備わっているのだ。
「趣味はなんですか?」
「映画をみることかな。きみは?」
「わたしも映画です」
「最近どんな映画をみましたか?」
「最近は……、今はやっている『君の名は』をみたよ」
「わたしもみました! とてもすてきな映画でしたね。年甲斐もなく、青春を思い出しましたよ」
「ぼくもだよ。大人になるとピュアな恋愛とは無縁だもんね……。あこがれるよ」
「わたしもです。ピュアな恋愛にあこがれますね」
「彼氏はどれぐらいの期間いないの?」
「2年ぐらいです。何年ぐらいですか?」
「おれも2年だよ」
これは、心理学のミラーリングという法則だ。
鏡のような会話をすると、親近感がわき、自然と距離が縮まっていくのだ。人は、誰しも自分と似ている人に興味や関心をもちやすい。仲間意識や親近感から好意を抱いていくものだ……。
「なんで彼氏と別れたの? ごめん、初対面なのに、失礼だよね……」
「そんなことないですよ。彼氏に浮気されたんです。それが許せなくて……」
「……そうなんだね。実は、ぼくもだよ。浮気されたんだ。別れるときに『あなたといてもつまらなかったよ』って言われたよ」
「そんなことないのに。その元カノさんは見る目がないですね。こんなにやさしそうなのに」
心にあったかい感情がわきおこってくる。
「確かに、お笑い芸人みたいな面白さはないですけど、私は、落ち着きます。初対面でこんなに落ち着くのは初めて」
僕でも気付かない良さをしっかりとわかってくれる人がいた。
心理学だと、「ジョハリの窓の自己拡大」だ。
ジョハリの窓は自己を4タイプに分けたものだ。そのなかで、まだ自分が気づいていないところを褒められると、その人に対して特別な感情を持つことになる。
しかし、油断は禁物だ。
相手がうそをついているのか、それとも僕に合わした会話をしてくれているのか……。
目の動きや、不審な動きはしていないのか? 「微表情」を確認。
チェックを怠らないように……。自分に言い聞かせる。
大丈夫だ!
彼女は僕が求めていた「理想の彼女」だ。
「ありがとう。そういってくれるとほんとにうれしい」
と、ポジティブフレームで返答をした。
ポジティブフレームを使う事で、「素直さ」と「褒めた後の気持ちよさ」を相手にわかってもらうためだ。
彼女も笑顔でうれしそうだ。
「よかったら、君も飲まない?」
「有難うございます、ビールのお代わりはいかがですか?」
僕のビールと彼女のドリンクがテーブルの上に置かれた。
「素敵な出会いに乾杯」
「ふふふっ……、乾杯」
お互い照れながら、乾杯をした。
豪華な店内はまるで2人の出会いを祝福してくれているようだ。
僕は、さりげなく時計をみた。
そろそろ、終盤戦だ。ゴールを目指さないと……。
僕は聞いた。
「今日は何時に帰るの?」
「今日は、終電過ぎちゃうかも」
「そうなんだね……」
「僕はもっときみのことを知りたいんだ。きみはどう思う?」
少し、うつむいて、
「私も知りたいと思ってます」
「では、もっとお話しをしたいかな?」
「……はい。お話ししたいです」
きたっ! 僕の質問に2回「イエス」回答がきている。
「イエス」が続くと、一度自分で発した言葉や行動に対して、一貫性をもちたくなる。
イエスの法則だ!
今日はいける!
「この後、飲みに行かない?」
答えは決まっている。僕は、心のなかでつぶやいていた。
そして、次の計画を準備、チェックをしていた。
思考は、ゴールまでの線路を引き、あとは線路に沿って走るだけ。
簡単なものだ。
彼女は言った。
「ごめんなさい。今日は行けないんです。ほかの人と約束してるんですよ」
なにっ! 先に約束があるとは。聞いていなかったのはうかつだった。ま、まあ仕方ない。
「そうか、約束があるのか……。それは残念」
「わたしもとても残念です。もっとお話ししたかったのに」
「わかった。また誘うから、連絡先を教えてくれないか?」
「……ごめんなさい。携帯もってないんです」
僕は唖然とした。この現代で携帯をもっていない人がいるのか、頭が混乱した。
「えっ、えええええ」
なんて言っていいかわからず言葉が詰まる……。
「でも、また来てくれたら会えます。そのときに、お話ししましょうね。今日はご馳走さまでした」
彼女は席をたち、明らかに源氏名と分かる名刺だけテーブルに置いて行った。
すぐさまボーイが来て、「失礼します。お会計はこちらになります」
お会計が済み、渋谷交差点をとぼとぼ歩く。
辺りを見回すと、マツキヨの看板がまぶしい。
若者たちが男女交えて楽しそうに話すのを横目に、
ハチ公は「今日もがんばったな」と語りかけてくれている。
今日も僕は現実に敗れ去った。
「心理学を学ぶと理想の彼女ができる」
この理論を成立するためにはまだまだ勉強が必要だ。
***
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