離婚をしたくない夫婦たちへ
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:宇野惠美子(ライティング・ゼミ10月コース)
『結婚は想像力の欠如』
『離婚は忍耐力の欠如』
『再婚は学習能力の欠如』
という言葉を耳にしたことがあります。
だとしたら、結婚も離婚も再婚も経験している私は、想像力も忍耐力も学習能力も欠如しているということになります。
けれどそれらの能力が欠如しているからこそ、私は2度の再婚を果たせたわけですが、3度目の結婚の今、このまま忍耐力が欠如したままなら、再度離婚ということになってしまいます。
離婚を経験された方はわかると思いますが、離婚は結婚に比べて、数倍ものエ
ネルギーを要します。夫婦の修羅場において、家庭内でのいざこざを外では見せないようにと平静を装う偽りの自分と、苦しい現状の自分とのギャップに、心が壊れそうになってしまいます。大好きなカルボナーラでさえも味を感じなくなるほど、離婚による精神的ダメージはとてつもなく大きいのです。
そんなしんどい思いをしたにもかかわらず、懲りずに結婚をした私を、学習能力がないと呆れるかもしれません。
それでも、私は再婚しました。そして、もう離婚をしたくありません。
『離婚は忍耐力の欠如』と言うのであれば、離婚をしたくない私は、忍耐力を付けなければいけません。
でも、本当に離婚をしないためには忍耐力が最も必要なのでしょうか。
確かに過去2回の結婚生活を振り返ると、私には忍耐力がなかったかもしれません。けれど、妻としての務めを果たそうと、耐えたり我慢することもあったし、時には諦めたり手離したりすることもありました。そのように私なりに、忍耐に繋がる行為はたくさんしたつもりでした。それでも離婚に至るには、忍耐力だけではなく、もっと他の何か大切な力が不足していたのではないかと思い始めました。
その大切なこととは……。
これは私の友人の話ですが、夫婦共働きのため、家事は2人で分担するということを結婚前に話していたそうです。料理は妻が担当し、洗い物と片付けは夫が担当するという具合に。そんなお互いに助け合う生活を想像していたようですが、結婚後しばらくすると、仕事で疲れている夫は家事を手伝わず、それに腹を立てた妻は、ご飯を作らないという反撃にでました。すると夫は、料理もしない怠け者妻だと外で愚痴るようになりました。それを聞いた妻は怒り、じゃあ別れましょう! と、離婚への坂を下り始めました。このように、期待が外れ希望が絶望に変わってしまったら終わりです。
その後2人は別れたと思われるでしょうが、今もなお結婚生活を続けているのです。仕方なくとか、どちらかが妥協したとかではなく、むしろ新婚当初の頃のように仲良く。
この夫婦仲の劇的な改善には、なるほど! な理由がありました。そして、その理由こそが『離婚は忍耐力の欠如』にある、「忍耐力」よりももっと大切なことの答えでもあります。
それは、その友人がマッサージを受けていた時に、マッサージのおばちゃんから何気に言われた言葉にありました。
ある日、友人がストレス解消にと行ったマッサージ店で、結婚は想像とは違っていたなどと、マッサージをするおばちゃんに愚痴っていました。すると、おばちゃんが、「想像を創造したらいいんじゃない?」と、ダジャレのように言いました。友人にとって、それはまるで、天から降ってきた神の言葉のように感じたそうです。「そうか、創造力か」と。
ほとんどのカップルは、理想の夫婦生活を夢見て結婚します。けれど結婚後しばらくすると、想像とは違ったとガッカリすることがあります。その理想と現実のギャップがもたらす『こんなはずじゃなかった問題』が、夫婦間で発生してしまうのです。相手への期待が大きければ大きいほど、不満数値は上がります。
これは、『結婚は想像力の欠如』と言われるように、まさにこの「想像力」不足が引き起こす問題です。
けれど私は、友人から聞いたマッサージおばちゃんの言葉を受け、その「想像力」というものは、結婚に対する希望を込めた想像力だけのことを指すのではなく、『こんなはずじゃなかった』と思った時にこそ使うべき力だと思いました。
『こんなはずじゃなかった』そう感じたら、「もうダメ! もう無理!」 と諦めてしまうのではなく、「じゃあ、相手や自分がどうなればいいのか、今の2人にとってより良い関係はどんなものなのか」など、先ずは今置かれた状況で想像してみること。そして次に、これからの2人の未来を創造すること。この創造力こそ、離婚回避に必要な力だと思います。
『離婚は想像力の欠如』かも知れませんが、創造力があれば回避できます。
「創造力」というヒントを得た友人は、その後夫婦で話し合ったそうです。互いに助け合い仲良くいるためには、どんな夫婦をクリエイトしていったらいいのか、2人で未来を創造し始めたようです。
私だって、もう離婚はしたくありません。この友人夫婦のように、家族をクリエイトしていきたいと思いました。
そして、どうしたら夫婦2人の理想に近づけるのか、私たち夫婦もお互いが考える理想の夫婦について話し合いました。
私は専業主婦ですが、主婦業も週休2日制を導入したいということを伝え、土日はオフ、独り家事はしたくないと伝えました。
夫は、出張で数日間帰らない日が多いので、子どもの学校行事のほとんどを私に担ってほしいということを要望しました。
このように、互いの理想を2人で話し、将来を創造していこうとする力、つまり、自分たちオリジナルの夫婦をクリエイトしていく力こそ、夫婦円満で幸せな結婚生活を送るために欠かせないものだと思います。
友人夫婦も私たち夫婦も、全く喧嘩をしないわけではありません。たとえ喧嘩をしても、2人が想像する未来を創造していくための軌道修正ができるようになりました。
だから、
世の中の離婚をしたくない夫婦たちへこの言葉を送りたいです。
『離婚は創造力で回避』
離婚をしたくなければ、忍耐力よりも創造力が大切です。
***
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