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レンタルショップ店員(♀)がアダルトコーナーの暖簾をくぐる時


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:たくみ(ライティング・ゼミ)

 

 

暖簾をくぐると、そこは18禁だった。

お子様、ダメ、絶対。

 

 

私はレンタルショップでアルバイトをしている。つまりはフリーターだ。今後の人生設計もいまのとこフリーなので、そろそろどうにかしなきゃな、と最近頭を悩ませている。

今働いているレンタルショップ……ゲーコ(仮)はつい先月で勤務歴1年を過ぎ、少し少しとやれる仕事の範囲が増え責任も増えていっている。もしやこのまま正社員雇用ルートか? 生涯ココで働いていたいかと言われたら微妙。クレーム多いし。特にウチの店舗。

 

「今日は5枚か……」

その日、私は手元の用紙の枚数を確認して呟いた。

コレは少し少しと増えた仕事の中の1つで、紙には本日で返却期限を3泊過ぎている商品と、その借りているお客様の名前がずらりと並んでいる。商品の返し忘れや返し漏れがありませんか、と確認のお電話をするのだ。

私が働いている店舗では、3泊の延滞からお客様にお電話するようになっている。たまに、1泊から連絡してほしいというお客様からの声もあるのだが、コレまでのデータから3泊から連絡するのが色々な面で一番丁度いいのでご理解いただきたい。店舗やお店によっては、メール会員に登録するとかスマホのアプリとか、返却期限のお知らせをするサービスもあるので、ぜひそちらをご検討ください。

 

紙をペラペラとめくって中身をざっと確かめる。

 

次から次に借りられ返却される商品。返却処理するのは完璧に人の手なので、どれだけ気をつけていても、1週間のうち返却された膨大な数のうち、どうしてもいくつか『処理漏れ』が出てくるのだ。なのでお電話する前に、ほんとに返却されてないか、売り場に無いか確認する必要がある。

 

1時間かからないと良いなあ

 

自慢じゃないが、私は何かと動作が遅い。

 

 

 

暖簾をくぐると、そこは18禁だった。

ようこそ男の夢とロマンの世界へ。私女だけど。

 

総じて、全国のレンタルショップの奥のほうには、暖簾に仕切られた空間がある。『スタッフ意外立ち入り禁止』ではない。Yesアダルト、Noキッズ。

つまりはアダルトコーナーである。

アダルトDVDで3泊延滞の商品がある場合、もちろん探して返却処理の漏れが無いか確認しなくてはならない。

 

ずらりと並んだDVDケースの背表紙に、目を凝らしながら手元の紙と見比べて目当ての商品を探す。長いタイトルが多いので必然的に背表紙に書かれる文字は小さくなる。1つ見つけたので、次を探す。因みにDVDが入ってたので、これは返却漏れだ。

 

四方八方、アダルトDVDに囲まれている空間には既に数名の男性が居る。この空間だけで、レンタルDVD売り上げ3割というのが男性の需要を現している。

 

ふと、隣に男性がいた。隣の棚で、DVDを探しているらしい。邪魔になるようならどくか他のを探しにいくかするが、特に邪魔になってそうでもないのでそのまま続行する。

男性はとくにこちらを気にするでもなく、「俺、アダルトDVD探してますけど、なにか?」な表情でひたむきに自分の好みのアダルトDVDを探している。内心恥ずかしいとか思ってたりするのかな?? なんて思うのはわずかな時間で、ほんとに気にしてないんだろうとわかる。

何故なら「私、仕事でアダルトコーナーでアダルトDVD探してますけど、なにか??」な表情で、内心も「なにか??」と思いながら立っているので。

 

これは本当、バイトに入ってすぐに肩透かしをくらったのだが、男性は普通に、かつ当然のようにカウンターにアダルトDVDをレンタルしに持ってくるし、返却しに持ってくるのだ。隣のカウンターに男性スタッフが立っていても、女性スタッフの方に持ってくる。本当に、男女関係ないのだ。

残念だった。正直残念だった。私は、「アダルトDVD持ってきたけど、スタッフ女の人だ、どうしよう……」なんて迷う姿が見たかったのだ。「恥ずかしいんだな、可愛いなぁふふふっ」なんて思いながら営業スマイルでアダルトDVDを受け取りたかった。いやまだ諦めていない。

 

でも、ちょっと考えれば当然だろう。お客様からすればスタッフ……赤の他人に自分が何を借りたか知られるからって、なに? 状態だろう。ごもっともだ。

漫画ではアダルトDVDを持ってきたお客様に女性スタッフが引いた視線をよこしてたりするが、現実じゃクレームものだ。現実では淡々と処理するだけだ。

それにそもそもスタッフはどんな商品を持って来られようと何も思わない。お客様……赤の他人が何を借りたからって、だからなに? である。

アダルトコーナーも同様だ。意外と、女性スタッフがアダルトコーナーに入る機会はそれなりにある。商品の確認のほかに、モップがけにしに来ることもあるし、女性スタッフだって返却されたアダルトDVDを戻しに、大量のディスクを抱えて暖簾をくぐることもある。

『仕事』である以上、羞恥を感じる要素は無く、またアダルトDVDに対しても、もはやスタッフにとってはただの表紙でディスクで文字で数字である。

「やだ~、恥ずかしい~」で仕事なんか回せるか!!

 

だが、まああえてうら若き全国の女性スタッフのために言っとくが、アダルトコーナーの居心地が決して良いわけじゃない。でも恥ずかしがってるだとか思われたり、バカにされるのはごめんだわ!! だから「何か?」なんて顔をして暖簾をくぐるのだ。

 

ようやく全てのDVDを見つけることができた。あとはCD。やっぱり1時間では終わりそうに無い……。

すまし顔でお客様とすれ違いながら暖簾をくぐれば、そのあとすぐ、暖簾をくぐって入っていったお客様がいた。顔なんて見ちゃいないけど、きっと私と同じ表情をしてたのだろう。

 

「アダルトコーナー、入りましたが何か?」

 

もしゲヘゲヘなんて鼻の下伸ばしてたら、それは逆に見てみたかった。

 

 

***
この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2016-11-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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