メディアグランプリ

20kg太り自暴自棄な私を救った、あのジムのトレーナーは「実家のおばあちゃん」だった。


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記事:大橋秀喜(ライティング・ゼミ 10月コース)
 
 
「あれ、太った?」1年間で約30回はそう言われていた。
私に、聞くな。見れば一目瞭然だろう。ちゃんと見えてます?
あと太った人に「太った」って言うと、そのストレスで余計太るからやめてください!
 
私をこんな卑屈おデブにしたのは、仕事のストレス、暴飲暴食、多忙な業務、出不精、遺伝的に太りやすい体質などなど。そんなスーパースペシャル「おデブまっしぐらコース」を、私はマッハ9.99の速度で爆走した。自暴自棄から自己嫌悪に陥る無限ループだった。
 
そんな私の心と体を変えてくれたのは、仕事でたまたま出会った「パーソナルトレーナー」だった。パーソナルトレーナーとは、ジム会員に対して1対1でトレーニングや食事の指導をするトレーナーのこと。目標達成に向けた、きめ細やかな対応と「そばにいてくれる安心感」から、今、パーソナルトレーニングは人気を集めている。
 
私は、パーソナルトレーナーは「実家の優しいおばあちゃん」のような存在だと思った。だからこそ、今という時代にパーソナルトレーナーが求められている理由が、わかった気がした!
 
 
振り返ると、私が「おデブまっしぐらコース」のスタートを切ったのは、人生そのものに絶望した新卒の就活面接だった。
どうしても、何が何でも入りたかった東京の某メディア企業に落ちたことがきっかけ。理想の中の自分では、その東京のメディア企業に勤め、自分の才能を輝かせ、スマートなスタイルのCITY BOYになりたかった。しかし現実は、仕事があまりにも出来なさすぎて怒られるし、深夜まで働いて毎日クタクタ、それを愚痴ることができる人もいない孤独な人間だった。
 
「私は、何かに負けたのかもしれない」と考えてしまうのを、防ぐように、私は日々ストロングゼロ500mlを限界まで胃に流し込んだ。そして酒を飲むと「食欲が限界突破」してしまうので、コンビニにずらりと売ってある、カロリーが超高そうな食品たちを片っぱしから食べ尽くすという、考えただけでゾッとする不健康極まりない日々。挙げ句の果てには、深夜3時に訳もわからず焼肉屋で1人でカルビを焼いていたこともある。(これは意味不明)
 
 
つまり、「自分の体を大切にする」ということがもうできなくなった。
自暴自棄の地獄に落ちていた。
 
「なんかもう、どうなってもいい」「どうせ、痩せても世界は何も変わらない」。そう全てを諦めていた私のアラサーの体は、マッハ9.99の爆速で肥大化。ふと鏡に映る、焼いた餅のように膨らんだ、自分の顔。そして、永遠に閉まることがない、ベルト。悲鳴をあげて破壊されていく、ズボン。
 
数年ぶりに体重計に乗ったら、学生時代から20kg太っていた。これはいよいよヤバいぞ、というタイミングで、考えが変わった出来事がある。
 
それは、とある「パーソナルトレーナー」のTさんとの出会い。
 
たまたま仕事上の付き合いで知り合い、Tさんと仲良くなった。Tさんはジムでパーソナルトレーナーとして働いているという。当時、私はジムなんて興味がなかった。体を動かすこと自体がめちゃくちゃ嫌い。当時、会社から徒歩2分の家に住んでいたが、歩きたくなさすぎて車で通勤していたほどだ。
 
ただ、初回は「激安」だったので、何となくお試し気分でそのパーソナルトレーニングを受けることにした。
 
普段はおとなしいTさんだが、彼はトレーニングになると豹変した!
さまざまな器具の使い方を教えられながら、一緒にトレーニングをするのだが、「もっとやれるだろ」「あなたならもっとできる」「才能があるから、もっと頑張れ」と、想像の100倍ぐらい熱いエールを送ってくれる。そうして直接、声をかけられることは、私自身のやる気にもつながっていた。さらに、食生活についても栄養学の観点から丁寧すぎるアドバイスをもらえる。かなり短い期間だったが、パーソナルトレーニングを終えて、こう感じた。
「自分の体を、変えてみたい」。
 
この出来事が、私の生活に大きな影響をもたらした。
例えばカロリーが高そうな食べ物を食べてしまおうとする時、Tさんの顔がチラつくのだ。私が今この食べ物を食べたら、Tさんを悲しませてしまうかもしれない。筋トレをサボった時、Tさんを悲しませるかもしれない。なぜか、そう思えてしまう。それはまるで、実家のおばあちゃんを悲しませないように、「犯罪を辞めることを決意する悪人」のようだった。
 
よくある「刑事ドラマ」では、こういうセリフをよく聞く。昭和風の刑事は、悪人に対してこう言う。
 
「あんた、いつまでもこんな悪いことをしていたら、実家のお母ちゃんやおばあちゃんが悲しむだろう」。
 
パーソナルトレーニングが終わって、1年ぐらい経過して、もうしばらく会っていないのに、なぜかTさんはいつも心の中で見守ってくれている。それは、帰省した時に私の健康を気にかけてくれる「おばあちゃん」のような存在になっているからだ。
 
 
つまり、「擬似おばあちゃん」。
誰かが「私の生活を気にかけてくれる」という体験が、私を「自暴自棄の地獄」から救ってくれたのだ。
 
ああ、そうか。だからパーソナルトレーニングは流行っているのかもしれない。私の勝手な想像だが、家族と離れて暮らす「単身世帯」が増えている中だから、誰かに間接的に見守ってほしいというニーズが多いのかもしれない。
 
当時の不健康な私のように「自分一人きりでは自暴自棄の地獄から抜け出せない」というような人がいたら、まずは誰かと一緒に健康づくりを始めてみようよ、と伝えたい。
 
 
 
 
***
 
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2023-02-09 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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