別れを決めた女には、新たな未来が待っている。
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:櫻井 るみ(ライティング・ゼミ)
別れよう。
決めた。
いろいろと悩んだけれど、やっぱり別れよう。
彼のことを嫌いになったわけじゃない。
むしろ、今でも好き。
大好き。
だけど……、これが倦怠期というのか、あの頃の熱はだんだんと冷めてしまった。
最初の頃は何とかして会う時間を作っていた。
どんなに疲れていても、しんどくても、明日の仕事が心配でも、
会いに行った。
会いたかった。
それが、今は……。
頑張って会いに行くことをしなくなった。
向こうから何も言われなければ、私も敢えて会おうとはしなかった。
それでも寂しいと思わなくなってしまった。
もう、おしまいなのかな……。
ぼんやりとそう思った。
いや、綺麗事を言うのはよそう。
私に、他に好きな人ができたのだ。
彼よりも魅力的な人に出逢ってしまったのだ。
確かに私は、人よりもちょっと惚れっぽいところがある。
ストライクゾーンが広いのか、キャパシティが大きいのか、血筋か遺伝か、持って生まれた才能なのか、とにかく素敵なところを発見して惚れてしまうのだ。
だから特定の人がいても、よく余所見をしている。
そして、余所見した先で素敵なメンズを発見してしまうのだ……。
思えば彼とはいろいろとあった。
付き合っていた期間は短かったけれども、その分密度は濃かったと思う。
だって、いつも一緒にいたもの。
腹が立ったこともあったし、泣かされたこともあったし、嫉妬に苦しめられたこともあった。
だけどそれ以上に、優しくしてもらえれば嬉しかったし、一緒にいる時は楽しかったし、
何より、彼のことが大好きだった。
いつからこうなってしまったのだろうか……。
なんとなく生まれた心の隙間に、新しい彼はするりと入り込んできた。
いや、入り込まれてしまった。
まただ。
思えば、私の恋愛の終わりはいつもこうだ。
付き合っていれば当たり前にあるはずのささいなすれ違いが、いつの間にか心の中に隙間を生み、いつしかそれが暗くて深いみぞになり、後戻りの出来ない別れ道になっていく。
典型的な『気付いた時にはもう遅い……』という別れだけれども、こういう状態にまでなってしまうと、もう心は冷め切っているから未練も何もない。
『清々した!』とまでは思わないけれど、何の感慨もない。
さて、明日からのひとりの生活、もしくは、新しい彼への片想いの生活を楽しもう!
そんな風にしか思わない。
そういえば、夫と付き合う前の元カレとの別れもそうだった。
一つ年下で、当時大学4年だったその元カレはある日『理系の4年は忙しくてあまり電話とかも出来なくなるから、それをるみが嫌だと思うなら別れよう』という、別れたいんだか別れたくないんだか良く分からないメールを送ってきた。
話し合いの末、『4年生が忙しいのは去年私も経験して分かっているから大丈夫』ということで、別れない方向でまとまった。
……のだけれども、その話し合いをした次の日は
『なんかめんどくせーな。やっぱり別れりゃ良かったかなぁ』
と、別れなかったことを後悔していた。
もうすでに心が冷めていたのだ。
そして、そんな冷めた心の隙間に入り込んできたのが、今の夫だ。
そういえばそうだった。
なんということだ。
私の恋愛パターンは15年以上経ってもちっとも変わってない。
年も取って、少しは大人の女性としての振る舞いができるようになってきたかと思ったのに……。
でも、その一方で、そうやって好きになった相手とは必ず上手くいっていた。
だから、今回の彼とも上手く行きそうな気がしないでもない。
いや、何とも言えないけど……。
いつになく弱気なのは、私があの頃のように弾けるような若さと勢いがあった20代前半の女の子ではないからだ。
年は40近いし、体の動きも重くて鈍い。
筋肉痛は時間が経たないとこないし、怪我をすれば治りも遅い。心も体も。
そんな私が、彼に挑戦できるの?
そんな不安が胸をよぎる。
新しい彼は……、正確にはまだ彼ではないけれど、新しい彼はさっきも書いたけど、とても魅力的だ。
私が意を決してその彼にアタックしても、上手くいくかどうかなんて分からない。
それは、ライバルが多いということもあるし、私が彼のお眼鏡にかなうレベルなのかどうかということもある。
玉砕して泣きを見る確立だってある。
っていうか、そっちの方が高確率!
絶対に泣く!
それでも私は、新しい彼にアタックしたいのだ。
今まで大好きで大切だった彼を卒業しても、新しい彼に挑戦したい。
だから……、
『ライティング・ゼミ』、今までありがとう。
単発のイベントだった頃から1年以上やってきて、本当に楽しかった。
三浦さんにコメントで「面白かったです!」と書かれれば『やった!』と思ったし、Web天狼院に掲載された記事を見たときはいつもドキドキした。
読んでくれた友達が感想をくれた時は、本当に嬉しかった。
でも、もうおしまい。
私は、猛者たちの集う『ライティング・ゼミプロフェッショナルコース』に行きます!
怖いけど。
すごく怖いけど。
自分の力の無さを痛感するのが。
並み居る猛者たちの力量を見せ付けられるのが。
すごく怖いけど、それでも私は挑戦したい。
私の未来が、そこで待っているから。
***
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