メディアグランプリ

エンドロールのスタッフに感謝を伝えたくなる映画


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:陣(Jin)(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
私はコナンが好きだ。
どれだけ好きかというと、原作コミックを103巻まで持っていて、映画は必ず2回以上は見る、DVDは購入し、名探偵コナンのコンセプトカフェが、地元で開催されるときは少なくとも3回は行くようにしている。行けるのならば県外のコナンカフェも行く。
 
ワンシーンでなんとなくどの事件なのかわかる。
 
また、コナンの公式が出している「コナン検定」なるものがあるのだが、この1級を持っている。
 
問題はセリフ当てや、同じキャラクターが出ている3つのコマを並べて、このコマを年代別に並べるというものなど60問出る。70%以上の正答率で合格となっていた。
 
今私にとって一番自慢できる資格の一つだ。
 
コナン検定の公式のホームページにも例題がいくつか載っているので、気になる人は是非挑戦してみてほしい。
 
さて、なぜ私がこれだけコナンを愛しているのかというと、コナンに人生を救われた経験があるからだ。
 
幼い頃、我が家の初めての子として生まれた私は、親も、親になるのが初めてだったというのもあり、試行錯誤しながらの子育てとなった。
 
なので、下の兄弟のときには大目に見られていたことも、私にはかなり厳しく当たられていたこともあった。
 
ストレスもすごく、幼少期から便秘とアトピーに悩まされていた。
 
自己肯定感も低く、絵を描けるようになると自分の死体を紙に書いて「自分なんてこの世からいなくなってしまえばいい」という事をよく描いていたことを覚えている。
 
そんなときに出会ったのがコナンだ。
  
初めて見たのはテレビだったのだが、釘付けになった。
 
当時私は幼稚園だったので、年上のお兄ちゃんがこんなにかっこよく事件を解決するなんてかっこいい! 小学生ってこんな事ができるんだ! と思っていた。
 
が、実際にそんなことは起こらなかったので、自分たちで探偵団を作り、学校で起きたちょっとした不思議なこと(扉が閉まっているのになぜか扉の隙間から出ているトイレの鍵の謎など)を追求していたりした。
 
始めは、トリックが今で言うピタゴラスイッチのように見え、遠隔で鍵がかかったり、電話やろうそくなど、身近にあるものを使ったトリックを見るのが楽しかったので見ていたのだが、大きくなるにつれて、なぜこの人が犯罪を犯してしまったのか、なぜ、この人は殺されてしまったのか、というところもわかってくるようになってきた。
 
お小遣いがもらえるようになると少しずつコミックを買いだした。
新刊を買う余裕なんてなかったから、古本屋に行き、一番安い金額で売っている巻を片っ端から買って少しずつ集めていった。
 
一番安いものになると保存状態が悪いものも多くシミが目立つものもあったが、そんな事は言っていられなかった。
 
コミックでコナンの世界をじっくり堪能したかったのだ。
 
「いつか大人になったら、全部新品に変えるんだ!」と意気込んでいた。
 
そしてやっとの思いで購入したコミックを読むのが本当に楽しみだった。
 
コナンは文字数が多く、読むのも大変なのと、絵でトリックを理解するのは大変だったが、そこは夏休み等の午前中に流れていたコナンの再放送を見て「なるほどこうなっていたのか」と理解したりした。やってみたいトリックもあったが親から怒られそうだったため実行には移さなかった。
 
大きくなるごとにそこに描かれている人間模様や、意味の深さがわかるようになってくると、より面白くなってきた。
 
コナン(工藤新一)くんに拳銃の取引現場を目撃され、口封じのために組織が開発した薬を飲ませた、黒ずくめの組織があるのだが、黒の組織関係のところは難しい用語や人間関係が複雑に感じ、なかなか理解できなかったのだが、最近わかってきて、「恐ろしい組織だ」と再確認することができた。
 
また、キャラクターがそれぞれ発する、言葉の重さも感じられるようになった。
 
「命は人のも他人のも奪ってはいけない大事なもの。それを奪うのは人殺しと一緒」
「死んだ人は、人の心のなかでしか生きられない」
「人の命は限りがあるから大事」
 
など、命に関する名言が多い。
 
その名言を思い出す度、「あぁ、もういいや疲れちゃった……もう頑張ったよ、もういいよね?」という気持ちになっても、ぐっと踏みとどまることができる。
 
コナンのキャラクターの中には、可愛さや性格じゃ、お世辞でも私と似てると言えないキャラクターがいるのだが、そのキャラクター、以前は事あるごとに死に逃げようとしていたキャラクターだった。
 
名を灰原哀というのだが、組織から抜け出した科学者で、今もその組織から命を狙われている。
 
組織の重要な情報を知っているということで、組織が潰しにかかっているのだ。
 
バスジャック事件に巻き込まれた時、爆弾が仕掛けられたバスから逃げずに残ったり、映画の時も、爆弾が仕掛けられている建物から逃げずに死のうとしていたこともあった。
 
映画のときは、みんなで車に乗って、時限爆弾の爆風を利用して隣のビルへ移るという計画を立てていたのだが、車に乗ると時限爆弾のタイマーが見られないということで自ら犠牲になって正確な時を伝えようとしていた。
 
また、「あと何回この景色を見られるのかしら」と、推定年齢18歳が言うような言葉でない発言をしていたりする。
 
そんな彼女が、コナン君のお陰で、生きる希望を見出したのだ。
 
自分を犠牲にして誰かの命を救うのではなく、自分の命もみんなの命も同じように思うことができるようになった。
 
「私も変われた。だから信じて!」
 
その言葉は名探偵コナンが好きな人達に深く刺さったことだろうと思う。
 
その灰原哀ちゃんの成長がわかるのが今回の映画である。
 
これまでの映画も本当に良いのだが、この映画もかなり良い! 最近コナン見てないんだよねっていう人でも楽しめる内容じゃないかと思う。
 
新しいキャラクターも出てくるには出てくるが、何と言っても哀ちゃんが主人公である!
 
哀ちゃんが可愛くて可愛くて仕方ない。
 
哀ちゃん以外も、格闘シーンもしっかりしているし、作者の青山剛昌先生の原画が映画内で出てくるのだがそれも本当にいい。
 
見終わったあとは、エンドロールにスタッフ名が出てくるのだが、思わず一人ひとりに「ありがとう」と伝えていた。
 
立ち上がって「ブラボー!」と言いそうになった。
 
そして全キャラ好きになった。
 
みんないい子。
 
そんな気持ちにさせてくれた今回の映画。
 
ぜひ、優しい気持ちになりたい人は見てほしいと思う。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2023-05-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事