メディアグランプリ

スーツとは、鎧である


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記事:岩田 真治(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
「君はスーツを着ると、戦闘モードに切り替わるよね!」と、今の上司から言われたことがあった。
 
上司は、20年前の私を知らない。まだ私が20代半ばの頃、永遠に続くかと思われる「普通」
の毎日があった。私は普通のサラリーマンとして、普通のオフィスで、普通の仕事をしていた。
 
しかし、ある日、その「普通」が一変した。私の部署が、急遽大きなプロジェクトを担当することになった。当時、私は28歳で、プロジェクトリーダーに任命された。私の心は不安で押し潰されそうになっていた。大きなチャンスの一方で、それは大きなプレッシャーも伴う役割だった。
 
このプロジェクトは会社に大きな影響を与えるものと言われていた。結果がどうなるかで、会社の将来に大きく影響することは明らかだった。その重圧は私の肩にのしかかり、当時の私は、それに耐えうるだけの能力を持ち合わせていなかった。
 
私は常に不安を抱え、解決策を見つけ出せず、悩む日々を過ごした。私は、若さと勢いで培っていた自信を失い、自分の能力を疑うばかりであった。その頃の私も、量販店で買ったスーツを着ていたが、戦士ではなく、ただの足軽兵のようだった。
 
そんな中で、私は自分自身に一つの質問を投げかけた。「俺は、本当にこのプレッシャーに耐えられるのか? プロジェクトリーダーを降りて、会社も辞めた方がいいのでは?」それ程にまで自信を失っており、まさに人生のどん底であった。
 
それから数日後、私は、どん底の中で解決策を見つけた。それは、毎日着ているスーツを変えることだった。私は自分のスーツを鎧に、そして自分自身を戦士に見立てた。私は専門店に足を運び、オーダーメイドスーツを仕立てた。その選択が、自分自身に対する大きな自信を与えた。
 
私が選んだスーツは、ダークネイビーのウール素材で、クラシックなデザインであった。テーラーに言われるがまま選んだのであるが、袖に腕を通した瞬間、私の中で何かが変わった。私は自分自身のことを、百戦錬磨の戦士と思い始めた。スーツが私の中に新たな自信を引き出し、その自信が私を前向きにし、自分自身に対する信頼を深めることができたのであった。
 
量販店とは違い、専門店で身体中のサイズを測り、仕立てた世界で一着のスーツは、自分自身をプレッシャーから守り、安心感を与えてくれた。スーツは私の鎧となった。それは私を守るだけでなく、実力を超える力をも与えてくれた。オーダーメイドスーツを身に纏うことで、私はプロジェクトという敵を迎え撃つ準備が整った。
 
専門店で仕立てたスーツを着た私は、まるで別人のように生まれ変わった。私は、プロジェクトに対し、周囲を巻き込み、反対意見を退け、自信満々にプレゼンに挑むことができた。その結果、プロジェクトを大成功に導くことができたのだ。そして、その成功は私の自信をさらに強化し、新たな成功への道を切り開いた。そう! 大手のコンサルティング会社からヘッドハンティングの声がかかったのだ。
 
この経験から、私は重要なことを学んだ。それは、自信がどれほど重要であるか。そして、その自信を上書きしていくということだ。そして、その自信は簡単に手に入る。若さと勢いで得た自信は、自分だけのスーツを作って袖を通すことで更新された。服装を変えるという行動が、自分自身を強くし、成功へと導いてくれた。
 
確かに、人は見た目ではなく、中身が大切である、とも言われる。それは全くの間違いではない。しかし、中身で判断される前に、まず外見、特に服装で判断される。「この人、プロジェクトを成功に導きそう!」と印象を与える服装が、私の場合はオーダーメイドスーツであった。周りの印象だけでなく、自分自身の印象をも変えたのだ。
 
「自分が自分に惚れる」これこそ、私がオーダーメイドスーツを仕立てた理由である。そして、スーツという鎧が私の人生を変えてくれた。鎧が自分自身の考え方や行動に大きな影響を与えた。外見を変えたことが、私の中身までも変えてくれたのだ。
 
つまり、私たちは外見についてもっと注意を払い、その重要性を理解する必要がある。外見の変化は、自身の自信を育て、成功への道を開くためのツールである。スーツは良い例であり、自己を強く印象づける力を持つものの象徴である。そして、スーツは私の人生を変え、より豊かで満足のいくものにした。スーツという鎧を纏うことで、自分自身の能力を最大限に引き立てることができたのである。
 
 
 
 
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2023-06-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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