メディアグランプリ

26年間の呪いを解く「秘めフォト」の魔法

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*この記事は、「絶対麗度ライティング」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

絶対麗度ビューティー・レコーディング・ラボ

記事:Kana(絶対麗度ライティング)
 
 
「バレンタイン告白成功♡春ヘア」
「恋する着回し♡3週間」
「新学期だもん♡第一印象あげちゃう特集」
 
水玉のゴシック体が目にチカチカし、目のキワを黒くふちどった女の子が「私たちイケてるもんね」という顔で表紙に顔を寄せている。
それを眺めていると、クラスでいっとう目立ってはしゃいでいるあの娘の姿がダブって見えた。
その本を手に取り、母の顔色を伺いながらおずおずと買ってもいいか尋ねる。
 
晩御飯を食べ終えるとさっさと自室に引き上げて、隅から隅まで読んだ。
私服の着回しコーデ、学校に行く時の髪型、ペンケースの選び方、女の子の好きな仕草の街頭アンケート。
 
「これを全部実行したら、あの娘になれるのかな」とぼんやり思う。
けれど、そんなの無理だとわかっている。
癖毛で太っていて眉毛が濃く人見知りの私が、この格好をしてあの娘になれるわけがない。
 
でも、毎月読むのを止められなかった。
あの娘になれなくてもいいけど、せめて「正解」を把握しておきたかった。
 
なんの正解かって?
そりゃあもちろん、「モテる女子中学生」ですよ。

 

 

 

ファッションと「モテ」が結びつくのは、中学生に限った話ではない。
 
大学生になると、途端にYouTubeに脱毛サロンの広告がよく登場するようになった。
脱毛していない女性が、彼氏に散々な言葉をぶつけられて振られ、脱毛して彼氏を見返す。
 
脱毛していないと恋愛がうまくいかないとでもいうのだろうか? と思って反発するけれど、ボーボーに伸ばせるわけもなく、毛を処理する毎日。
外出先でちょっとの剃り残しを見つけると気になりすぎて、辟易した。
そんな日に限って、吊革の向こうに脱毛の広告の吉沢亮がいて、目が合ってしまうから厭になる。
 
ちょうどそんな時、留学生の女の子の腕に見つけた、ふさふさとした黄金の毛。
太陽に輝く黄金の毛は、秋の稲穂のような豊かさを思わせ、とても眩しかった。
私の毛は「根こそぎ刈り取るぞ!」と、まるで雑草のように日々憎しみをぶつけられていると言うのに。

 

 

 

そして社会人になると今度は、「結婚できる正解コーデ」という強烈なワードに出会う。
 
20代向けのファッション誌「with」のHPで、毎日のコーディネートを紹介するページがある。
そのページは4年前、「結婚できる正解コーデ」と銘打たれていた。
 
女性らしいデザインを取り入れたら、靴はマニッシュにして引き算を。
スエットを肩にかけることで、カッチリしたスタイルに抜け感を出して。
 
「世の男性が結婚したいと思う女性像」から逆算されたコーディネートは、四則演算が多用されて、さながら数学の公式のようであった。
高校生の頃のチャート式みたいに、「結婚できる正解コーデ」を毎日見ていたら、実力がついて結婚という合格に辿り着くのかしら。
 
現在、「with」のHPを見ると「結婚できる正解コーデ」の文字は消え、「ファッションで私らしく」に変わっていることを確認した。
でも変わったからといって、「世の男性が結婚したいと思う女性像」が反映されなくなったのかは定かではなかった。

 

 

 

こんな具合にメディアは、女性に対して「自分の見た目を整えおしゃれをすること」と「恋愛」とを結び付けるように仕向けてくる。
しかも、人生のあらゆるステージで執拗に。
女性向けの雑誌からは、「モテたければ、これを読め」という圧力すら感じる。
「世間一般の男性の意識を経由した女性らしさ」を発信するコンテンツで、世の中は満ちていた。
 
散々刷り込みを受けたおかげで私は、「おしゃれをするイコール、モテようとする」という図式で、何でも見るようになった。
自分だけじゃなく、周りまでも。
 
例えば、おしゃれをして職場に来ている女の子がいたとき。
ついつい、男性社員に好かれようとしているな、という目で彼女を見てしまう。
一方、気のない男性に食事に誘われたとき。
おしゃれをしていくと勘違いされそうだから、地味な服にしてメイクも適当にしておこう、と思ってお気に入りの服を諦める。
 
『おしゃれをしている女の子は、メディアの影響を受けすぎて男性に迎合しなきゃと思っているミーハーで可哀想な人だ。』
『自分はそうではないし、そうなりたくもない。』
『だから、おしゃれをしない、女性らしくしすぎないということが、「自分はミーハーで可哀想な人ではない」という意思表示になる。』
極端に言えば、こういう思い込みがいつの間にか出来上がっていた。
 
男性に迎合したくないと思う。
でもそれ自体が「世間一般の男性の意識」を基準にした行動であるという矛盾。
生きていく上で実害はないけど、何だかじゅくじゅくと膿んでいるような心持ちだった。

 

 

 

ここまで書いたように、女性が持つ「外見に対する考え方」への、メディアの悪影響は凄まじい。
日本で生まれ育って、影響を全く受けずに大人になれる女性はほとんどいないだろう。
 
でも、仕方ない。恋愛は商売になるのだ。
「恋愛がうまく行く」というのは、女性の消費者にとって非常に大きなインセンティブになり得る。私みたいに一喜一憂してお金を出す女性のおかげで、日本の経済は回っているのだ。
 
「秘めフォト」も、例外ではなく、
結婚、妊娠報告多数、と恋愛をインセンティブにちらつかせてPRをしている。
 
……ところが。
秘めフォトは、女性向けの雑誌などのメディアとは根本的に全く違うのだ。
それでいて、ファッション誌よりも脱毛よりも、これまで目にしてきたいかなる女性向けコンテンツよりも確実に結果を出している。
 
具体的には、ファッション誌をたくさん読むとオシャレにはなれるが、急に綺麗になることはない。でも、秘めフォトはたった数回で劇的に綺麗になってしまうそうだ。
そんなバカなと思うけれど、体験してみて何となくその秘密を感じとってしまった。

 

 

 

秘めフォトを撮られる、撮られている人を見る、自分の写真を見る。
ポイントは、「見る」という行為だった。
 
特に、「実際に結婚している女性」が撮影されているところを見ると、絵も言われぬ貫禄があった。
空気感が、自分のそれとは違うのである。
 
メディアによって押し付けられる「結婚できる女性像」は胡散臭かったが、秘めフォトで実物を目の当たりにすると、さすがに理解せざるを得ない。
まさに百聞は一見に如かず、である。
 
メディアの「結婚できる女性像」がシミュレーションや理論値、誰かの論説のようなものであるとすれば、秘めフォトで実際に見た女性は、圧倒的な実証データだと言える。
目の当たりにしてしまった後、私の中で「結婚できる女性像」が、がらりとアップデートされてイメージできるほど具体的になったのを感じた。

 

 

 

そして、自分自身の写真を見てみる。
写真たちは、ひたすらに私のありのままを映していて、そこに「世間一般の男性の意識」を介在させる余地はなかった。
自分の瞳に光が当たって濡れたように輝き、人間としての尊厳が保たれていた。
「女性らしさ」を着たマネキンではなかった。
 
自分の中から湯気のように立ち上る女性らしさ。
それは、男性に迎合しようとしなかろうと、関係なかった。
山間に立ち上る霧雲のように、自然に湧き出るものであった。
 
「世間一般の男性の意識」を経由せずに、直接見た自分は、とても美しかった。
どんなに足掻こうと、私は、女性でしかない。
でもそれは苦痛や原罪ではなく、ある種の恵みであるように思えた。
新鮮な驚きを伴って。

 

 

 

「フェミニズム議論を息巻いて生きるより、女性の体に生まれたことを楽しんでみようじゃないの。」
秘めフォトの写真を見ていると、こんな気持ちが湧いてきた。
まさに、26年間で培われた「女性らしさ」の呪いを解いてくれたのが、秘めフォトであった。
 
呪いが解けた私は、一体これからどんなふうに綺麗になっていくのだろうか?
 
 
 
 

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この記事は、天狼院書店の「絶対麗度ライティング」にご参加の方が書いたものです。

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2024-02-24 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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