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「一生勉強」の意味は20年の時を越えて


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記事:おまど(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「英語なんて、将来、海外旅行をしなかったら必要ないし」
これは、私が中学生のときに思っていたこと。
英語が苦手な私にとって、英語の授業が苦痛で、苦痛で……。
英語なんて、本当に必要な人が勉強すればいいと毎日のように思っていたことを今でも覚えている。
 
みなさんも学生時代、得意教科や苦手教科は少なからずあったと思う。
私と同じように、やりたくない気持ちを自分なりの言い訳に変えていた人はいるのではないだろうか。
でも、その思いも、「やらないと仕方がない」「逃げられない」ことを受け入れることで、自分なりに折り合いをつけて勉強をしていたと思う。
 
中学1年の最初、私はアルファベットの順番でつまづいた。
「L」「M」「N」の順番が自分の中でしっくりこなくて、「あれ?」が頭の中でいっぱいになる。
きらきら星のメロディにのせたアルファベット順の歌も、この場所が来ると「フンフンフーン」なんて適当に誤魔化していたことを思い出す。
「この順番にするのがおかしい!」なんて、今となっては意味のわからない言いがかりをつけていた。
アルファベットの学習が終わっても、まだまだ試練は続く……。
「動詞」と「be動詞」の違いも理解できず、どうして「I」の後に毎回「am」をつけないのか、頭の中は常にパニックだった。
 
こんな私なので、ちゃんと理解できていないまま定期考査はやってくる。
定期考査前は、自分なりに何度も何度も繰り返し問題を練習し、ほぼ暗記できているレベルまで勉強していた。
そのため、なんとか点は取れるが、まったく身にはなっていない。
3日もすれば、きれいさっぱり忘れている。
英語は積み重ねの教科と言われているため、こんな調子で勉強していたツケは、高校に入学してから回ってきた。
 
膨大な数の英単語。
文法なんて、毎時間2~3ずつ学習する。
クラス全員が予習しているていで授業がどんどん進んでいく。
授業が始まって1週間も経たないうちに英語はもちろん、得意だった数学や理科もついていけなくなった。
生まれてはじめて、「自分は勉強ができないんだ」という現実を突きつけられた。
 
自分の性格もあると思うが、それが悔しくて、毎日4時間以上勉強した。
毎日毎日、単語帳を開けて、3年間で1200個の英単語を覚えた。
予習、復習を欠かしたことはなかった。
その甲斐あって、自分の中で自信がついた。
努力は実るんだと実感した。
 
そんな学生生活が終わり、社会人になった。
毎日の忙しさに追われ、日々の業務をこなしていくことで必死だった。
上手くいかないことばかり。
たくさんの先輩方に迷惑をかけ、たくさんフォローしてもらった。
「若い頃は、みんな助けてもらうもんだから」なんて優しい言葉をかけてもらい、なんとか毎日を過ごしていた。
仕事を始め10年を過ぎたあたりから、責任のある仕事を任せてもらえるようになった。
自分のことを認めてもらえたように感じた。
嬉しくて、自分なりに一生懸命考えて取り組んだ。
でも、そこでつまづいたのも、やはり英語だった。
 
研修での話しの中でも、関係する本を読んでも、その中には横文字がたくさん並んでいる。
ちゃんと理解していないのに、わかっていないことが周りにバレるのが怖くて、わかっているフリをしている自分がそこにいた。
「デフォルト」「エビデンス」「アグリー」「アサイン」「イニシアチブ」「オルタナティブ」……
「いや、日本語で言ってよ……」これが私の心の声。
でも、この気持ちと同時に、中学生のときに自分が思っていた「英語なんて、将来、海外旅行をしなかったら必要ないし」が間違っていたことを感じた。
中学のときや高校のときは、ただやらないといけないから勉強していた。
でも今は違う。
自分に必要だから勉強するんだとわかった。
 
最近、小学生の頃の教頭先生の言葉を思い出す。
小学生のときに3年間入っていた陸上クラブ。
その指導をずっと教頭先生がしてくれていた。
その先生が卒業のときに私たちにくれた言葉。
「勉強 勉強 一生勉強!」
小学生だった私は、この言葉の意味を全然分かっていなかった。
「おとなになったら、そこで勉強は終わりじゃないの?」
でも、大好きだった先生の言葉だったため、ずっと頭の中にあった。
この言葉が、20年の時を超えて、今の自分を支えている。
 
学生時代は知識を与えられる。
自分にとって必要かどうかなんて関係なく、どんどん与えられていく。
でも、おとなになると、知識は自分からつかみ取らないといけない。
時間やお金を使って、自分に必要なものを必要な分だけ。
わかりたい! 知りたい! できるようになりたい!
これが、おとなが勉強する理由だと思う。
そして、それが豊かな人生につながるんじゃないかと思う。
 
私にとって一生色あせない、人生の教訓。
たった8文字だけど、そこに込められた意味はものすごく深い。
「勉強 勉強 一生勉強!」
 
 
 
 
***
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2024-05-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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