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何もしない幸せ、がもたらすもの

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Reiko.M (ライティング・ゼミGW特講)
 
 
今日から休みだぁぁぁ……
 
4月の末の休日の朝、目覚ましアラームの鳴らないスマホに目をやる。二度寝してしまおうと掛け布団を引っ張るも、「いやいやせっかくの休日寝過ごすのはもったいないぞ」と自分に言い聞かせ、数分後に起き上がった。
 
なんだか顔がニヤッとする。
何もしない、いや、「何もしなくていい」休日の始まりだ!
 
ここ数年、ゴールデンウィークには旅や宿泊の予定を入れていない。休日に挟まれたカレンダーの黒い数字のところは有給休暇にするとしても、これといって予定を入れないことが多い。
 
数カ月前から旅行の予定を組んで、宿泊施設や交通機関の座席を予約して、休みになるやいなや動き出す人も多い。そんな周りの人たちと比べたり、連休明けに知り合いから土産話を聞いたりすると、なんと休日の無駄遣いをしていることかしらと残念に思ったりもする。
 せっかくの休みなんだから、良い季節なんだから、「子どもたちをどこかへ連れていってあげなきゃ」と一応親心も痛む。
 
毎日時間に追われているといっても、スマホでSNSを眺めている時間はあるのだから、旅行のアレンジを考えたり宿泊や航空券の予約をしたりする時間がないわけではない。
 
「混んでるよなぁ、やっぱり直前に予約すると高いなぁ」
 
旅程をイメージしたり、荷物のパッキングはいつやるのか、旅行地の気候によって着ていく洋服もかわる。あれこれ考えながら、予約のネット決済の操作がうまく進まないとやる気がうせ、睡眠という充電が必要になる。そして後回しにしてしまうのが毎度のこと。なぜかできない。いや、できないのではない。
 
「やりたいか、やりたくないか」
 
ゴールデンウィークに予定を入れるのは、結局「やりたくない」
 
その理由はよくわかっている。
4月や3月は知らず知らずのうちに、いつも以上に気力と体力を消耗する。3月は決算期や繁忙期で、業務過多による脳疲労気味。季節柄、花粉症や寒暖差のために家族が入れ替わりで通院したり服薬もケアもある。年度が変わり4月からの職場の新組織編成がセットアップされたもののなにも進まない停滞感。新メンバーでは人間関係ができてないためか不思議な気疲れもある。新ルール告知に埋もれながらも通常業務のルーチンをまわす、やっぱり脳疲労気味。
 
大人だけではなく、子どもたちだってこの時期は卒業・入学・進学の各種イベントをこなしたかと思うと、変則的な時間割でリズムがつかめず疲労蓄積。気が付いたら頑張った感でいっぱい。そういえば給食開始までは弁当持参で、不慣れな弁当作りもあったっけ。
 
3月4月を走り抜けたあとの身体がゴールデンウィークに求めるものは、ただ一つ。
「ひたすらの休息」だ。
 
何もしない幸せ……
 
最低限の家事、気ままに外出。しかし残念ながら、現実はそんなに都合よくはいかない。エネルギーの高い子どもたちはゲーム三昧を許可されても、すぐに飽きる。もちろんゲーム三昧のゴールデンウイークにはさせたくないし、ゲーム音がずっと聞こえてくるのも嫌だ。最低限とはいえ、三食の提供は必須で、私の義務だ。今年のゴールデンウィークは、夫が仕事の都合で不在でもある。子どもたちと私だけ。
 
さて、どうするか。
 
ひたすらの休息や、何もしない幸せ、を心が欲しているのに、それを無視してはいけない。
ここは、セルフラブでなくては……
 
「近所の温泉に3回いく」
 近所の温泉に、ジャグジーとサウナと、露天風呂もあるじゃん。
 
「自炊はしない」
 サラダとフルーツは食べたいから買うけど、あとはテイクアウトだな。
 外食もありだな。子どもたちはアイスOKにして、私はビールOKにしよう。
  
「朝散歩」
 花粉の季節が終わったあとの新緑は好き、距離を延ばせば軽い散策だし。
 ついでに日頃の運動不足解消も。これで習慣化できれば言うことナシなんだけど。
 
他にも、浮かんできた。
近所の図書館は子どもたちも気に入っていてよく利用するのだけど、休日中も開館してくれているのは本当に有難い。そういえば映画も気になるやつあったな。子どもたちだけで映画をみて、私はその間に買い物をしてもよさそうだ。途中でふらっと立ち寄れるイベントもあるかもな。そういえば、さぼり気味の美容器を出して美容タイムってやつを作ろうかな。みんなで22時消灯にするのもいい。
 
何もしない、とか、ひたすら休息、と決めたくせに、何かとやりたいことが思い浮かんでくる。日々の仕事や家事で頭の中がタスクだらけになっていたことで、今まで「やりたいこと」については思考停止していたんだなと気が付いた。
 
余白って大事なんだよな……
 
今回のような休日の過ごし方に慣れてしまうと、夏休みや年末年始も行き当たりばったりになってしまいかねない。日常が手いっぱいだからとか、直前までどんな予定が入るかわからないからといって毎回仕事や用事を優先してしまってはいけない、いけない。
 
 
 
 
 
旅をしろってだれかが言ってたな……
 
そうだ、夏の旅の計画こそは、今のうちにしておこう。
旅は「やりたい」ことだったと気が付いた。
 
 
 
 
***
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2024-05-03 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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