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運命の人を探しに、今日もお見合いへ行ってきた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ジュンコ(ライティング・ゼミ)

「今日はお休みなんですか?」
きたきた、お決まりの質問。ここからがスタート。私は少しうんざりしつつも、想定通りの質問に対し、笑顔で言葉を返す。
「主婦なんです、だから毎日休みのようなものなんですけどね」
本当はそんなこと思っていない。
主婦も忙しいんです! 今だって、子どもが幼稚園に行っている間の貴重な時間を使って来ているし、これが終わればすぐにお迎えの時間。そのあとは、お風呂、夕食、寝かしつけと、夜までバタバタの時間。在宅での仕事は睡眠を削ることがほとんどで、意外と大変なんですよー……。
なんて本音を、今会ったばかりの人にするのも気が引けるし、それに、今日これっきり、会うこともない人かもしれないし。
だから、とりあえず場をなごますためにちょっと自虐っぽい返しをしてしまう。
ほんと、この場所が苦手。
そう、ここは美容室だ。

昔から美容室が苦手だった。
そもそも初対面の人と会話をするのが緊張する、人見知りな性格。ちょっと話が弾みかけたかと思えば、シャンプーの時には別の人に交代になったり、ドライヤーがまた別の人だったりと、会話が途切れるのも気になる。人が変わるたびに、同じ話を繰り返すことも。
3~4カ月に一度、カットとカラーでだいたい2時間ほど。いっそのこと、DVDで映画でも観せてほしい。そんな美容室できないかな? と、もう10年以上思っているけれど、私の知る限り、そんなお店はまだないようだから、需要がないのかもしれない。

決まった担当の美容師さんと話すのは、私も好きだ。問題なのは、その決まった人、いわばお気に入りの人が見つかるまで、探し続けないといけないことだ。
だったらずっと同じ美容室に通えばいいんでは? と思われるかもしれない。それができないのは、我が家が転勤族だからだ。
私がセレブだったら、新幹線や飛行機で通うのに……と思うくらい、大好きだった美容師さんに別れを告げたのが昨年秋のこと。

こんな私も、若い時はまだよかった。面倒だなと思いながらも、その場限りの会話が楽しく感じるときもあったし、なにより美容師さんと同年代か、もしくは自分が年下だったので、話すのも聞くのも楽しかったんだと思う。新しい美容師さん探しが、今ほどは苦ではなかった。
今は自分のほうが年齢が上のことが多い。世代の違いで話が合わないから嫌なのか? という単純なことではない。若い頃は、美容室に行くのはきれいな髪型にしてもらうのが目的だったけど、今はそれだけではなく、きれいにしてもらうという以前に、年齢とともに出てくる、いろんな悩みをさらけ出さないといけないのだ。
そんな大袈裟な、と思われるかもしれないが、髪がやせてくる、ツヤがなくなる、白髪が出てくる……。こんな自分を、まだそんな悩みもないであろう人にさらけ出す、というのは、できればしたくないことだ。
だから、美容師さんは、技術云々より、何より相性が大切だと思っている。信頼する人にしか、相談したくないことがたくさんある年頃なのだ。

このことを人に話すと、「相手は商売なのだから、何も思ってないよ。気にしすぎだよー」と言われ、確かに自意識過剰かも? とも思うのだけれど、もともとの人見知りも相まって、年齢とともに美容室への苦手意識に拍車がかかってしまった。

こんな私なので、好きになったら一途に浮気せずとことんついていく。今までも、担当の人が独立して遠くの街で自分の店を出す、ということが2度あったが、電車で片道1時間半かかるようになったけど、迷わずついていったこともあった。

私にとって美容室に行くのは、あまり気が乗らないお見合いに行くのと似ている。人見知りでお見合いなんてしたくないけど、ほかに出会いもないので行くしかない……といったところだろうか。相手が女性の場合もあるけれど。

今回の相手は、30代くらいの落ち着いた雰囲気の男性だった。
「今日はお休みなんですか?」っていうお決まりの質問で、この人もダメかな……と思いかけた時、主婦なんですっていう私の答えに対し、予想外の言葉が返ってきた。
「家のことでもお忙しいだろうけど、きれいに爪をケアされてますね」
ちょうど1週間前に、ネイルサロンに行ってきたところだった。子どもの転校やら、引っ越しの片付けやらがようやくひと段落したので、自分へのちょっとしたご褒美として行ったのだ。家事や育児でついイライラした時に、ふと手元を見るとうれしい気分になっていたので、ほめられて素直にうれしかった。「ありがとうございます」とお礼を言った。
こぢんまりしたお店を選んだのも良かったようだ。最初から最後まで、ずっと同じ人が担当してくれたので、私の苦手とする、途中での交代がないところも気に入った。髪型もいい感じ。

この人、いいかもしれない。
お店の外まで見送ってもらいながら、小さい声で「またお願いします」と言ってみた。聞こえたかどうかはわからないけれど。
緊張のお見合いを終え、今度はパーマをかけてみようかな~なんて、もう次のことを考えてしまうのは、いい出会いだったということかな? 

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-01-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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