そこから先は、人生を変えたい人だけが進めばいい
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:果椰kaya (ライティング・ゼミ)
「結婚できますか?」
ほほえみ顔をキープしたまま、またか、と心の中で言う。
……今の、「またか」って、聞こえてないよね?
大丈夫、心の声だもの。
ゆっくりまばたきをして、くちびるのはしっこをキュッとあげる。頬骨が高くないので、大げさ? と感じるくらい口角を上げたほうが、優しい人に見えることを知っている。
笑顔だけは、唯一、ほめられたことがある。他にほめるところが見当たらないらしいことはわかっていても、やはり、ニンゲン、ほめられると単純に嬉しいものだ。
少しばかり緊張ぎみに真正面に座った女性は、会社での悩みごとをひとしきり吐きだしたあと、今日はそのことも聞きたかったんですけど、実はですね、と少し身をのり出すようにして切り出す。
「わたし、結婚できますか?」
この子もまた、そう尋ねてくる。
さっきの子もそうだった。
オンナノコってみんなそうなの?
年齢層に多少の幅はあるものの、たいてい、悩みの定番はコレなのだ。
そういうときは必ず、
「結婚は、『できる』か『できないか』ではなくて、『する』か『しないか』なのよ」
力を込めて、そうお伝えしたあとで、時期や傾向を鑑定して差し上げるのが常だった。
占い師を辞めてから、もう2年。
始めたころは「人生を一歩踏み出したい人の背中を押す!」と掲げた信念をまっとうしようと必死だったが、だんだん、先生と呼ばれることに嫌気がさしてきた。
結婚できるかどうかを当てたところで、それがなにになるというのだ。
できるかどうか、なら、『できる』し、そうしたいのなら『する』だけ、なのに。
恋人がいないといっては悩み、恋人がいることでまた悩む。
結婚できるかどうか悩んで、結婚したらしたで悩む。
ずっと悩んでいたらいい、と、乱暴に思いはじめた時点で、もう占い師でいる理由はない気がしてきた。
いや、ずっと悩んでいてもらわなくては商売にならないのだけど。
どんなことも解決方法はいたってカンタン。
「する」か「しない」か、ただ、それだけ。
選択するか、しないか。「する」と決めでもすぐにやめたり、「しない」と思ったけどやっぱりやる、ということもあるけれど、それでも「する」か「しない」かのどちらかしかないことは明白なのだ。
ただそれだけを落としこんでもらうために、目の前に座った相談者に届きそうな言葉を選んで語りかける。10分なら10分、30分なら30分の鑑定時間をフルに使って、時に笑わせ、時に泣かせながら、納得するところまで持っていく。やりがいがあるといえば、確かにひとつひとつが真剣勝負だった。
もうすっかり占いごとから離れてしまって、誰かの名前や生年月日を知っても、鑑定モードに頭のスイッチが切り替わることはなくなり、相棒のタロットカードは、古い本のページがいつの間にかめくれなくなるように、手垢にまみれたカード同士がくっつきあって、もう使いものにならない。
鑑定に来てくれた人の背中を押すことはできていただろうか?
誰かの人生を変えることができただろうか?
占いは、試しに引いてみる「おみくじ」みたいなものなのだ。テレビでチラッと流れる今日の運勢の順位に一喜一憂するみたいなものなのだ。
わかってる。
わたしが「迷える人の背中を押したい」と思っていたほど、人はそんなに真剣に悩んではいないことも―。
それでも、みんな、
人生に変化が欲しい、と、心のどこかで思ってる。
劇的に変わることは怖いけれど、新しい世界の扉を開けてみたいのだ。
違う世界を見てみたい。
「人生を変えたい」
もしかしたら、誰しも心のどこかに抱えている小さな情動なのかもしれない。
占い師なんてモノをやってしまったおかげで、自分の中の優柔不断と、わたしはさんざん向き合うことになった。向き合っていたのはお客様のお悩みだったが、それはそのまま自分に跳ね返ってくる。あぁそうだった、わたしもそうだった。迷ってる、悩んでる、なんて言いながら、結局「行動していないだけ」の自分を言い訳しているに過ぎなかった。
「迷わずに行ける地図」や「道しるべ」があれば、誰だってそこに向かっていける。
それを鑑定結果として提示してみせることはできる。
あらゆる条件がそろっていたとしてもチョイスしない人だっている。
行動「する」か「しない」かは、いつだって本人にゆだねられている。
人生に迷える人よ、
そろそろ行動してみない?
たいていのホームページにはアクセス方法が掲載され、地図が表示される。
住所も電話番号も、時間帯や曜日までも丁寧に書かれている。行こうと決めればすぐに行動に移す準備は整うはずだ。
ここのホームページはとりわけ親切で、もし、東京天狼院に行こうと地図を見て、迷いそうだと不安なら、『最も迷わない天狼院書店への行き方』を読むといい。プリントアウトすると13ページくらいになるから、用紙の残数を確認したうえでプリンターのスイッチを入れて欲しい。
たどり着いた先では、その名も「人生を変えるライティングゼミ」が行われている。
ことこまかに、その手法をあますところなく全力でレクチャーしてくれるそれはまるで、「迷わずに行ける地図」や「道しるべ」そのものだ。
そこから先は、人生を変えたい人だけが進めばいい。
「する」か「しない」かは、本人にゆだねられているのだから。
「結婚できますか?」
そう、何度も聞かれた。
「できる」ためには、「する」しかないのだ。
「したい」という願いは、自分の「する」という行動だけが叶えてくれる。
勇気を出して次の行動、つまり、告白したりプロポーズしたりして結婚につなげていくように、このゼミでは「書く」ことで人生が次のステップへと踏み出す。
そんなに結婚したいなら、告白するとき、もしくはプロポーズする時に、この「書く」ことで相手の心を動かしてみたらどうだろう。相手の心が動けば、あなたの人生は劇的に変わっていくだろう。
「人生を変える」、ライティングゼミ。
わたしはすごいものに出遭ってしまったんだろうな。
あなたもそのうち、そう思うのだろう。
人生を変える極意を知ってしまうのだから。
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