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服を1着買うのに5時間かかっていたけど、これからはもう少し早くなりそうです


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:ときね(ライティング・ゼミ)

「これじゃダメだ。もっと納得できるものを探さないと」
私は理想の高い女だ。
とは言っても、結婚できない女によくある男性に対するものではない。

自分が買う洋服に対してだ。
洋服を買いに出かけたのに、私の財布のひもは、めちゃくちゃ、固い。

買う洋服を決めるまでの条件を、挙げてみる。
私は「職場で履ける、ネイビー系の色のパンツが欲しい」など、買うものはだいたい決めてからお店を回る。
そのため最初の条件は、お店を見て、決めてきた商品があるか。ここで、他の服への目移りはほとんどしない。無ければ次のお店へ。

あれば、素敵だと思うものであること。大前提である。ときめき、大事。
もうひとつの大前提が、価格。予算を超えていたらだいたい諦める。お金も大事。

次に、自分に似合いそうなものであるか。
ファッションのトレンドと、それが自分に似合うかどうかは別問題だ。
私の場合、やや長い首と、骨がしっかりと浮き出ている鎖骨のお陰で、鎖骨あたりまで首回りがざっくり開いた服はなんだか貧相なことになる。
腕や足もそう。着痩せ効果を狙ってつけられた大きなフリルやレースのある服を着ると、見事に棒のようだ。広がりの大きいガウチョパンツなんかもそう。「フリルやレースで女性らしく」「動きやすいけど女性らしさもあるガウチョパンツ」のはずが、「手足が棒状の色気のない女」のできあがりだ。

そして、自分の周りの環境。
職場の同年代の複数の女性が着ていたようなデザインも避けたい。そのつもりはないのに、ときどき同期と服の色味がかぶっている。27歳という年齢やオフィスの雰囲気的にも、カジュアルすぎるデザインも卒業だ。汚れると目立ってしまう白い服は買うのに抵抗がある。他にもあるが、そろそろ長いので、割愛する

様々な条件をくぐり抜けたら、次の関門は試着だ。
着心地、丈の長さ、着た時のシルエット。
ここでさらに選抜され、栄えある数着がレジに向かうのであった。もちろん、全部選抜から漏れ、何も買わずに店を出ることもある。

こんな調子で、服を1着買うのに、5時間ファッションビルをはしごするなんてことは結構ある。何も買わずに帰ることもある。

「時間がもったいなくない?」という声も聞こえてきそうだが、結局自分のコンプレックスには勝てないようだ。その服を着た自分の見た目にも、使ったお金にも、後悔したくない。
財布のひもを結ぶ力は、強い。

ところが、先日、あっという間に買い物を終わらせる出会いがあった。

その日、私は資格の試験の受けるため、いつもは立ち寄らない街に来ていた。
試験は午前の部と、午後の部に分かれており、途中退出も可能だった。
午前の部の問題を解き終わり、退出して、次の試験まで2時間。
昼食をどうしようかと考え、近くに新しい商業施設ができていたことを思い出した。
おいしそうなカフェごはんのお店もいくつかある。見に行って、気に入ったところで食べよう。そうしてエスカレーターに乗った。

ある階で、エスカレーターのすぐ脇にコーディーネートされたマネキンが立っていた。

上から下まで、私好みの服を着ていた。下は、私が探し求めていたネイビーのパンツ。色味も申し分なし。シルエットも、タイトすぎず、ゆるすぎず、素敵だった。

これは、ほとんど理想通り。心が動き、ときめいた。マネキンに誘われるように店内に入る。
店内の他の服も、魅力的なものが何着もあり、「2BUY 10%OFF」の文字にも心が揺れる。

それでも、私は一生懸命財布のひもを締めようとしていた。買いたくない私と、買いたい私が心の中で会話を始める。

買いたくない私「そもそも、今日は資格の試験を受けに来たのだ、この建物にも食事をするために来ただけだ」
買いたい私「でも、一目でこんなに理想通りで、しかも、ちょうど探していた服があるなんて、なかなかないよ?」
買いたくない私「値段はどうなんだ? 理想に反しているんじゃないか?」
買いたい私「3,800円! いつもの予算くらい!」
買いたくない私「うっ・・・・・・。問題ないな・・・・・・」

そこへアルバイトらしい、女性店員さんがやってきた。
店員さんはセール情報や服の良いところをまくしたててきた。
いつもの私なら煩わしいと思うところだったが、この店員さんには気になるところがあった。

店員「お仕事は何をされてるんですカ?」
私「事務です」
店員「ジム? 体を動かすお仕事ですカ? トレーニングとかの」
私「ああ、そっちのジムじゃなくてね・・・・・・」

店員さんは留学生だった。日本に来て1年未満らしい。
会話はあまりかみ合わなかったのだけれど、言葉のカベがありながらも、一生懸命仕事をしている姿にとても好感が持てた。

なんだか勝手に応援したい気分になって、コミュニケーションにドキドキしながらも、彼女にマネキンからパンツを取ってもらい、
試着した。予想通り、私が着ても綺麗なシルエットだった。あっさりレジを通過した。
レジ横のマネキンが着ていた春物のスカートもかわいくて、また心が揺れた。

マネキンと店員さんとの出会いから、財布のひもをきつく結ぶ私は完全に叩きのめされてしまった。このお店で今後も買い物をすれば、私の服の買い物時間もとても短くなりそうだ。
彼女ともまた会えたらいいな。

***

この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。
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2017-01-27 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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