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台風で急な予定変更? そのときに持つべき心のコントロール術


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事;栗原知美(ライティング・ゼミ6月コース)

今年の8月は、まさに「台風の当たり月」だった。
日本列島を直撃した台風が複数あり、急な予定変更に悩まされた人も多かったのではないだろうか。

楽しみにしていたイベントが中止になったり、旅行の計画が台無しになったり……。
休暇中にモヤモヤを抱えていた人は多かったはず。私もその一人だった。

台風は、何百キロも離れたところで発生し、何日もかけてゆっくり近づいてくる。
その動きはまるで、潮に流されるクラゲみたいだ。最近のニュースで知って驚いたのだが、台風は自分の力で進路を決めることはできず、周りに吹く風や気圧に押し流されることで行き先が決まっているらしい。

風や気圧の配置に季節的な規則性はあるものの、状況は刻々と変わる。
ビッグ・データの活用やAIが日常となりつつある現代においても、台風の正確な進路を予測することは難しい。結局、私たちは迫り来る台風の動きをじっと見守りながら、どうにか自分の予定を調整することしかできない。

人は、この「どうにもならない状況」にイライラしてしまう。
台風が来るのか来ないのか、わからない中でも、「なんとか自分の予定だけは滞りなく済ませられますように」と、つい祈ってしまう。そこに少しでも希望があれば、すがりつきたくなるものだ。自分がコントロールできないような状況だからこそ、うまく切り抜けたいと思ってしまう。

私は、お盆に広島への家族旅行を予定していた。しかし、台風7号によって新幹線が運休になってしまい、延期を余儀なくされた。
再度計画した8月末にも、運悪く台風10号が来襲。
しかし、東海道新幹線に計画運休の可能性があると報道された瞬間に、私の心は決まった。

「もう台風に振り回されるのはやめよう」

乗車予定だった新幹線が実際に運休になると発表される前に、広島旅行をキャンセルした。そして、代わりに車で行ける近場の温泉に宿をとった。
これが正解だったかはわからないけど、自分で決断して行動したことで、不安やイライラが軽減された。お盆のときとは違って、台風の行方や交通機関の状況にヤキモキしなかったからだ。

「自己効力感」という言葉を聞いたことはるだろうか。
これは「自分ならどうにかできる」という自信を持っている状態のことを指す。
例えば、期末テストの前夜になって重い腰を上げて始めた勉強を思い出してほしい。徹夜で臨んだ試験で赤点を免れた経験が何度かある人は、「次のテストも何とかなるだろう」と物事を前向きに考えることができる。
それと同じように、成果の大小に関わらず、何かを成功させた経験があると、またできると思えるようになる。反対に、「どうにもならない」「自分には無理だ」と思ってしまうと、次のアクションを取る気力がなくなってしまう。
私は早めに計画を変更したことで、「自分で判断して、結果的に家族旅行を楽しむことができた」という満足感を得ることができた。

たとえ最初の予定通りにいかなかったとしても、ちゃんと自分で選んだ道を突き進み、イライラを減らすことができた。こうやって、自分で状況をコントロールできる部分を見つけることで、不安な気持ちも和らげることができる。

逆に、自己効力感が低いとどうなるだろうか。
何かうまくいかないことがあったときに、「自分じゃどうにもできない」と感じて、状況に圧倒されてしまう。台風という圧倒的な自然の脅威のなかで、ただ茫然と立ちすくんでいるだけでは、自分の無力さにただ嘆くしかない。

だから、自己効力感を高めることが大切だ。少しでも「自分でなんとかできる」と思うことができれば、物事に前向きに取り組むことができる。

それに、自己効力感は感情の制御にも役立つ。
先々のことに不安を感じるのは誰にでもあることだけど、その不安をどう処理するかは個人によって大きく変わってくる。
何もしないで不安に押しつぶされていくのをただ待つのではなく、「今できることは何だろう」と自分で考えて行動することで、心は少しずつ軽くなる。
実際、台風の進路のようなに先行きが不安定な状況であっても、自分でできることに集中すれば、不安を軽減することができる。

カナダの研究者が行った実験によると、自己効力感が高い人は、困難な状況にあっても積極的に問題を解決しようと行動することがわかっている。つまり、「自分ならできる」という気持ちがあると、より冷静に状況に対処でき、長期的に見ても心の健康を保つことができるというわけだ。

結果がどうであれ、「自分が選んだ」と感じられることで、納得感と安心感が生まれる。
台風のような思い通りにいかない出来事に出会ったら、まず自己効力感を意識して心を落ち着かせてみよう。そうすると、自然と前向きな行動がとれるようになっているかもしれない。

***

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2024-09-11 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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